文=ジェイコブ・ローカイティス


日本を巡る1ヵ月の旅

僕はちょうど、1ヵ月かけて日本全国を旅行してきたところです。この旅を通して何十人もの現地の人たちと話し、日本の歴史や文化に対する理解を深め、たくさんの素晴らしいお城、公園、神社仏閣を訪れました。そしてそれらの経験を通じて日本で学んだいくつもの大切なことを、自分の日々の生き方に取り入れるようになりました。


日本で学んだこと その1:親切心

僕が日本で使っていた携帯電話にはデータが入っていなかったので、どこへ出かけるのにも道を訊かなければなりませんでした。結果的にそれが、多くの現地の人々と交流する機会につながったわけですが、実を言うと僕は、「○○はどこですか?」「○○に行きたいのです」といった簡単な日本語を覚えたくらいで、日常会話はできませんでした。同時に、僕が話しかけた相手の大半は英語をまったく話しませんでした。それにも関わらず、彼らは僕にびっくりするくらい親切にしてくれました。

京都へ行った時のことです。僕は京都に着いてすぐ、宿泊予定のユースホステルまで地下鉄で向かいました。しかし探しても見つけられなかったので、警察官に道を訊きました。僕らがボディランゲージで意思疎通を試みていると、見知らぬ母親と娘が通りかかって手助けを申し出ました(二人は英語を全く話さないようでしたが)。Google Mapsで目的の場所を見つけ出すと、二人は「自分たちの車で案内する」と(車のハンドルを回すジェスチャーを使って)言いました。

しばらくすると、父親が到着し、全員で車に乗り込みましたが、25分ほどあたりを運転してもその場所は見つかりませんでした。そこで彼らは近くのコンビニエンスストアに道を訊きに行き、それからみなで周辺を歩き回って目的の建物を探しました(時間は夜の11時で、すごく冷え込んでいました)。さらに30分後、ようやくの場所が分かったのですが……ユースホステルだったはずの施設は、なんと、幼稚園に変わっていたのです。結局彼らは僕を最寄りの電車の駅まで送ってくれ、僕は終電に乗って別の場所に泊まりに行きました。それにしても、寒い中、車や徒歩で1時間以上も、いかなる個人的な利益を求めることなく、僕と一緒にユースホステルを探し回ってくれたこの家族の、何と親切なことよ!

このように多くの場面で、日本の人々は見知らぬ他人の僕を助けるために、快くひと手間(僕の場合は多大な手間ですが……)をかけてくれました。


日本で学んだこと その2:礼儀正しさ

日本の人々は年齢、性別、国籍といった属性に関わらず、他者に対して非常に礼儀正しく接します。人と会うときと別れる時にはお辞儀をします(しばしば何度も)。電車やバスでものを食べたり、うるさくしたりする人はいませんし、列に並んでいるときはどんな場合でも順番を守り、辛抱強く待ちます。

他の国では、失礼で乱暴な人の多さに驚かされたこともありました。お店やレストランのオーナーがこちらの質問に答えようともせず、早く注文するように急かしてくることなんてしょっちゅうです。道ですれ違いざまに(場合によってはかなり勢いよく)ぶつかっても、何も言わずに立ち去る人もいます。でも、日本でそのような光景を目にすることはありません。それが、世界有数の人口を抱える大都市の東京であっても、です。うっかり道で誰かにぶつかってしまったら、その人は頭を下げながら何回か「すみません」と言うでしょう。そして日本のお店で何を注文すれば良いかと迷ってしまうとき(僕は菜食主義なので、そういうことは頻繁にあります)、お店のスタッフはお客さんの役に立とうと最善を尽くしてくれますし、他のお客さんも急かしたりせずに、手助けを申し出てくれます。


日本で学んだこと その3:謙虚さ

僕のスリランカ出身の友達が、自国の人々の態度をこんな風に表現していたことがあります。「飛行機みたいにふるまわないといけない。高く上るほど小さくなるんだ」。僕はまだスリランカには行っていませんが、日本の人々にもこの言葉が当てはまると思います。食事の前に「いただきます」と言う習慣にも、それが現れています。日本では有力な政治家や大金持ちまでもが「謙虚さ」を最も重要な姿勢の一つと考える傾向にあり、自分の功績や優位な立場を誇示することを慎むようにしています。

姫路城を訪れた時のことです。50歳代くらいの女性が、僕に無料で案内を申し出てきました。彼女は20年も地元で観光案内をしているとのことでしたが、自分はアマチュアだと言いました。興味深いことにその女性は、ガイドさせてあげることが僕から彼女へのサービスであるかのようにふるまいました。彼女は、ツアーをしながら僕と話すことで、英語を勉強できると言ったのです。それは僕にとっては衝撃的なことでした。大半の国では、これは詐欺の手口でしょう。誰かが案内をしてくれたら、後からサービス料金を求めてくるに決まっているのです。しかし、その女性は僕が日本文化をもっと学べるようにと案内してくれ、ツアーの後には何度もお礼を言ってくれました。

日本文化にはもちろん、長所と短所の両方があります。でも、この旅は僕の人生の中で最も印象深い体験の一つとなりました。僕が旅から非常に多くのことを学んだことは間違いありません。日本の人々の生き方や考え方には、本当に感銘を受けました。

世界を旅する外国人起業家が、日本で学んだ3つのこと
3 Things I Learned in Japan
筆者のジェイコブ・ローカイティス

ジェイコブ・ローカイティスは、世界中を旅しながらChameleonJohn.com(オンラインクーポンのプラットフォーム)の事業開発に携わる起業家です。自分をワーカホリックと評する彼の趣味は、新しい文化に触れること、読書、そして外国語の習得です。