■折衷案にはしない。どこまでも攻めるのが「ジョージア コールドブリュー」の流儀

──これまでにない容器入りコーヒーということは、製品の味を最終的に決定されるまでには紆余曲折、試行錯誤が相当あったのでは?

立花 試作数は全部で400を超えました。通常は多くても100ぐらいですから、かなり多いですね。難しかったのが、「苦味=コーヒー」という意識が強い日本のお客様の好みにどれだけ合わせていくかということ。お客様の嗜好に近づければ近づけるほど、日本の水出しコーヒーの味に近くなり、コールドブリューではなくなってしまう。それは避けたかったので、飲んだときに水出しコーヒーとは違う新しい味わいを感じていただけるようにしました。香りは、時間の経過とともに、トップ、ミドル、ラストと変化しますが、今回はトップとミドルを厚くしてしっかりとコクを出しています。ミドルとラストが強い通常のコーヒーと違って、口に含むと香りがばんと広がるんですよ。

──モニター調査はされたんですよね。反応はいかがでした?

立花 これが新しいコーヒーの味だとお伝えしても、お客様には想像していた以上にご理解いただけませんでした(苦笑)。でも、だからといって水出しコーヒーの味には近づけていません。新しい味わいを提供し、新しいジャンルを開拓するのは、トップブランドである「ジョージア」の役割。折衷案を選択するのではなく、きちんとした“コールドブリューの味”にこだわりました。これは大きな決断でした。

──チャレンジですね。ブラックとカフェラテの2種類を揃えたのは、女性をターゲットにしているからですか?

脇若 コールドブリューの味を最も楽しめるのはやはりブラックですが、女性など普段容器入りコーヒーを飲まない人からすれば手を出しにくいかもしれません。だから、調査結果も参考にして、ミルク入りも必要だと判断しました。もちろん、ラテにしたからといってコールドブリューの良さが失われるわけではありません。


■パッケージの狙いは「脱・おじさん」

──容器のフォルムやデザインも斬新です。これも、缶コーヒーをあまり飲まない層を意識しての取り組みですか?

脇若 既存のお客様と新規のお客様の両方を意識していますが、パッケージに関しては、トレンドに敏感な人たちが手にとって飲んでみたいと思ってもらえるようなデザインを追求しました。コンセプトに基づいて、何十種類ものデザイン案を検討して、ようやくたどりついたパッケージデザイン&スリムボトルです。缶コーヒーを持っていると何だかおじさんっぽくて恥ずかしいと考える人もいるのですが(笑)、幸い、そういう方たちにも自分のライフスタイルと親和性の高いコーヒー飲料だと受け止めてもらうことができました。ジャケ買いのようなノリもあるようです。通常のボトルだったら受け入れられなかったように思いますね。

立花 サードウェーブコーヒーはクラフト感が大事なので、パッケージデザインはクラフトペーパーをイメージしたんですよね。これも加工品ではあまり例のないことで、チャレンジでした。

──パッケージには「ジョージア」のロゴが入っています。あえてロゴを入れたのでしょうか?

脇若 ロゴについては、正直、議論がありました。「ジョージア」は缶コーヒーの代名詞ですから、ロゴを入れるとかえって若い世代に敬遠されるんじゃないかという不安があったんです。しかし調査を経た結果、特にネガティブな反応がないことが分かったので、デザイン改良を重ねて最終的に辿り着いたデザインには「ジョージア」が入っています。このパッケージだと従来の容器入りコーヒーには見えませんから、逆に「ジョージア」と入れることで、コーヒーだと分かってもらえる効果もあると思います。

さらに言えば、「ジョージア」自体のブランドイメージをポジティブに変える効果も期待できますね。馴染みのある「ジョージア」が、こんな新しいこともやっているんだとアピールできますから。


■好き嫌いは分かれる。だからこそ、「トレンド」になれる

──この5月に発売してからの手応えを聞かせてください。

立花 従来の容器入りコーヒーとの味の違いに驚いて、製品のwebサイトを見てくれたり、感想をweb上で発信してくれたりするお客様が増えています。「ジョージア コールドブリュー」に対する関心が高まっていることを実感しています。

脇若 狙い通りのターゲット層に広くリーチできました。普段からコーヒーを飲まれる方々からしても新しい味なので、まだまだ好き嫌いは分かれていますが、予想以上に受け入れられていると思います。特に若年層はSNSなどネットを通じてリアルタイムでリアクションしてくれる。味に対する反応に加え、見た目に対する反応も多く、新たなトレンドやファッションとして自発的に発信されています。

去年の末から、「2016年にはコールドブリューがトレンドになりそうな兆し」と各種メディアに出ているので、コールドブリューを「ジョージア」と紐付いた形で認知させていきたいですね。

──今後「ジョージア コールドブリュー」が世界で発売される可能性についてはいかがでしょう?

立花 実は、アメリカ、オーストラリア、スウェーデン、韓国、中国など世界各国から問い合わせが来ています。容器入りのコールドブリューは前例がありますが、それらはみな賞味期限が1週間もないチルド流通の製品だったんです。また、甘いフレーバーはあっても、今回のようなブラックはなかった。コールドブリューを飲み慣れたアメリカ人からは、「こんなに本格的な容器入りのコールドブリューは飲んだことがない」と評価の声をいただいているんですよ。

──第2弾、第3弾の予定はありますか?

立花 まずはコールドブリューの認知を向上させることが先決です。時間が経過すると風味が変化しますし、店や淹れる人によっても味に違いが出るレギュラーコーヒーとは異なり、容器入りのコーヒーはいつでもどこでも安定した味が手軽に楽しめるというメリットがあります。このメリットを活かしながらコールドブリューのさまざまな味わい方を伝えていきたいですね。


たちばな・よしひさ/ 1972年、東京生まれ。某カップラーメンメーカーで国内外の製品開発を担当した後に、2005年コカ・コーラ東京研究開発センターに入社。製品開発部コーヒーチームにおいて、ジョージアを担当。

わきわか・えいすけ/ 1979年、米国ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。MBA在学中のインターンを経て2008年日本コカ・コーラに入社。経営戦略本部およびThe Coca-Cola Companyアトランタ本社赴任後、2015年からマーケティング本部コーヒーチームでジョージアを担当。

 

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