高齢者は、脱水症状によって転倒や認知機能の低下などさまざまなリスクを負うことがあるため、特に十分な水分補給が必要です。ところが、高齢者は一般的に喉の渇きといった自覚症状に乏しいことなどから、実際には水分補給が不十分であることも多いとされています。高齢者には、こまめな水分補給を勧めるほか、手の届くところに好みの飲料を常備しておく、普段の食事に水分を多く摂取できるスープを取り入れるなど、脱水症状を予防する工夫をしましょう。


高齢者にとって、脱水症状は、転倒やさまざまな疾患につながる深刻な問題である。
高齢者が必要とする水分量は、若年成人とほぼ同じです。ところが、高齢者は実際に身体が必要とするより少ない量の水分しか摂らない傾向があります。その理由の1つとして、年齢を重ねると、喉の渇きに対する感覚が鈍くなることがあります。また、高齢者には記憶力の低下、身体機能の低下、病気などに苦しむ人も多く、これらも水分摂取量の低下の一因となります。さらに、高齢者が服用している薬の中には、体内水分量の保持を妨げたり、喉の渇きに対する感覚を鈍くするものもあります。

高齢者にとって、脱水症状は深刻な問題です。脱水症状は、転倒、尿路感染症、歯科疾患、気管支肺疾患、腎臓結石、がん、便秘、認知機能障害のリスク上昇につながります。これらの予防のためには体内の水分量を適度に保つことが重要です。

高齢者が体内の水分量を適度に保つためのヒント
喉が渇いていなくても、1日を通じて水分を摂るように勧める。
掴みやすく倒れにくい、丈夫なコップやグラスに、高齢者の好きな飲み物を注いで、近くに置いておく。
水分量の多い食事を提供する。スープ、アイスキャンディー、ゼリーなど、水分量の多い食事をできるだけ頻繁にとれるようサポートする。
 

高齢者が十分な水分量を摂取していないと思われる場合、または脱水症状が疑われる場合は、医療機関に相談します。

体内の水分量を保つためのヒントは、「水分補給の基礎知識」 をご覧ください。