バヌアツ共和国にはまっています

安藤 ちょっと本筋から脱線しますが、近頃東京のサラリーマンに人気のあるライフスタイルに、地方と東京との「二拠点生活」というものがあります。実践例としては、奥多摩を第二の故郷とすることを提案するシェアハウスや、茨城にある築150年の古民家を再生して、人が集う場所として再利用する「かやぶきの里プロジェクト」とか。

中村 都会の人が自然の豊かな暮らしに触れる機会が増えるのはいいことですね。

安藤 中村さんは国内だけにとどまらず、ライフワークの活動領域を海外にも広げています。なんと、バヌアツ共和国まで! この国、一体どこにあるんですか?

中村 パプアニューギニアの方ですね。フィジーの西かな? 今最も熱心に通っている国のひとつです。わかりやすい話では、ブータンが提唱している国民総幸福量(GNH)。この指数においてバヌアツ共和国は世界トップランクですね。

安藤 まだ狩猟採取で暮らしている豊かな国・バヌアツ共和国。村人のつくった木の上のバンガローに泊めてもらいながら若者と一緒に魚を釣ったり、素潜りしたり……写真を眺めているだけでもワクワクしますね。すごく面白そうです。『トム・ソーヤの冒険』とか、『ウルルン滞在記』の世界みたい。
 こうして狩猟採取生活をされたり、バヌアツに行かれたり、震災以降は福島のボランティアツアーに取り組んでいる中村さんですが、これらのライフワークが現在の本業にどんなシナジーをもたらしているのか教えてください。

中村 私は自然が好きな人間です。自然と一緒に暮らしていければとても幸せだと思っています。とはいえ、この社会で生きていくためには当然働き、食べていかなければなりません。なので、私は社会人になるとき「環境と経済の両立を実現」することを仕事にしようと決めました。当時はまだ環境の仕事は少なく、まずは自分自身の生活と環境保全の両立を迫られる中、与えられた一つひとつの仕事を積み重ねてきた結果、今回このような地域社会の発展と環境保全の両立を目指す企業で、それを社会で実現する機会を頂きました。これは、自分が自分らしく暮らすために必要なことですし、自分がずっと目指してきたものです。
 私にとってライフワークを続けるために必要な本業はライフワークを末永く楽しむことと繋がっており、存分にライフワークに取り組むことは本業の意義深さを実感させてくれ、更に本気で本業に取り組むための原動力となっています。

安藤 ありがとうございます。さて、いよいよこのインタビューも終盤に近づいてきました。もう少しコカ・コーラ社さんについて伺っていきます。コカ・コーラ社さんの製品は、世界の隅々にまで届けられ、人々に愛されています。中村さんは入社されて6年目ですが、ご自身の職場のことを「グローバル企業だ」と意識させるようなエピソードはありましたか? 

中村 米国時間でテレビ会議が設定されたりすると、「ああ、グローバル企業だな」と思います。明け方4時からとか(笑)。

安藤 え! 明け方4時から会議……普通ないですよ(笑)。

中村 でも、コカ・コーラって、グローバル企業であるのと同時にローカル企業でもあるんですよ。先ほどの北海道でのバイオディーゼルの例に見られるように、完全な地域密着型企業なんです。地域の発展イコールビジネスの発展ですから。

安藤 グローバル企業であり、究極のローカル企業でもある。この振れ幅が、コカ・コーラ社さんのスケールを感じさせます。
 では、ズバリ聞きます。中村さんが気分をリフレッシュさせる時に飲んでいる製品は何でしょう?

中村 「い・ろ・は・す」です! 「おいしい」と「環境にやさしい」を両立したブランド「い・ろ・は・す」には、コンセプトを決める最初の頃から関わらせて貰っており、環境の担当者としては思い入れもあるので。あ、これじゃただ好きなブランド言っただけですね(笑)

安藤 では、これが最後の質問です。日本コカ・コーラさんで実現させたい今後の夢を教えてください。

中村 「やっぱりコカ・コーラっていいね」と地域の人が思わず応援したくなるようなプロジェクトを引き続きつくっていきたいですね。それが、私たちの大事な主原料である水、それを育む森に関するものであれば最高です。

(おわり)


安藤美冬のPeople in Coca-Cola
〜ハッピーを届ける社員スタッフの素顔〜
第1回 植物生物由来燃料で走るバイオディーゼルトラックの開発企画からヤンバルクイナの生態調査まで関わる日本コカ・コーラ社のリーサルウエポン(後編)

◆プロフィール
中村遂彦(左)/日本コカ・コーラ(株)技術・サプライチェーン本部 環境サスティナビリティーグループ マネジャー。1975年生まれ。オレゴン州立大学農業資源経済学部卒業後、(株)日本環境工学設計事務所、(株)シースカイエナジー(株)などを経て日本コカ・コーラ入社。ヤンバルクイナ生態調査プロジェクトや工場水源域の保全など「環境」に関わるさまざまな事業で活躍中。趣味は、魚を捕ること、海に潜ること、火を扱うこと、塩に漬けること。

安藤美冬(右)/(株)スプリー代表。1980年生まれ、東京育ち。慶応義塾大学卒業後、集英社を経て現職。ソーシャルメディアでの発信を駆使し、肩書や専門領域にとらわれずに多種多様な仕事を手がける独自のノマドワーク&ライフスタイル実践者。『自分をつくる学校』学長、講談社『ミスiD(アイドル)2014』選考委員、雑誌『DRESS』の「女の内閣」働き方担当相などを務めるほか、商品企画、コラム執筆、イベント出演など幅広く活動中。多摩大学経営情報学部「SNS社会論」非常勤講師。TBS系列『情熱大陸』、NHK Eテレ『ニッポンのジレンマ』などメディア出演多数。著書に7万部突破の『冒険に出よう』がある。http://andomifuyu.com/


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