[トリビア8]

日本最初の“飲料”自動販売機は、酒の販売機だ。

[解説]

…日本最古の飲み物の自動販売機は、1987年に岩手県二戸市の久慈酒造会長宅物置で発見され、現在は二戸歴史民俗資料館に保存されている酒自動販売機だと考えられています。正確にいつつくられた物かはわかっていません。表示されている「五銭白銅貨」という言葉から推測すると、これは「菊五銭白銅貨」か「稲五銭白銅貨」を指しており、銅貨の鋳造年代から、この自動販売機は1889年以降のものと考えられています。また酒一合の値段から推測すると、明治時代後半から大正時代初期にかけて製造されたものではないかと考えられます。
※出典/『自動販売機の文化史』集英社新書 鷲巣力・著 P84~

あっと驚く「自動販売機」のトリビア30
The Trivia of Vending Machine 30
日本最古の飲みものの自動販売機
二戸市立二戸歴史民俗資料館所蔵)

[トリビア9]

アメリカで自動販売機を広めるきっかけをつくったのは写真家だった。

[解説]

…アメリカ合衆国では、1880年代以降さまざまな自動販売機がつくられましたが、本格的に自動販売機が広まるようになったきっかけは、1888年のガム自動販売機の登場によってでした。「トゥッティフルッティ・ガムボール」という銘柄のチューインガムを自動販売機で販売し始めたのはトーマス・アダムズという写真家。ニューヨーク市内に張りめぐらされていた高架鉄道の駅に設置し、人気を博しました。
※出典/『自動販売機の文化史』集英社新書 鷲巣力・著 P45~

[トリビア10]

19世紀末から20世紀初頭のドイツでは、自動販売機だけが置かれた無人のレストランが流行した。

[解説]

…1895年、ドイツ・ベルリンに自動販売機だけが置かれ、店員(サーブ係)がいないレストランが登場しました。店内に設置された自動販売機にお金を入れて、自分で製品を取り出して食べるというスタイルで、19世紀の終わりから20世紀にかけて流行しました。「アウトマート」呼ばれていましたが、これはドイツ語で「自動機械」を意味します。この頃から、ドイツはヨーロッパの中の自動販売機大国になっており、近隣国への輸出もしています。また、1900年にベルリンへ旅行して、この「アウトマート」にたまたま入った男が店のスタイルに感銘を受けてアメリカで自動販売レストランを開業。アメリカでも一時期流行しました。しかし、ハンバーガーやピザなどのファストフード店の登場によって閉店を余儀なくされ、なくなりました。とはいえ、この自動販売機だけのレストランは、ファストフード店のはしりだったと言えます。
※出典/『自動販売機の文化史』集英社新書 鷲巣力・著 P40~、P56~

[トリビア11]

災害時には、飲料が無料で飲めるようになる自動販売機がある。

[解説]

…これは災害支援型自動販売機といい、2003年にコカ・コーラシステムが日本で最初に始めたもの。通信ネットワーク技術を活用した遠隔操作によって、緊急時、本体の飲料が無償で提供されます(実際、東日本大震災発生時には数多くの清涼飲料が無償提供されました)。災害支援型自販機の多くには蓄電池や自家発電装置が装備され、停電になっても商品を提供できるようになっています。このタイプの自動販売機が最初に設置されたのは埼玉県上尾市役所で、コカ・コーラ社の自動販売機は2011年12月時点で全国に6000台あります。設置場所は、公共性が高く、緊急時に避難場所とされている学校体育館や公共施設、病院などが中心です。
※出典/http://www.cocacola.co.jp/vending-machine/emergency-support/
http://www.jvma.or.jp/kouken/index.html#002
『清涼飲料水なるほどBOOK』

あっと驚く「自動販売機」のトリビア30
The Trivia of Vending Machine 30
コカ・コーラの災害対応自動販売機(左)と
北海道羅臼町の「おしらせ道ネット」自動販売機(右)。
ただ飲料を売るるだけではなく、社会のインフラとしても機能する。
自販機のもう一つの顔だ