1981年の発売以来、多くの人に親しまれてきた「リアルゴールド」
“働く人の元気をサポートするエネルギー飲料”として誕生した
同製品が3月19日、パッケージとコミュニケーション戦略を刷新しました。
働き方改革が叫ばれる昨今、働く人の価値観も
「がむしゃらに限界まで働く」ことがよしとされていた時代から、
「短い時間で結果を出す効率的な働き方」が奨励される時代へと、
大きく変わってきています。
そのような中で、働く人の日常に寄り添ってきた
「リアルゴールド」は、どのような存在へと変わろうとしているのか?
今回のリニューアルと新キャンペーンを担当した、
マーケティング本部エナジーカテゴリー
マネージャーの敷根啓一郎(しきね けいいちろう)さんにうかがいました。

文=小山田裕哉
写真=村上悦子

 

■「『リアルゴールド』らしさ」を再定義

──これだけ歴史があり、ファンもたくさんいる「リアルゴールド」が大幅なイメージ刷新に踏み切ったのは、正直意外でした。

敷根 確かに、「リアルゴールド」は1981年の発売以来、35年以上にわたって30歳代、40歳代の働く人を中心に親しまれてきました。昨年は11年ぶりに製品の中身のリニューアルを行いましたが、今回は製品のパッケージデザインと、コミュニケーション戦略まで徹底的に見直し、新しいメッセージを伝えていきたいと思っています。

──売り上げが不調だったというわけではないんですよね?

敷根 むしろ、ここ数年は大きく売上高を伸ばしていました。それはやはり、海外のエナジードリンクのブランドが参入してきて、市場全体が盛り上がってきたということが影響しています。またリフレッシュや止渇のために、ごくごくと飲まれる500ml PETボトルのエナジードリンクも伸びています。しかし、新しいブランドの登場や新しい飲まれ方により市場が活況となる一方で、「リアルゴールド」は歴史がある分、やや古臭い、という印象も持たれてしまっています。昔から馴染みのエナジードリンクとして愛飲してくださっている方もたくさんいらっしゃるのですが、このまま何もせずにいたら、どんどんイメージが時代遅れになってしまうという危機感がありました。

日本コカ・コーラ マーケティング本部
敷根啓一郎さん

 

──これも意外だったのですが、「リアルゴールド」は昨年のリニューアルまでほとんどTVCMを流していなかったそうですね。

敷根 実に20年ぶりのTVCMでした。

──これだけ多くの清涼飲料が発売されている中で、「リアルゴールド」はTVCMに頼ることもなく、淘汰されずに残ってきた。それだけ根強いファンがいるブランドなんですね。

敷根 ありがたいことに、シンプルに「おいしい」「味が好き」と言ってくださる方が多いんです。ただ、そういった従来の「リアルゴールド」の価値は大切にしつつも、そもそも飲んだことのない人たちや、飲むことをやめてしまった人たちに、どうやって改めて魅力を伝えていくかという課題がありました。だから私たちはここでもう一度、「『リアルゴールド』らしさ」を時代に合わせたかたちで再定義したいと思ったんです。

 

■「日常的に飲めるエナジードリンク」として定着

──現在の「リアルゴールド」はどのように飲まれていて、それを具体的にどう変えていこうとされたのですか?

敷根 調査をしてみると、「リアルゴールド」のような昔からあるエナジードリンクは、「気分転換や気持ちのリフレッシュのために飲む」と答える方が多いんです。どちらかと言えば、炭酸飲料的に飲まれているといえますね。一方で、ここ10年くらいで普及した新しいエナジードリンクは、「ちょっと気合いを入れるために飲む」と答える方が多いんです。ここに少しズレがあります。

──「リアルゴールド」はエナジードリンクの中でも、「炭酸飲料の一種」というイメージが強かった?

敷根 そうかもしれません。やはり海外のエナジードリンクは日常的に飲むには価格が少し高いのと、カフェインの摂取量が気になると思われているようです。その代わり、気合いを入れたい、ちょっと非日常の気分を味わいたいときなど、少し特別なシチュエーションで選ぶ。

──ある種の強壮剤という印象も、確かにあります。

敷根 「気合いを入れたいときにぐいっと飲む」という飲まれ方は、海外のエナジードリンクのほうが定着しています。反対に「リアルゴールド」は、安心できるエナジー・栄養成分が入った、手軽に楽しめるエナジードリンクというイメージが定着しています。だから、日常的な気分転換には「リアルゴールド」が選ばれているのだと思います。

昨年20年ぶりにTVCMを展開したことで、ブランド認知を上げることができました。その上で、今年のコミュニケーションをどう進化させるべきか消費者調査を行ったところ、エナジードリンクに求めるニーズも時代とともに変わりつつあることが分かりました。さらなる飲用者の獲得には、消費者ニーズにあったコミュニケーションに進化させるべきだと考えたのです。

──今どきの働く人がエナジードリンクに求めるニーズというのはどのようなことなのでしょうか?

