ジョージア州アトランタは「コカ・コーラ」生誕の地。「コカ・コーラ」ビジネスと縁の深い場所は、その中心街に集中しています。たとえば、今から130年前に「コカ・コーラ」を発明した人物の自宅所在地と、今や世界中の誰もが知っている「コカ・コーラ」の中枢、ザ コカ・コーラ カンパニー(米国本社)の所在地はともにアトランタ市。歩いてわずか20分ほどの距離です。

文=ジャマル・ブッカー


■本社移転の歴史は「コカ・コーラ」ビジネス成長の歴史

“130年前に「コカ・コーラ」を発明した人物”とは、薬剤師のジョン・S・ペンバートン博士のこと。彼は、1886年5月に、アトランタの中心にあるマリエッタ・ストリートの自宅の研究室で「コカ・コーラ」のシロップを完成させました。

その後ビジネスが拡大するにつれて、「コカ・コーラ」の製造設備はいくつもの建物を転々とすることになります。エイサ・G・キャンドラーザ コカ・コーラ カンパニーの初代社長を務めていた1898年には、初めて自社ビルを建設し、本社をそこに移転しました。このとき、キャンドラー社長は「(このビルは)今後どれほど『コカ・コーラ』の需要が増えたとしても、十分に対応できるほどの人員と設備を収容できる」とその広さに太鼓判を押していましたが、発言はすぐに撤回されることとなりました。想像を超えて、事業が急拡大したからです。自社ビルはたちまち手狭となり、ザ コカ・コーラ カンパニーはその後も、より広いスペースを求めて移転を繰り返すこととなりました。

ザ コカ・コーラ カンパニーが現在の本社所在地(アトランタ市ノース・アベニュー)に落ち着いたのは、1920年のことです。ノース・アベニューの本社ビルはもともと3階建てで、敷地内には「コカ・コーラ」のシロップ樽を組み立てるための施設もありました(当初は『コカ・コーラ』のシロップを樽に詰めて出荷していました)。その後も大規模な改修や増築、敷地の拡大を繰り返しながら、最新設備を備えた現在の本社ビルの姿へと発展を遂げていったのです。
歴代本社施設を視覚体験。
ようこそ! 「コカ・コーラ」本社のバーチャル見学ツアーへ

第1・第3の本社所在地:マリエッタ・ストリート107番地(1886~1887年、1888年)
この2階建ての住宅には、「コカ・コーラ」を発明したジョン・S・ペンバートン博士の
ペンバートン・ケミカル・カンパニーが入っていました。
「コカ・コーラ」の初年度の販売数は3,200杯ほどでした。

歴代本社施設を視覚体験。
ようこそ! 「コカ・コーラ」本社のバーチャル見学ツアーへ

第2の本社所在地:マリエッタ・ストリート2番地(1887年7~12月)
コカ・コーラ」はペンバートン博士が事業の権利を売却するまで、
ジェイコブズ・ファーマシーという薬局の1階でつくられていました。

歴代本社施設を視覚体験。
ようこそ! 「コカ・コーラ」本社のバーチャル見学ツアーへ

第4の本社所在地:ピーチツリー・ストリート47番地(1888年9月~1891年)
エイサ・G・キャンドラーが「コカ・コーラ」事業の権利を買い取り、
自ら保有する物件に生産設備を移転させました。
1890年には「コカ・コーラ」の年間販売数が100万杯に達しました。

歴代本社施設を視覚体験。
ようこそ! 「コカ・コーラ」本社のバーチャル見学ツアーへ

第5の本社所在地:ディケイター・ストリート42 1/2番地(1891~1893年)
キャンドラー社長は、事業成長に伴ってより広いスペースが必要になると判断し、
この地に本社を移転しました。

歴代本社施設を視覚体験。
ようこそ! 「コカ・コーラ」本社のバーチャル見学ツアーへ

第6の本社所在地:アイビー・ストリート77番地(1893~1898年)
この優雅な住宅は、ザ コカ・コーラ カンパニーの中枢として5年間機能しました。
コカ・コーラ」の売り上げは1897年に初めて100万ドルを超えました。

歴代本社施設を視覚体験。
ようこそ! 「コカ・コーラ」本社のバーチャル見学ツアーへ

第7の本社所在地:エッジウッド・アベニュー179番地(1898~1909年)
こちらはキャンドラー社長が「今後どのような需要にも対応できる広さがある」と宣言した本社ビルです。

歴代本社施設を視覚体験。
ようこそ! 「コカ・コーラ」本社のバーチャル見学ツアーへ

第8の本社所在地:マグノリア・ストリート56番地(1909~1920年)
こちらの本社ビルは、大規模な紡績工場の敷地に建てられました。
1916年には「コカ・コーラ」の年間販売数が(ボトルとグラス合わせて)10億杯に達しました。

歴代本社施設を視覚体験。
ようこそ! 「コカ・コーラ」本社のバーチャル見学ツアーへ

第9の本社所在地:ノース・アベニュー310番地(1920年~現在)
1920年以来、ザ コカ・コーラ カンパニーはこの場所に本社を構えています。
コカ・コーラ」生誕の地からの距離はわずか2キロ弱。
1969年には同じ敷地内に新社屋が完成しました。