2020年に活躍が期待される若手選手を訪ねて歩く北島康介さんの新連載が、いよいよスタート! 第1回は、スケートボード界の注目姉妹、西村詞音(ことね)選手と碧莉(あおり)選手に登場いただきます。
初体験のスケートボードに悪戦苦闘したかと思えば、その数分後には対談をして大爆笑……あっという間にすぎた90分!の模様を 『Coca-Cola Journey』は動画とテキストで2回に分けて“実況中継”します。

文=細江克弥
写真=松本昇大
動画=手島正裕

 2017年の初秋、「コカ・コーラ・チーフ・オリンピック担当・オフィサー」を務める北島康介が向かったのは、都内にあるスケートパーク。今、世界で大きな注目を集めている姉妹スケートボーダーであり、「コカ・コーラ」のテレビCMで共演した“仲間”である詞音(ことね)碧莉(あおり)西村姉妹に会うためだった。

水中から陸上へ──。北島にとってそれは、初めて経験するスポーツ、そして、初めて経験する“完全アウェー”だった。そんな北島を横目に、西村姉妹は気持ちよく「妙技」を披露していた。

スケートボードの登竜門ともいわれる「オーリー」というジャンプ技の指導中。
最初は跳ばずに、板を操作する足の感覚を覚える

 

 北島は二人のスケーティングを間近に見て、自らもボードの上に立ち、スケートボードの魅力を体感することにした。しかし……

「絶対にムリ(笑)」

 プロテクターを装着して彼女たちのデモンストレーションを目の当たりにすると、思わずこんな言葉をこぼした。

 西村姉妹はスケートボードの基本的な技を伝授。北島はボードに乗りながら片足で地面を蹴って前に進む「プッシュ」、前輪を左右交互に振って進む「チクタク」、ボードの後ろを蹴ってジャンプする「オーリー」、後ろ向きに進む「フェーキー」、さらにボードを横に半回転させる「ショービット」と五つの技に挑戦した。

 結果は、残念ながら惨敗だった。転んでも果敢に挑戦するメンタルの強さは見せたものの、初めてのスケートボードを乗りこなすことはできなかった。「小さい頃は水泳以外のスポーツに挑戦する機会がなかった」という北島、果たして、初めてボードに乗った感想は……。

転ぶときでもとっさに受身が取れるのは、さすがアスリート

 

 「いやあ、ホントにもう『難しかった』の一言に尽きます。自分でもびっくりするほど、乗り慣れていないというか、やってこなかったことに挑戦するのって、改めてすごく難しいことなんだなと。二人が丁寧に教えてくれたんですけど、僕はただ、彼女たちがやっていることのすごさを実感するばかりでした」

 詞音さんに聞いた。北島さんのスケーティング、どうでした?

 「『チクタク』は惜しかったです! たぶん、もう少し練習したらすぐにできちゃうと思いますよ。やっぱり、北島さんはアスリートだから身体の安定感があります。怖さがなくなればどんどんうまくなる気がします」

 碧莉さんもすかさずフォロー。

 「私も始めたばかりの頃は怖くて、全然できませんでした。『ショービット』がずっとできなくて、ケガしてばかりで。もちろん今でも同じです。いつも知らないうちにアザだらけなんです」

 怖さや痛み、同時に難しさと面白さを体感した北島さんが言う。

 「まずは彼女たちが滑っているところを見て、競技そのものの臨場感や迫力を感じました。滑っているときの『ゴーッ』という音を聞くだけでもそれを実感できるし、やっぱり、スポーツは生で見ることでそのすごさを感じられると思う。そういう意味で、圧倒されっぱなしでしたね。ただ、もうちょっとうまく乗りたかった(笑)」

 その後3人はスケートボードを下りて別室へ。4度のオリンピックを経験した北島と3年後の東京 2020 オリンピックを目指す二人が、競技を始めたきっかけやその魅力、アスリートとしての考え方について語り合った。

西村姉妹のデモンストレーションと北島さんの体験動画はこちら

(つづく)

 

[写真右]きたじま・こうすけ / 1982年東京都生まれ。5歳から水泳を始める。2000年シドニーオリンピック大会に出場、100m平泳ぎで4位入賞。04年アテネオリンピック大会及び08年北京オリンピック大会100m・200m平泳ぎにおいて日本人唯一の二大会連続二種目で金メダルを獲得した。16年4月、惜しまれながらも現役引退。現在は、「コカ・コーラ・チーフ・オリンピック担当・オフィサー」としても活動。14年6月より東京都水泳協会の理事を務め、15年1月より自身の冠大会「北島康介杯」を開催。

[写真中央]にしむら・ことね / 1998年東京都生まれ。西村家4姉弟の二女。学生時代スケーターだった父親の影響で、家にデッキもあり、スケートボードは身近な存在だった。そのような環境のなかで、友人がスケートスクールに通っていると聞き、3姉妹で参加。詞音10歳、碧莉8歳のときだった。それ以来、スケートボードに熱中している。全日本スケートボード選手権<レディース部門>では2013年優勝、14年3位、15年2位という戦績を残している。

[写真左]にしむら・あおり / 2001年東京都生まれ。西村家の4姉弟の三女。姉二人に付いていくようなかたちで、3姉妹でスケートスクールに参加。それ以来、スケートボードの楽しさに夢中になり、現在は海外の大会に出場するまでに活躍の場を広げている。全日本スケートボード選手権<レディース部門>では、12年優勝、13年2位、14年優勝、15年優勝。その他の主な戦績に、16年米国ワシントン州シアトルSkate Like a Girl's 7th Annual Wheels of Fortune 2位、米国テキサス州オースティンX Games Austin 2016 - Women's Skateboard Street 8位、米国カリフォルニア州ロサンゼルス2016 SLS Nike SB Women's Super Crown World Championship 5位。17年には「X Games Minneapolis Women's Skateboard Street」で優勝。