普段、何気なく手に取っている果実飲料にも、実はさまざまな種類があることをご存じですか? 果実飲料の種類によって果汁の含有量や製法も異なります。果実飲料を選ぶときは、パッケージの表示内容やイラストを参考にするとよいでしょう。


●ストレート果汁と濃縮還元果汁
果実飲料の原料となる果汁は、果実の搾汁や裏ごしから皮や種を取り除いたもので、「ストレート」と「濃縮還元」に大別されます1)。ストレート果汁は濃縮や希釈をせず、搾汁をそのまま使用しています。一方、濃縮還元果汁は果実の搾汁を濃縮した後に希釈したものです。果実飲料の表示を見ると、品名の欄に「〇〇ジュース(ストレート)」、「〇〇ジュース(濃縮還元)」または「〇〇ジュース(濃縮還元・加糖)」などと表記されていますので、簡単に見分けることができます。

●果汁100%でなければ「ジュース」ではない?
日本農林規格(JAS)では、果汁率10~100%の果実飲料を対象として、果汁の使用割合に基づきいくつかの種類に分類しています(表1)2)。一般的に、果汁が含まれている飲料は広く「ジュース」と呼ばれることもありますが、法律上は果汁の使用割合が100%でなければ「ジュース」ではなく、果汁10%以上100%未満のものは「果汁入り飲料」として区別されています。果汁が入っていても10%未満の場合は一般的な「清涼飲料水」に分類されることもあります。

【果実飲料の分類】

果実ジュース 1種類の果実の搾汁。果汁率100%
果実ミックスジュース 2種類以上の果実の搾汁を混合。果汁率100%
果粒入り果実ジュース 果実の搾汁に、果実の果肉(果粒)を加えたもの。果汁率100%
果実・野菜ミックスジュース 果実の搾汁に野菜の搾汁を加えたもので、果実の搾汁が原材料の重量の50%以上を占めるもの
果汁入り飲料 果実の搾汁を原材料の重量の10%以上100%未満で使用したもの

表1 果実飲料の種類と定義
出典:「果実飲料の日本農林規格」(農林水産省)
(http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_21_kazitu_160224.pdf)をもとに作成

●パッケージのイラストで果汁の割合がわかる
飲料に含まれている果汁の割合によって、商品パッケージに使用できるイラストや写真も変わります(図1)3)。果実飲料公正取引協議会が定めた「果実飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」では、パッケージに果物のスライスや果実から果汁のしずくが落ちているなどのイラスト・写真を使用できるのは、果実ジュースや果実・野菜ミックスジュースに限定しており、その他の果実飲料などに使用することは不当な表示であると定めています。また、果汁5%未満の飲料では、果物のイラストを使用することは原則として不当な表示と定めており、図案化されたイラストのみ例外として使用が認められています。
ただし、酒類や紅茶飲料など特定の飲料はこの規約の適用外であり、果物のスライスのイラストや写真を使用したとしても不当な表示とはなりません。



図1  飲料のパッケージに表示できる果実のイラスト例

 

●パッケージの表示を参考に、自分にあった果実飲料を
果実飲料を毎日の食事や水分補給に取り入れると、フルーツ由来の栄養素を手軽に摂取できます。ただし、種類によっては加糖されているものや、果汁の割合が少ないものもあります。商品パッケージのイラストや栄養成分表示を確認して、自分の好みやライフスタイルにあった果実飲料を選びましょう。

参考文献
1) 果実飲料品質表示基準(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/kijun_10_110930.pdf

2) 果実飲料の日本農林規格(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_21_kazitu_160224.pdf

3) 果実飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則
(果実飲料公正取引協議会)
http://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/008.pdf

4)「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」における規定の解釈について
(不当表示編) (果実飲料公正取引協議会)
http://www.kaju-kyo.ecnet.jp/MyPage/161122-2.pdf