■いざ、メインステージへ!

 興奮冷めやらぬ3人の主役に、言葉を求めた。まずは部長の澤出
「最高です! 本当に嬉しい。結果を聞いて、1回泣き止んでからみんなに話そうと思ったんですけど、ぜんぜんムリでした。やっとみんなとファイナルに行けて、本当に最高です」
 続いて輪島。さすがにクールではいられない。
「もう、めっちゃ嬉しいです! 強いチームがたくさんいたので不安でした。(澤出が)泣いていたからダメだと思ったんですけど、完全にダマされました。でも、これが終わりじゃないので、もっと上目指して頑張ります。これで一層、団結力も高まったと思います」
 最後に、1年生の藤田。おそらく3人の中で最もメンタルの強い彼女は、泣くどころか、むしろ大笑いである。
「もう~、ダメだと思いましたよ~。ウフフ。だって、発表の仕方がズルくないですか? もう、びっくりしすぎて涙も出ません。ハハハハハ。手応えはあったけど不安だったから、本当に嬉しい!」
 この日の夕方、彼らは再び大通を舞台とするパレード会場で演舞し、夜にはファイナルに進出したチームだけが立てるメインステージを駆け回った。澤出にとっては3年ぶり、輪島藤田にとっては初の晴れ舞台だった。

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
ファイナル進出を決めてのチーム演舞。
目標を達成した安堵感の中に、ファイナルを控えた緊張感が混じっていた

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
祭りの期間中大人気だった「コカ・コーラ」と「コカ・コーラ ゼロ」の
「YOSAKOIソーラン祭り応援デザイン缶」

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
舞台裏から見守ったファイナルのステージ。心身の疲労はピーク。
気持ちだけで踊り、舞っていた


■「ツラかったけど、続けてきて良かった」

 祭りのあと──。
 翌日、札幌国際大学を訪ねると、待っていた澤出がペコリと頭を下げた。
 当たり前だが、コスチュームを脱いだ私服姿の澤出はいかにも大学生らしい。どこかパワーダウンした印象も受けるが、それはきっと、やり遂げたことの大きさに伴う達成感と、それに比例する脱力感のせいだ。いや、もしかしたら、派手に盛り上がった打ち上げのせいかもしれない。
 誰もいない体育館に腰を下ろし、話を聞く。
──激動の5日間を終えた感想は?
「今、疲れがどっときてます。でも、『やり切ったんだ』という感覚もありますね。ファイナル進出が決まった瞬間は、なんかもう、ハチャメチャでした(笑)。でも、冷静になって振り返ると、ちょっと感動しちゃうというか」

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」

──結果は優秀賞。表彰式の立ち姿、見事でしたよ。
「ありがとうございます。あれ、実はウチの伝統なんです。ファイナルでステージに立ったら、堂々としたスタンスで立つという伝統があって」
──YOSAKOIソーラン部の一員として過ごした4年間の集大成。
「あっという間でした。自分は高校までバスケットボールをやっていたんですけど、何か新しいことを始めたいと思ってこの部に入って、必死になって練習して……。今回は、今までの経験を全部ぶつけられたと思います。だから、もしファイナルに行けなかったら、もう、自分、逃げ出していたかもしれません。ここにも来られなかったかもしれません(笑)」

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」

──来てくれて良かった(笑)。
「正直、それくらいツラかったです。でも、ファイナルに行くことができて、今は本当に感謝しています。誘ってくれた先輩にも、同級生にも、後輩にも。4年間、何よりも優先して本気で頑張ってきたし、『何やってんだろ?』と思う瞬間も……何度かありました。でも、続けてきて本当に良かった」
──チームに密着して、まるでプロのような意識の高さが伝わってきました。
「自分たちはただの学生チームではないんです。プロの振付師さんとメイクアップアーティストさんがいて、コカ・コーラというすごいブランドを背負っている。だから、中途半端な演舞は見せられません。ファイナルステージを観るお客さんは数千円のチケットを買っているので、その価値に見合うものを見せないと……」
──見せられた?
「たぶん(笑)。今は本当に、ホッとしています。3年前の自分と比べて? はい……少しは成長することができたかなと思います」
 演舞テーマは「大地咲け」。北海道の四季を表現し、目の前にいる一人ひとりの客を「大地」に見立て、自分たちの踊りで笑顔の花を「咲かせたい」と願った。
 もっとも、誰かを咲かせようとすることは、おそらく、自分を咲かせようとすることとイコールである。
 ファイナル進出を知ったあの瞬間のエネルギー。メイクをボロボロにして泣きじゃくる彼らの顔。そして、祭りのあとで清々しく疲れきった澤出の表情。それらを見れば、「コカ・コーラ札幌国際大学」のメンバー全員が、この祭りを通じて大きく咲いたことがよく分かる。

北の大地に「ハピネスの花」が咲いた!
コカ・コーラ札幌国際大学、
涙と笑顔の「YOSAKOIソーラン祭り」
コカ・コーラ札幌国際大学チームのファイナルステージ
(写真提供/YOSAKOIソーラン祭り組織委員会)