東日本大震災で大きな津波被害を受けた岩手県陸前高田市。
国の名勝にも指定されていた、クロマツとアカマツからなる防潮林、
高田松原もその例外ではありませんでした。
しかし巨大な津波に耐え、1本の松だけが生き延びた話はよく知られています。
この「奇跡の一本松」を支援するための
コカ・コーラ社の自動販売機(以下、自販機)があると聞いて、
実際に見に行くことにしました。

文=崎谷実穂
写真=下屋敷和文

東京から陸前高田に向かうため、まずは東北新幹線に乗り一ノ関駅へ。そこからJR大船渡線という2両だけのローカル線で、気仙沼を目指します。

「奇跡の一本松」を支え続ける自販機の物語


この日は晴れてぽかぽかとした陽気だったのですが、線路の上には雪が。東北に来ていることを、実感します。

「奇跡の一本松」を支え続ける自販機の物語


気仙沼からは、レンタカーを借りて陸前高田市へ。カーナビを目的地の陸前高田市役所に設定して進みます。時折、電柱のような高さに、震災当時の波の高さを表す標識が現れ、「これは絶対に逃げられない!」と、恐ろしくなりました。
30分ほど走ると市役所に着く……はずだったのですが、カーナビの指し示す目的地に着いても、そこには広大な造成地が広がるばかり。市役所は見当たりません。はっと思い至り、Google mapで市役所を検索してみると、そこから5分ほど行った先が表示されました。そう、カーナビが示していたのは、震災前に市役所があった場所だったのです。地図データが更新されていなかったのでしょう。数年前までの地図が、ガラッと書き換わってしまう。あまりにも大きな災害の規模を、再確認する出来事でした。