生物多様性と里地里山の暮らしcontentsheader


自然は、人間が「レンタル」しているもの。いつか子孫に返却するもの
-生物多様性を維持するために、私たちができることは何でしょうか?
生物多様性を知る 3.自然を「レンタル」しているということ-01

宮林: 私たちは、自然と共生する関係性を取り戻さなくてはいけません。そこでキーになるのはやっぱり里地里山だと思います。しかし日本人の大多数が都市に住むような現在、いきなり里地里山に帰ろう、里地里山を守ろうと呼びかけてもムリがあります。だから段階的に実現していかなくてはいけません。まずは里地里山に行きやすい環境、仕組みを作ること。そもそも今の若い人を里地里山に送っても、やることを知らないから帰ることばかりを考える。でも里地里山の暮らしの豊かさ、おもしろさを感じてもらえるようにできれば、「また来よう。こういう場所をたいせつにしたい」と思ってくれるはず。それが第一歩でしょう。
生物多様性を知る 3.自然を「レンタル」しているということ-02

竹田: 私は、身近なところ、つまり都市近郊に里地里山を作りたいんですね。そしてできれば、子どものうちはそういうところで暮らしてほしい。それから仕事を終えて引退した人も、暮らせるようにしたいと思っています。それには里山の暮らしを見直してもらうことが必要ですね。

宮林: 私は「自然はレンタル」だとよく言うんです。借りものだからいずれ返す。ほかの生きものが住む自然や先祖から借りたものを、大切に使って、もっとも良い状況で、次の世代の子どもたち、孫たちに返していく。そうやって継承するのは、自然環境だけでなく、文化、生きる知恵も含まれます。

生物多様性を知る 3.自然を「レンタル」しているということ-03

竹田: 人間は生まれたときには100の力、知恵は持っていません。子どものころから自然と触れ合いながら、父母、祖父母から教えられて身につけるものです。子どもは力仕事ができないけれど、おじいちゃんのそばで手伝いをします。そうやって能力を身につけて、大人の仕事ができるようになります。そして自分がおじいちゃんになったころ、今度は孫に学んだことを伝えていけます。

宮林: 以前は4世代くらいが一つの家に同居していました。家をつなげることが重要な課題でしたから、家全体で子どもを育て、多様な知恵を継承してきたんだと思います。家は、子どもに自然と共生する生きる力を育てる実践教育の場だったんですね。子どもたちは、自然の生きものや家畜、働く大人の姿を見て育ちます、ご飯を食べるときに自然に「いただきます」という謙虚な姿勢も身につきます。自分が「いただいた」ものをいつか、子孫に返していく。私たち人間は、自然を借り受け、それをいつか返さねばいけません。家をつなげるということは、多様な里地里山を守ることであり、そこで培った里山文化も含めて伝えていくことなんです。生物多様性を維持するには、単に生きものを守ることだけに注目するのではなく、人間と自然が付き合う多様な文化そのものを守る必要があるのではないでしょうか?

-コカ・コーラ「森に学ぼう」プロジェクトでは、未来を担う子どもたちに植樹などを 体験してもらいながら、自然と触れ合うイベントを行っています。

宮林: 昔の農村で木を植える理由の一つに、何かの記念のとき植えることがあります。子どもが生まれたときなどの記念に、自然の中に証を残すんです。そうすると子どもが成長するにつれ、その木とのつながり、関係性を大事にするでしょう。コカ・コーラ「森に学ぼう」プロジェクトに参加した子どもたちも、自然とつながる記念、きっかけを作ることが大事だと思います。

生物多様性を知る 3.自然を「レンタル」しているということ-04


1.生物多様性と里地里山の暮らし
2.自然環境への働きかけと恵みの享受
3.自然を「レンタル」しているということ
4.子どもたちへのメッセージ