コカ・コーラ ノースアメリカを大躍進させた社長の経営手腕を明らかにする

 

ポイントその4:「ファンタ」「スプライト」、両ブランドの新製品が大ヒット

炭酸飲料の「ファンタ」「スプライト」は、15年から16年11月にかけて、それぞれ売上高を1億ドル以上伸ばしました。この結果には、それぞれのブランドの新製品の成功が大きく貢献しています。

たとえば、「スプライト」の新フレーバー「スプライト チェリー」は、ファウンテンディスペンサーの「コカ・コーラ フリースタイル(*)で人気の高かったフレーバーをベースに、ボトル・缶製品として開発されたもの。「スプライト」は新たなマーケティングキャンペーン「#WannaSprite」でバスケットボールのスター選手レブロン・ジェームズを起用したことも、売上高伸長に貢献しました。

一方の「ファンタ」も、15年に発売された「ファンタ ブルーベリー」が大ヒット。15年から16年11月までの「ファンタ」製品の売り上げの伸びの3分の1は、この「ファンタ ブルーベリー」によるものです。

*ファウンテンディスペンサーとは、濃縮シロップを飲料水または炭酸水で希釈し、その場でドリンクを製造するマシンのこと。ザ コカ・コーラ カンパニーの最新型ファウンテンディスペンサー「コカ・コーラ フリースタイル」ではタッチスクリーンを操作し、好みのドリンクを選択、ミックスすることができる。米国各地のファストフードレストラン、スーパーマーケット、テーマパーク、映画館などを中心に計4万台以上が設置されている。

コカ・コーラ ノースアメリカを大躍進させた社長の経営手腕を明らかにする

 

ポイントその5:非炭酸飲料の拡充

コカ・コーラ社の北米における売上高は、過去3年で10億ドルも増加しています。実は、そのうちの3分の2以上を非炭酸飲料が占めています。

たとえば、07年にザ コカ・コーラ カンパニーの傘下に入った「smartwater」は、15年には北米で10億ドル規模の売り上げを創出するコカ・コーラ社の12番目のブランドになっています。「Dasani」も、米国を代表する飲料水ブランドとして成長を続けており、これら二つのブランドからは先日、炭酸水も発売されています。

コカ・コーラ ノースアメリカの使命の一つは、大きな可能性を秘めたブランドを市場から発掘し、有力ブランドへと育て上げることです。投資対象としている乳飲料ブランド「fairlife」、オーガニックプレストジュースやスムージーのブランド「Suja」は、どちらも16年に2ケタ成長を遂げ、使命を果たすことができました。

コカ・コーラ ノースアメリカを大躍進させた社長の経営手腕を明らかにする

 

ポイントその6:コーヒー飲料ラインナップの強化

米国では、11年以来、コーヒー飲料カテゴリが毎年2ケタ成長を続けており、その勢いが減速する気配はありません。この動きに鑑み、コカ・コーラ社も、17年の第1四半期にコーヒー飲料の多様なラインナップを市場に投入している最中です。その一つが米国で10億ドルの売り上げを誇るブランド「ゴールドピーク」で、コールドブリューコーヒーとティーラテの新フレーバーが2種類ずつ登場します。※計4フレーバーとなります

また、17年1月には、コカ・コーラ社が製造・流通・マーケティングを手掛ける「ダンキンドーナツ」ブランドのアイスコーヒー飲料が、スーパーやコンビニエンスストア、ダンキンドーナツの店舗で発売されました。飲食業界との積極的なコラボレーションは、コカ・コーラのお家芸。攻めの姿勢で、一気にシェア拡大を狙う年になりそうです。

 

ポイントその7:清涼飲料業界全体の成長

16年1月~9月の北米における小売売上高の成長率は清涼飲料業界全体で2%でしたが、コカ・コーラ ノースアメリカではそれを上回る3%の成長を記録しました。「清涼飲料業界は、日用消費財業界全体の成長をけん引しています。その中でも、ザ コカ・コーラ カンパニーの小売売上高は他のどの大手企業よりも早い成長を遂げています」

今後の北米事業の短期・中長期的な展望に対しても、ダグラス社長は前向きな見方を示しました。「飲料事業は常に課題を伴ってはいますが、消費者がいつでもおいしい飲料を求めているという事実は変わりません。変化し続ける市場において成功できるのは、消費者の目線に立って開発された素晴らしい製品を提供し、顧客と株主の双方に価値をもたらすことができる企業です。私たちは今後もそのような企業であり続けたいと願っています」

確信を持って7つの成長要因を語ったダグラス社長。いかにしてコカ・コーラ ノースアメリカは、顧客の生活とともにあるべきか、どのように需要や社会そのものの変化を見通し、そこにどのような手を打っていくのかなど、そこには、これからの時代の経営やマーケティングにおいて大切な考え方が凝縮されていました。変わらないよさを守ることと、柔軟に変化すること。その両輪を大切にしつつ、コカ・コーラ社の取り組みは、これからも続いていきます。

 

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