米国の主要清涼飲料ブランドの中でもっとも古い炭酸飲料「ドクターペッパー」。
20種類以上のフルーツ・フレーバーをブレンドした独特の味わいにより、
世界中に根強いファンを持つ、ロングセラー製品です。
そんな米国発の炭酸飲料が、数年前から東京・秋葉原の自動販売機に
大量に並ぶようになりました。
その背景には、いったい何が?
調べていくと、「ドクターペッパー」が登場する、
あるゲーム・アニメ作品のヒットの影響があるようです……。

文=小山田裕哉



■秋葉原の自動販売機は「ドクターペッパー」だらけ?

1885年、ウェード・モリソンと彼の経営するドラッグストアで働いていたチャールズ・アルダートンにより、米国テキサス州のウェイコで誕生した「ドクターペッパー」。製品名の由来は、モリソンの義父にあたる医師チャールズ・ペッパー博士にちなんだものと言われています。

そんな歴史ある炭酸飲料が、なぜか東京・秋葉原でよく目撃されます。特に、街中の自動販売機での遭遇率が非常に高いのです。

ざっと駅の周辺エリアを歩いただけでも……、

『シュタゲ』原作・志倉千代丸さんに聞きました。
秋葉原は、なぜ「ドクターペッパー」の聖地になったのか?

缶は基本です
『シュタゲ』原作・志倉千代丸さんに聞きました。
秋葉原は、なぜ「ドクターペッパー」の聖地になったのか?

缶とPETボトルのミックス販売タイプ
『シュタゲ』原作・志倉千代丸さんに聞きました。
秋葉原は、なぜ「ドクターペッパー」の聖地になったのか?

PETボトルが5本も!
『シュタゲ』原作・志倉千代丸さんに聞きました。
秋葉原は、なぜ「ドクターペッパー」の聖地になったのか?

もう、すごく……、多いです……
と、「ここは『ドクターペッパー』の聖地なのか!?」と独りごちてしまうほど、秋葉原に設置されている自動販売機のウィンドーにはたくさんの「ドクターペッパー」が並んでいます。「コカ・コーラ」よりも多く並べられている自動販売機も珍しくはないほどです。これはつまり、秋葉原の人々に「ドクターペッパー」が愛されているという証拠でしょう。



■2011年に出荷本数が飛躍的に上昇

そのきっかけとなったのは、あるゲーム・アニメ作品でした。

秋葉原のタウン情報サイト「アキバ経済新聞」の調査によると、2011年に「ドクターペッパー」の出荷本数が飛躍的に上昇したそうです。「2010年までは前述の炭酸飲料水全体の売り上げと比較的伸び率が同じだが、2010年から2011年の伸びは30万ケース」と記事にはあります。当時は「震災の影響で炭酸飲料の出荷本数が全体的に下降していた」にもかかわらず、です()。

※出典:アニメ・ゲーム登場商品に見る経済効果-「ドクペ」出荷は飛躍的増加に(アキバ経済新聞)
http://akiba.keizai.biz/column/64/


なぜ2011年に出荷本数が劇的に増加したのか? その理由は、ちょうど同時期に放映されていたアニメ『シュタインズ・ゲート』に隠されています。

『シュタインズ・ゲート』とは、秋葉原を舞台にした同名の人気ゲームが原作のアニメ作品。同作の主人公・岡部倫太郎が劇中で「ドクターペッパー」をモデルにした炭酸飲料「ドクペ」をよく飲んでいることから、「<シュタインズ・ゲート>といえば『ドクターペッパー』、『ドクターペッパー』といえば<シュタインズ・ゲート>」というイメージが、ファンの間に定着したようです。

『シュタゲ』原作・志倉千代丸さんに聞きました。
秋葉原は、なぜ「ドクターペッパー」の聖地になったのか?

作中にも「ドクターペッパー」(『ドクペ』)がちゃんと写っています
同作は劇場版が公開されるほどのヒットを記録し、多くのファンが、アニメの“聖地”として秋葉原を訪れました。以前から秋葉原はほかの地域に比べ、「ドクターペッパー」の出荷本数が多い地域でしたが、アニメのヒットをきっかけに、「実際に飲んでみよう」という人が増加。それに応えるように、秋葉原エリアへの出荷本数がさらに増え……という好循環を生んだようです。

秋葉原の自動販売機に「ドクターペッパー」が多い理由はわかりましたが、まだ疑問が残っています。そもそも、どうして『シュタインズ・ゲート』に「ドクターペッパー」(『ドクペ』)が登場したのか?

その疑問を解き明かしてくれる人は、一人しかいません。『シュタインズ・ゲート』の原作者、志倉千代丸さんです。志倉さん、教えてください!