FIFA ワールドカップ トロフィーが
全世界90ヵ国をサーキットする壮大なプロジェクト
コカ・コーラ FIFA ワールドカップ トロフィーツアー」。
ツアー89ヵ国目となる日本では、東京、大阪、そして陸前高田市を来訪した。
陸前高田市でのプロジェクトを企画したのは、
地元県立高田高等学校の生徒たち。
その奮闘振りを見続けた校長先生と担当の先生に、
同ツアーを振り返ってもらった。

文=池田真隆(オルタナS編集部)
撮影=前康輔


 4月12日。陸前高田市立高田小学校の校庭は、人々の笑顔と熱気に溢れていた。そこでは、FIFAワールドカップトロフィーのお披露目会や、元Jリーグの選手と地元小中高生によるドリームマッチが開催されていた。憧れのトロフィーや選手たちを一目見ようと、地元住民2000人以上が殺到していた。
 「まさかFIFAワールドカップのトロフィーがここに来るなんて夢にも思っていなかった」。岩手県立高田高校の横田昭彦校長(58)は、目の前の光景を見て、声を震わせた。

「高校生に企画を考えて欲しい」

 
 今回のプロジェクトの話が横田校長のもとに来たのは、2013年6月のことだった。コカ・コーラ社からFIFA ワールドカップ トロフィーツアーを陸前高田市でも行いたいと打診され、協力を要請されたのである。イベント会場となる場所の提供だけではなく、「地元高校生に企画を考えてほしい」との要望もあった。

 横田校長にとっては、まさに寝耳に水だった。スケールが大きすぎて、その予算感も規模感もイメージできるはずもない。「世界90カ国で行われる国際的なイベントが、陸前高田市で開かれると聞いてもピンとこなかった」と当時を振り返る。

WORLD CUP TROPHY HAS COME TO RIKUZENTAKATA.
—— 高田高校の校長先生が見た「トロフィーツアー」

高田高校の横田昭彦校長


 さっそく横田校長は、この提案を受けるか否か、職員会議にかけることとした。校長自身は、生徒に刺激を与える良い機会になると思い前向きに捉えていたが、教職員の事務労働負担も考慮し、可否は多数決に委ねようと考えたのだ。結果としては、「校長へ一任する」という意見と「賛成」が半数以上を占め、かくしてFIFAワールドカップのトロフィーは、陸前高田市に上陸することになった。打診を受けてから3カ月後、2013年9月初旬のことだった。


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