去る6月10日から6月14日までの5日間、
札幌市内で「第24回YOSAKOIソーラン祭り」が行われました。
大会の“華”である演舞に参加したチームは約270。見守る観客は約200万人。
私たち『Coca-Cola Journey』は、
参加チームの一つ、「コカ・コーラ札幌国際大学」チームに48時間密着、
持てるエネルギーの全てを演舞に注ぎ込む若者たちの姿を追いました。

文=細江克弥
写真=松本昇大

■約270チームの頂点を目指して

 高知県の「よさこい節」と、北海道の「ソーラン節」。
 距離にして約1700キロも離れた二つの地に伝わる民謡を大胆にも「掛け合わせよう!」と思い立ったのは、入院した母を見舞うために高知を訪れた北海道大学の学生だったという。
 まるで偉大な発明家のような想像力と行動力によって生まれた「YOSAKOIソーラン祭り」は、それから長い時間をかけて、「さっぽろ雪まつり」と並ぶ“文化祭り”としてこの町に定着した。だから毎年6月の札幌は、特別な高揚感と熱気に包まれる。
 ところで、今回の主人公は、今年の祭りに参加した大学生たちである。
 札幌国際大学の「YOSAKOIソーラン部」、総勢100名。チーム名を「コカ・コーラ札幌国際大学」とする彼らは、1994年の第3回大会から北海道コカ・コーラボトリング株式会社の支援を受け、22回連続でこの舞台に立ってきた。

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
取材スタッフが札幌入りした日、
彼らはすすきのの路上で舞っていた

 彼らが目指すのは、勝ち上がった11チームだけが立てる「ファイナル」の舞台。そして、いまだ輝いたことのない「大賞」の栄冠。4月の新チーム発足から約2カ月間、その目標を達成するために全てを注いできた「コカ・コーラ札幌国際大学」の“本番”に密着した。

■悲願のファイナル進出に燃えるチームリーダー

 彼らと初めて対面したのは、お祭り3日目の夜だった。すすきの会場での演舞を控え、慌ただしく準備する澤出賢人をつかまえる。チームメイトから「ブッタさん」と呼ばれる彼は、現在4年生。大学入学と同時にYOSAKOIソーラン部に加入し、2年時から部長としてこのチームを引っ張ってきた。

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
リーダーの澤出賢人くん

「はじめまして! よろしくお願いします!」
 長身でがっちりとした体格とは裏腹に、声が少し高く、どこかふわっとした印象の持ち主だ。「今年のチームの特徴は?」と聞くと、こう返ってきた。
「元気です! 自分たちも楽しみつつ、観てくれる人たちを楽しませたいと思います。行ってきます!」
 演舞のテーマは「大地咲け」。初めて観た彼らの踊りにこちらは完全に圧倒され、思わず息を呑んだ。色鮮やかなコスチュームを身にまとう100人が隊列を形成しながら動き回り、100%の笑顔で掛け声を叫ぶ姿は、まさに圧巻。演舞時間は約5分。チームは踊り終えると息つく間もなく移動し、「大地咲け」はまた別の通りで披露された。そうしてあちこちの会場で270チームが踊っていると想像するだけで、この祭りのスケールが分かる。

■プロ根性を持つ、女子のまとめ役

 この日の演舞を終えたチームは、控室として借りている市内の雑居ビルに集まった。ファイナル進出を懸けた審査は、翌日。二人の女性メンバーに心境を聞いた。
 短大2年の輪島亜実は、「振り班」と呼ばれる、部員に踊りを教えるリーダー。踊りの「振り」を指導する立場の彼女は、つまりこのチームの7割を占める女子のまとめ役である。

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
輪島亜実さん

「1年生は4月に入部してから2カ月しか時間がないので、全員に教えて、統一感を出すのは大変でした。でも、本当に楽しいです。ファイナルには絶対に行きたい。やっぱり、やるからには上を目指さないと。そのほうがチームもまとまるし、コカ・コーラさんもついてくれているので、なんとしても成績を残さないと……」
 50名以上もの「踊り子」を束ねる女性リーダーは、スポンサーにも気が向くプロ根性の持ち主である。演舞を終えたばかりで興奮冷めやらぬチームの中で、彼女は一人、チームメイトとは雰囲気が違った。どしりと構えた佇まいとクールな表情は、リーダーの気概十分。「なんだか妙にカッコいいね」と声を掛けると、ニコッと笑った。

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
札幌国際大学は以前、女子大だった。
だからなのか、部員には女子が多い

「私は上からグイグイ引き上げるタイプ……かな(笑)。スタッフとしてチームを引っ張っている子がもう一人いて、その子が後ろから押してくれるんです。明日はファイナル進出を懸けた審査。全力で楽しんで、いい演舞を見せたいと思います」

■新入生は、キラキラしていた

 部長の「ブッタくん」こと澤出、女性リーダーの輪島に続いて登場するもう一人の主役は、短大1年の藤田早稀である。スタッフに「取材を受ける1年生」の人選を託された部長の澤出は、部員一人ひとりの表情を見渡し、「その時最もキラキラしていた」という理由で藤田をピックアップした。
 2カ月前に入部した彼女は、女性陣屈指の長身だ。それでいて愛嬌があり、何を聞いても「ウフフフフ」と楽しそうに笑う。

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
藤田早稀さん

「今日は楽しかったです! もう、テンション上がりました! ウフフフフ」
 思わずつられて、こちらも「ウフフ」と笑いがこみ上げる。
「この2カ月は、ホントに大変でした。毎週4、5日くらい練習して、最後の2週間は週6日。朝、昼、放課後にも練習して……でも、楽しいから頑張れました。私、高校まで何もやっていなかったんです。運動もほとんどしたことがなかったから、『何かを始めたい』と思っていました。国際大と言えばYOSAKOIソーラン部だし、実際に踊っているのを見て『やりたい』と思いました」