バランスの取れた食生活とは、必要な全ての栄養素を満たしながらカロリー過多にならない食生活を指します。その鍵となるのは、飲食物を「どれだけの回数でどのくらい」摂取すべきかを知ることです。「1食あたりのカロリー・量を比較する」「1回の摂取量に詳しくなる」「低カロリー・カロリーゼロ飲料に変える」「通常飲料とカロリーゼロ飲料を混ぜて摂取カロリーの抑制をはかる」などの「小さな一歩」が飲料のカロリーコントロールにつながります。


カロリーコントロールのための「小さな一歩」とは
多くの専門家は、大人であれ子どもであれ、日々身体が消費する以上のカロリーを摂取することにより、体重過多が生じると考えています。つまり、身体の活動度や体重記録の有無にかかわらず、「どのくらい食べるか」、「どのくらい飲むか」などの小さな意思決定の積み重ねが、長い目で見れば体重や健康状態に影響を与えているといえます。

私たちは様々な飲料や食品を摂取しているため、一つの飲食物が体重増加の原因になることはありません。カロリーのある飲料を含め、摂取したすべての飲食物のカロリーが加算されます。だからこそ、バランスの取れた食生活や定期的な運動をすることにより、カロリーが高いものや栄養価が低いものを摂取したとしても、アクティブで健康的なライフスタイルを送ることができるのです。

賢いバランスの取れた食生活とは、必要とされるすべての栄養素を満たしながら、カロリー過多にはならない食生活を指します。その鍵となるのは、飲食物を「どれだけの回数でどれぐらい」摂取すべきかを知ることと、自分に合ったエネルギー源と摂取量を選択することです。例えば、砂糖の入った飲料を楽しみつつもカロリーが気になる人なら、小さいサイズのものを選ぶなり、低カロリー・ゼロカロリーの飲料にするといった選択肢があります。

これまでの研究で、体重の増加を防ぐには、エネルギー摂取を減らし運動を増やすための「小さな一歩」を取る方法が有用であると示唆されています。「小さな一歩」とは、食品表示を見てそれが何食分に相当するかを確認する、1食分のサイズ・1食あたりのカロリーを確認する、小さなお皿やグラスを使う、小分けされた商品を買うなどして1食のサイズを制限する、そして、好みの飲食物について低カロリー・カロリーゼロのものを選ぶことなどです。このような習慣によって摂取カロリーを抑えることができるのです。

次にあげる「小さな一歩」によって、飲料のカロリーをコントロールすることが可能になります。

●比較しよう
食品表示を見て、1食あたりのカロリーや量などを比較しましょう。また、表1で飲料のカロリーを比較しましょう。

●1回の摂取量に詳しくなろう
サイズが小さい飲料にしたり、100kcal以下の飲みきりサイズのものを選んだりすることで摂取カロリーを抑えられます。

●手軽に置き換えてみよう
通常のカロリーの飲料から低カロリー・カロリーゼロの飲料に変えることで、240mLあたり100kcal以上減らすことができます。米国で使用されているすべての低カロリー・カロリーゼロ甘味料に関する知見は集まっており、子どもや妊婦も含めすべての人にとって安全とされています。唯一の例外は遺伝性疾患のフェニルケトン尿症の患者です。アミノ酸の一種のフェニルアラニンを代謝できないため、タンパク質の摂取が厳しく制限されます。フェニルアラニンを含むアスパルテームもその対象となります。

●栄養をしっかり摂り、カロリーを減らそう
栄養豊富な牛乳やジュースなどを避けることのないようにしましょう。普通の牛乳から無脂肪乳に変えることで、240mLあたり50~60kcalを減らすことができます。100%のオレンジジュースは240mLあたり120kcalほどですが、葉酸やビタミンCをはじめ大切な栄養素が多く含まれています。なお、米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)は、子どもが1日あたり1杯以上のフルーツジュースを飲まないよう呼びかけています。

●錯覚を利用してみよう
低カロリー・カロリーゼロの飲料と通常のカロリーの飲料を混ぜることで新しい味覚の飲み物を作り、舌を活性化させてカロリーを抑えましょう。長細いグラスを使うことも有効です。ある研究により、長細いグラスを使用することで、飲料の量が多く見え、摂取量を減らせることが示唆されています。

表1 主な飲料 カロリー 一覧

表2 のどの渇きをいやすミックス飲料のアイデア

ここでは、いつもの飲料をカロリーを抑えながら楽しむアレンジ法を紹介します。
通常の飲料も、適切なカロリーと水分摂取を考えながら楽しみましょう。(1杯240mLとする)

※まれな遺伝性疾患であるフェニルケトン尿症患者だけは、アスパルテームを摂取すべきでない。アスパルテームには、フェニルケトン尿症患者が代謝できないアミノ酸の一種であるフェニルアラニンを含んでいる。しかし、子ども、糖尿病患者、妊婦、授乳中の人を含むその他すべての人にとって、アスパルテームは安全である。

参考文献
日本食品標準成分表2015年版(七訂)、第2章 日本食品標準成分表(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365420.htm