5年後に迫った東京での2回目のオリンピック
なぜ、いまオリンピックなのか?
オリンピック、そして、スポーツは我々に何をもたらしてくれるのか?
オリンピック招致を成功に導いた立役者の一人、竹田恆和JOC会長と、
オリンピックのスポンサーであり続ける
日本コカ・コーラティム・ブレット社長が語り合う
スポーツの力とオリンピズム。

文=柳橋 閑
写真=若木信吾

「スポーツがあったから、今の自分がある」(竹田会長

ブレット社長 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)の開催が決まった瞬間は本当に興奮し、感激しました。日本中の人々が同じ思いだったと思います。コカ・コーラ社としても、東京2020大会を迎えられることにワクワクしています。招致活動で努力されたみなさんに、心から感謝したいと思います。
竹田会長 東京でオリンピックを開催できるのも、コカ・コーラ社さんをはじめパートナー企業の方々、国民のみなさんの支援があってのことです。とくに、コカ・コーラ社には1928年のアムステルダム大会以来、最も古いパートナーとしてオリンピック・ムーブメントを一緒に推進していただいています。IOC委員の一人として、そしてJOCの会長として、お礼申し上げます。
ブレット社長 竹田会長の経歴をうかがって、一層、竹田会長に興味を抱いたのですが、馬術の選手として過去に2度もオリンピックに出場していらっしゃるんですね。
竹田会長 1964年の東京大会オリンピックを見て夢を抱いた日本人は大勢いたと思いますが、私もその一人でした。世界最高峰のアスリートの活躍を見て、「私もあの舞台に立ってみたい」と夢を抱き、オリンピックをめざしてチャレンジを始めました。その結果、幸運なことに1972年のミュンヘン大会と1976年のモントリオール大会、2度のオリンピックに出場することができました。スポーツがあったからこそ今の自分があり、このような立場にも就かせていただいているのだと思います。そのような意味では、スポーツは私にとってかけがえのないものです。

コカ・コーラ社社長×JOC会長特別対談
「だから東京にはオリンピックが必要だ!」
竹田JOC会長


ブレット社長 いまも乗馬はなさっているんですか。
竹田会長 最近はなかなか馬には乗れませんが、時間があるときには、ゴルフやテニスなどを楽しんでいます。一方で、さまざまなスポーツの大会を見る機会が多いので、アスリートたちの活躍からはいつもエネルギーをもらっています。ブレット社長は、スポーツをなさるんですか?
ブレット社長 オリンピアンである竹田会長の前でお話しするのは恐縮してしまいますが、子どもの頃からスポーツ全般が好きでした。私の母国のイギリスの多くの子どもたちがそうであるように、とくにサッカー、ラグビーには情熱をもって取り組みました。ただ残念ながら、あまり上達しませんでした。今はランニングを熱心に続けています。これまで11回のマラソン大会に出場してきました。日本コカ・コーラの社内にもたくさんランナーがいて、今年は私を含めて40名ぐらいが東京マラソンに参加しました。
竹田会長 東京マラソンには非常に多くの方が参加希望されていますし、ランニングはブームを超えて、一つの文化になった感がありますね。これから、東京2020大会に向けて、ますます盛んになってくると思います。

コカ・コーラ社社長×JOC会長特別対談
「だから東京にはオリンピックが必要だ!」
ティム・ブレット社長


ブレット社長 おっしゃるとおり、もはや一つの文化になっていますね。これまでいろんな都市でマラソンに参加してきましたが、東京マラソンの雰囲気は特別です。沿道で多くの方が絶え間ない声援を送ってくださって、ドリンクやフードを差し入れてくださる方もいますよね。レース中、本当に苦しいときも、そのような方々の後押しがあることで、がんばることができます。ですから、東京マラソンに出るたびに、苦しみと喜びを同時に味わうという不思議な体験をしています。スポーツにはそういったマジカルな要素がありますね。そして、いつも「夢」を与えてくれます。
竹田会長 私も子どもの頃からスポーツに夢を抱いてきた一人です。ブレット社長は今もランナーとして夢を追いかけているんですね?
ブレット社長 そう願っています! 以前は常に自分のベストタイムを更新することをめざしていましたが、最近はだんだん難しくなってきました。「着実に完走して、翌週、まともに歩ける状態でいられるようにする」というのが現実的な目標です。マラソンに参加した社員は一目で分かりますよ。みんな次の日には歩き方がぎこちなくなっていますからね(笑)。