コカ・コーラ教育・環境財団との出会い

 ところが、栗山町をたまたま視察に訪れたある大学関係者が、コカ・コーラ教育・環境財団に雨煙別小学校の現状を伝えたことで、事態は急展開することになる。

  コカ・コーラ教育・環境財団は次世代を担うリーダーを育成することを目的に設立された公益財団法人であり、コカ・コーラ環境教育賞の授与や環境フォーラム、学生環境サミットの開催などにより、環境ボランティア活動や環境教育活動の助成と支援を行っている。

 財団は当時、自然体験プログラムを実施できる活動拠点を探していたが、オオムラサキの発見以降、町を挙げて環境保護に取り組み、町民ボランティアが多彩な自然体験プログラムつくりあげていた栗山町は、財団の活動拠点として最適の条件を備えていた。

 しかも、雨煙別小学校を環境教育のための宿泊型施設として再生できれば、それは財団のみならず、校舎を保存したかった栗山町や、財団同様に環境教育の活動拠点を必要としていた町民ボランティアにとっても好ましいことであった。

POWER OF COMMUNITY
わたしたちの地域とコカ・コーラの「未来志向」な関係
第5回 次世代人材育成のために蘇った学校

 かくして雨煙別小学校は、コカ・コーラ教育・環境財団の支援のもとに、「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」として再生されることになったのである。

 雨煙別小学校の再生事業は、環境ハウスの性格をそのまま物語るものだったと言っていい。まず、校舎の再生と運営のために「NPO法人雨煙別学校」が設立され、同法人がコカ・コーラ教育・環境財団から資金的な支援を、栗山町からは校舎の無償提供を受けるという形がとられた。そして、校舎の再生工事には、実に、延べ1,500人もの町民ボランティアが参加した。

 このように企業、行政、住民という三者が手を取り合って、一度閉校となった小学校の再生にチャレンジした事例は、日本全国を見渡しても前例がないという。栗山町長の椿原紀昭さんが言う。

 「私は雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウスが誕生するプロセス、そしてその運用のスタイルに“新しい公共”のモデルを見ています。いま、コカ・コーラさんは自社の宣伝のためではなく、次世代を育成して地域を永続的に発展させるための貢献をしてくださっています。このように、企業と住民と行政が一体となって公共の役割を担っていくという新しいスタイルこそ、これからの地域社会のサステナビリティーにとって必要なものではないでしょうか」

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