敷根 働き方改革が進む中で、時代の変化と共に働く人の意識も変わっており、エナジードリンクに求めるニーズも変わってきています。エナジードリンクは長時間がむしゃらに頑張るために飲むものではなく、気分を切り替えて、もうちょっと頑張るために飲まれるようになってきている。“今”の働く人の気持ちに合わせて、エナジードリンクのメッセージも、変わらなければなりません。そういったときに、価格も手頃で、成分も安心できる──つまり、消費者のみなさまにとって身近なエナジードリンクとしての「リアルゴールド」が今、どんなメッセージを伝えるべきか。それを考えたのが、今回のパッケージのリニューアルを含めた、コミュニケーション戦略全体の大幅な刷新というわけです。

 

■「やる気サポートエナジードリンク」へ

──具体的には、どのような点を変更されたのでしょうか?

敷根 「リアルゴールド」がもともと持っている「親しみやすさ」は大切にしつつも、今どきのエナジードリンクに求められる「やる気のスイッチを入れてくれる」製品であるということを新たにアピールしました。

まず、パッケージデザインを12年ぶりに大幅に刷新しています。ブランドの資産である赤とゴールドのカラーとロゴはそのままに、稲妻をシンボリックにデザインすることで、「『リアルゴールド』らしさ」は維持しながらも、シンプルで今のエナジードリンクらしいデザインに変更しています。

新しいコミュニケーションの中心であるTVCMでも、やる気のスイッチを入れてくれる、いつでも手軽に楽しめるエナジードリンクであることを重点的に伝えていきます。

──オードリーの若林正恭さんを起用したCMですね。しかし「やる気に満ちあふれた感じ」が求められるエナジードリンクのCMに、どちらかといえば文化系なイメージがある若林さんを起用したのは、どうしてですか?

敷根 そういう若林さんだからこそ、「リアルゴールド」の新しいコミュニケーション戦略にぴったりだと思ったんです。実際にCMを見てもらえれば分かると思うのですが、やる気のないサラリーマンが、「リアルゴールド」を飲むことで、ちょっとやる気が出て必殺技を繰り出しながらパワフルに仕事をこなす様子をユニークに描いたストーリーになっています。

こうしたストーリーは、若林さんのような方に演じていただくことで、飲む前と後の変化をユーモラスに描けるのではないかと考えました。そのマイペースでマイルドなキャラクターも、仕事もプライベートも大切にする今どきの等身大の働く人の姿とマッチしています。「多くの働く人」にとっての「やる気のスイッチを入れてくれる」エナジードリンクが「リアルゴールド」なんです。

──つまり、日常の中の「ちょっとしたやる気を出したいシーン」に寄り添う飲料であることを伝えるために、コミュニケーションメッセージを進化させたのですね。

敷根 そうです。だから新しいキャッチコピーも「やる気サポートエナジードリンク」なんです。

──今後の展開はどのように考えてらっしゃいますか?

敷根 まず「リアルゴールド」がやる気のスイッチを入れてくれるエナジードリンクであることを伝えるために、TVCMやデジタル広告に留まらず、さまざまなコミュニケーション活動を行っていきます。働く人のやる気をサポートする「『リアルゴールド』専用の自販機」を、オフィス街に出現させる体験型のサンプリングイベントも行います。もちろん、これまで「リアルゴールド」を愛してくださった方を裏切らないように、「『リアルゴールド』らしさ」は保ちつつ、新しいニーズを取り込んでいきますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

また「リアルゴールド」は、490ml PETの「リアルゴールド スーパーリフレッシュ レモン」とエナジーゼリー飲料の「リアルゴールド ゼリー」を、同じタイミングでリニューアルし発売します。

エナジードリンクが日本人にとって特別なものではなくなってきた今、「リアルゴールド」は働く人の働き方の変化に合わせて、エナジードリンクに求められるさまざまなニーズに応えて、今後も製品開発を行っていきたいと思っています。

しきね・けいいちろう/広告代理店を経て、2012年に日本コカ・コーラ入社。プロモーションチームに所属した後、2016年から現職。「リアルゴールド」の製品開発やコミュニケーション戦略を担う。

>>「リアルゴールド」のブランドサイトはこちら!