2012年から2013年にかけて低カロリーまたはカロリーゼロ甘味料入り飲料(Low/no calorie sweetened beverages: LNCSB)に関する研究が行われました。この研究は、13.6kg以上の減量に成功し、かつその体重を1年以上維持している人を対象に行われ、52.5%の人が低カロリーまたはカロリーゼロ甘味料入りの飲料を日常的に飲んでいたことが明らかとなりました。こうした飲料は、甘味の摂取を我慢することなくカロリー摂取量を制限できる、また減量後の体重維持にも役立つ、有用なものであるといえるでしょう。


LNCSBの飲用状況およびLNCSBの飲用に対する方針と動機を調査
LNCSBは、高エネルギー甘味料である砂糖の代わりに、低カロリーまたはカロリーゼロ甘味料を使用した飲料です。これらの飲料はどこでも入手可能で、広く飲用されています。最近の国民健康栄養調査(Nutrition Examination Survey:NHANES)のデータによると、米国における成人の28%がLNCSBを毎日飲んでいます。多くの人々は、総カロリー摂取量の制限や体重コントロールに役立つと考えてこれらの飲料を飲んでいるようですが、これらの飲料が減量とその後の体重維持に果たす役割については議論が分かれています。

本研究は、減量後の体重維持に成功した人々のLNCSBカテゴリーに含まれる飲料の飲用状況を把握するとともに、これらの人々のLNCSB飲用に対する方針と動機を探ることを目的としています。

定性調査の専門家によるフォーカス・グループインタビューと、減量と減量後の体重維持の成功者を対象としたWeb調査を実施
2012年11月~2013年3月の間に、ナショナル・ウエイト・コントロール・レジストリー(National Weight Control Registry:NWCR)のメンバーを対象としてWeb調査を実施しました。NWCRは1993年に設立され、体重を13.6kg以上減量し、その体重を1年以上維持した約10,000人の登録者を対象として、長期にわたり彼らの特性や行動の調査研究を行っています。

Web調査に先立ち、定性調査*1の専門家によるフォーカス・グループインタビューを実施し、減量後の体重維持に成功した人々のLNCSBを飲用する動機と方針について調査しました。この定性データを基に、NWCRメンバーに対する大規模サンプル調査*2を設計しました。Web調査では、(1)LNCSBを含む各種飲料の飲用状況、(2)LNCSBを選ぶ理由、(3)減量とその後の体重維持のために飲料の摂取パターンを変更する重要度の3点について調査しました。

*1: 個人による発言や行動など、数量や割合では表現できない「質的データ」を得るための調査方法。
*2: 母集団からある集団を抽出して調査することにより、母集団の性質を統計学的に推定する方法。

日常的にLNCSBを飲用しているNWCRメンバーは半数で、全体の約4割が飲料の摂取パターン変更は減量とその後の体重維持に重要であると回答
Web調査の結果、女性311名、男性123名、計434名の参加者から有効回答が得られました。自己申告によるBMIカテゴリーは、標準体重(BMI 25未満)171名(39.4%)、体重超過(BMI 25以上30未満)166名(38.2%)、肥満(BMI 30以上)97名(22.4%)でした。

◆各種飲料の飲用状況
回答者が飲用している飲料とその頻度をに示します。日常的に(1日1回以上)飲用している割合は、ボトル入り飲料水または水道水が最も高く91.7 %でありました。次いで、無糖コーヒー(36.4%)、低カロリーまたはカロリーゼロ炭酸飲料(26.0%)、低カロリーまたはカロリーゼロ甘味料入りコーヒー(24.7%)、無糖紅茶(19.8%)、低カロリーまたはカロリーゼロ甘味料入り紅茶(11.5%)、低カロリーまたはカロリーゼロ甘味料入りフレーバーウォーター(10.8%)でした。

LNCSBカテゴリー全体の日常的な飲用率は52.5%で、砂糖入り飲料(sugar-sweetened beverages:SSB)を日常的に飲用しているという回答は10.4%にとどまっています。この傾向は性別やBMIカテゴリーにかかわらず同様でした。


◆LNCSBを選ぶ理由
LNCSBを週1回以上飲用していると回答した287名のうち78.1%は、これらの飲料は食事全体あるいは総カロリー摂取量の管理や低減に役立つと感じています。

LNCSBを週1回以上飲んでいる回答者がLNCSBを選ぶ主な理由(3点)について、最も多く選ばれた理由は「おいしいから」(54.4%)。次いで、「喉の渇きをいやすため」(40.4%)、「身近/習慣/定番だから」(26.5%)、「カロリー摂取量を減らすため」(22.0%)、「食事のときに」(20.6%)、「体重増加を避けるため」(19.2%)、「元気を出したいから」(17.8%)の順(以下略)でした。この傾向は性別やBMIカテゴリーにかかわらず同様です。

◆減量とその後の体重維持のために飲料の摂取パターンを変更する重要度
全ての回答者に「Q1:飲料の摂取パターンを変えることは、減量のためにどの程度重要か?」「Q2:飲料の摂取パターンを変えることは、減量後の体重を維持するためにどの程度重要か?」について、「1:全く重要ではない」から「7:非常に重要である」の7段階で質問しました。その結果、「とても重要である」(6または7)という回答はQ1では41.7%、Q2では39.6%でした。一方「1:全く重要ではない」という回答は、Q1では14.3%、Q2では13.8%にとどまっています。

それぞれの質問に対して7段階中の2以上を回答した、Q1の369名、Q2の372名を対象に、最も重要あるいは最も頻繁に変更した摂取パターンについて5つの選択肢で質問しました。回答数が多かったのは、「水の摂取量を増やす」(Q1:48.2%、Q2:52.2%)、「標準カロリー飲料の摂取量を減らす」(Q1:21.1%、Q2:18.6%)、「低カロリーまたはカロリーゼロ飲料の摂取量を増やす」(Q1:8.7%、Q2:7.8%)でした。

LNCSBを生活に取り入れることは体重コントロールに有用
減量後にその体重を維持することに成功した人々は、LNCSBなどの低カロリーまたはカロリーゼロ飲料を主に飲用しており、SSBはあまり飲んでいないと回答しています。LNCSBを日常的に飲用している人々の78%は、これらの飲料が食事全体あるいは総カロリー摂取量の管理や低減に役立つと感じており、これらの飲料は体重コントロールに対して有用であることを示唆しています。また、飲料の摂取パターンを変えることは、減量とその後の体重維持のために重要な戦略だと考えらます。

Catenacci VA, Pan Z, Thomas JG, Ogden LG, Roberts SA, Wyatt HR, Wing RR, Hill JO. Low/no calorie sweetened beverage consumption in the national weight control registry, Obesity 2014; 22; 2244-2251.