■「1,200平米に及ぶスペースに可動式棚を設置せよ」

さて、いよいよ私とザ コカ・コーラ カンパニーとのつながりについて触れるタイミングになりました。私がザ コカ・コーラ カンパニーで働くことになったそもそものきっかけは、1997年、私がザ コカ・コーラ カンパニーのアーカイブ庫のマネージャー職に応募したことにあります。書類選考をくぐり抜け、何とか採用面接へと進んだわけですが、そのとき現れた面接官がムーニーでした。その場ではコレクションを見せてもらえず、大いに驚いたのを覚えています。面接時にムーニーから聞かされたのは、コレクションの保管場所が近くリニューアル予定だということ。そして、マネージャーとして採用されれば、そのリニューアルプロジェクトの責任者になるということでした。はたしてそれは現実となり、私は入社1年目から、1,200平米に及ぶスペースに可動式棚を設置する工事の監督をすることになったのです。
貴重なコレクションを無事に運び出せるか!?
コカ・コーラ社アーカイブ庫のお引っ越し「実況中継」


可動式棚の設置工事を実施するには、コレクションの全アイテムを元の棚から運び出す必要があります。そして無事に可動式棚が設置された暁には、コレクションを新しい棚に収納する作業を行いました。

その後、2000年になるとコレクションが部屋に収まりきらなくなったため、新しい部屋を確保するなどして保管スペースの拡張にも取り組みました。


■アーカイブ庫は最新鋭! 引っ越し作業は超アナログ!?

2013年、ムーニーが引退し、私が彼からアーキビストの立場を引き継いだとき、再びコレクションの引っ越しに携わることになります。ザ コカ・コーラ カンパニーの大規模改修プロジェクトの一環として、コレクションも最新鋭の設備を備えたスペースに移ることが決定したのです。

新しい保管スペースは、以前コンピューターのサーバーファームとして使われていたため、温度や湿度を微調整することができるエアコンシステムが完備されていました。コレクションを良いコンディションで長期保管するには、まさにうってつけの環境でした。コレクション用の大量の棚を集中設置するための改修工事は、2015年2月から6月までの4ヵ月で行われました。
貴重なコレクションを無事に運び出せるか!?
コカ・コーラ社アーカイブ庫のお引っ越し「実況中継」


さて、本題です。大量のコレクションを、一体どのようにして移動させたのでしょうか? そうです。冒頭でも触れたように、「とっても慎重に」なのです!

まず私たちは、与えられたスペースを最大限に活用するため、コレクションを効率よく保管するプランを何ヵ月もかけて検討しました。そして、プランが固まったところで、絵画の長期保管に適し、棚自体がショーケースの役割も果たす新式の棚を導入しました。

プランと棚が固まれば、いよいよ引っ越し作業です。私が率いるアーカイブ庫の担当チームは、引っ越し業者と協力して壊れやすいアイテムの箱詰めや梱包を行いました。そして、ノーマン・ロックウェルの絵画をはじめとする特に貴重なアイテムは、万全を期すためにチームメンバー自らの手で運搬したのです。

というわけで、膨大なコレクションの引っ越しを2度も経験しました。こんど移転することがあったなら、そのときには後任がやってくれたらいいな……というのが、私のひそかな希望です。