生命の維持に必要な最小限のエネルギーを基礎代謝といいます。基礎代謝量は年齢や性別などによって異なりますが、季節によっても変動することをご存じですか? 基礎代謝の低下を防ぐためには、水分補給や適度な運動、バランスのよい食事を心がけることが大切です。


■基礎代謝とは
厚生労働省の食事摂取基準(2015年版)では、18~29歳の男性(参照体重63.2kg)の基礎代謝量は、1,520kcal/日、18~29歳の女性(参照体重50.0kg)は1,110kcal/日 としています1)。デスクワークで座っている時間が長い人、体を使う仕事をしている人など、身体活動量は個人によって異なるため、基礎代謝量に身体活動レベルを掛け合わせて1日に必要なエネルギー量が計算されます。 身体活動レベルが「普通」の場合、推定エネルギー必要量は、18~29歳の男性が2,650 kcal/日、18~29歳の女性が1,950kcal/日で、 基礎代謝量の約1.7倍となっています。

エネルギーについて詳しくはこちら>
「栄養成分表示の「カロリー」と「エネルギー」、どう読み解きますか?」
http://www.cocacola.co.jp/article/right-viewpoint02

■季節によって基礎代謝は変化する
基礎代謝量は、年間を通じて一定なわけではありません。日本人の基礎代謝量は、冬高く夏低いといわれており、その理由として、気温の年間差などの気候因子や栄養素摂取量の季節差などの食物因子があげられます1,2)。 たくさんの汗をかく夏は基礎代謝が上がるイメージがあるかもしれませんが、実際はその反対なので、冬と同じ量のカロリーを摂取していると体重が増えてしまうかもしれません。

■基礎代謝の低下を防ぐために、意識したい生活習慣とは?
では、基礎代謝の低下を防ぐために、どのようなことに気をつけていけばいいのでしょう。
例えば、暑くて食欲が低下しがちな夏は食事の量が減り、代わりにアイスクリームなど冷たくて口当たりのよいものをたくさん摂取する人もいるかもしれません。 欠食などで栄養状態が悪くなると、体はエネルギー消費を少なくしようとし、基礎代謝も低下してしまいます3) 。基礎代謝が低下する夏だからこそ、栄養バランスのよい食事を3食きちんと摂ることが大切なのです。
加えて、意識して水分を摂取することも基礎代謝量の低下の防止に役立ちます。水は細胞内液や細胞外液(血漿、間質液)を構成し、体内で起こる全ての生化学反応にとって必要なものです1)。栄養素の輸送や老廃物の排泄のほか、体温調節においても重要な役割を担っており1)、 体成分の合成・分解、体温維持や最低限の臓器の活動を維持する基礎代謝4)との関連は深いと考えられるからです。水分補給が基礎代謝アップに関わっているという確立されたエビデンスはないものの、水分補給のあとで基礎代謝率が増加したという報告もあります5,6)

飲料によるカロリーコントロールの工夫について詳しくはこちら>
「体重増加を防ぐための『小さな一歩』。それは飲料のカロリーコントロール。」
http://www.cocacola.co.jp//article/nutrition_01

適切な水分補給について詳しくはこちら>
「あなたの毎日に必要な水分補給。」
http://www.cocacola.co.jp/article/hydration-tool_01
「脱水症(熱中症)-正しいメカニズムの理解と適切な水分補給」
http://www.cocacola.co.jp/article/special-considerations_05

■筋肉量の増加も基礎代謝を高めるポイント
基礎代謝を高めるには、筋肉量を増やすことも大切です。基礎代謝量は体組成にも影響され、エネルギー代謝量は筋組織が大きく、脂肪は小さいため、同じ体重でも筋肉量の多い人は少ない人に比べ基礎代謝は大きくなる3) とされています。基礎代謝の低下が気になる人は、運動をして筋肉量アップを目指してはいかがでしょうか。日常のたんぱく質摂取量が多い人は少ない人に比べ基礎代謝が高い3) とされていますから、バランスのよい食事でたんぱく質をしっかり摂取するのもよいかもしれません。
基礎代謝の低下を防ぐために、水分補給と適度な運動、バランスのよい食事を心がけ、健康に過ごしましょう。

たんぱく質について詳しくはこちら>
「たんぱく質・アミノ酸とその表示方法」
http://www.cocacola.co.jp/article/right-viewpoint03

参考文献
1) 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会報告書(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf

2) 島岡章ほか, 基礎代謝の季節変動について,日生気誌, 24 (1) , 3-8, 1987
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho1966/24/1/24_1_3/_pdf

3) 「運動・栄養・健康」山内有信,三恵社,2009

4) 「日本人の食事摂取基準」(2010年版)(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4e.pdf

5) Boschmann M,et al. Water drinking induces thermogenesis through osmosensitive mechanisms.J Clin Endocrinol Metab. 2007 Aug;92(8):3334-7. Accessed March 27,2017.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17519319

6) Dubnov-Raz G,et al. Influence of water drinking on resting energy expenditure in overweight children.Int J Obes(Lond). 2011 Oct;35(10):1295-300. Accessed March 27,2017.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21750519