文=ジャスティン・フレッチャー


■丸看板のデビューは1947年

どことなくなつかしさを覚えてしまう、「コカ・コーラ」ロゴが真ん中に配された赤い丸型の看板が米国で初めて登場したのは、今から約70年前の1947年のこと。この看板は金属製が一般的で、ボタンのような丸みを帯びた形状をしており、直径30センチメートルから1.2メートルまでの5サイズが存在しました。基本的なデザインは赤地に白いロゴの入ったシンプルなものですが、背景に「コカ・コーラ」ボトルやその6本パック、果物やロブスターの絵が描かれたものや、小売店の要望に応じて独自の絵が印刷された特注ものも存在していました。

コカ・コーラ」の販売店の多くは、店名を記した看板とともに、この看板を建物の外壁に掲示していました。その影響で、赤い丸型の看板は屋外広告の定番として、幅広く認知されるようになります(街中や渋滞しがちな通り沿いで人々の目の高さに掲げられていた看板は、かなりの広告効果を発揮したようです)。

1948年以降は屋外での使用にとどまらず、装飾として店内の壁に掲げられることも多くなりました。赤い丸型のデザインは看板だけでなく、1960年代にかけてつくられた多くの広告印刷物にも使用されていましたが、70年代以降になると、“フィッシュテール”と呼ばれるアーチ型のロゴが使われるようになっていったのです。