嘉納治五郎はブラジルでも有名人

 もちろん、食べ物以外にも、多くの日本文化がブラジルで定着、流行しています。
 たとえば、スポーツ分野では、「Judo(柔道)」「Carate(空手)」「Aikido(合気道)」が広く普及しています。多くの幼稚園や学校でも課外授業になっていて、小さな子供たちが道着を着て、日本語で「いち、に、さん・・・・・・」と 大声を上げる姿は微笑ましいものです。
We will Find “Japan” in Brasil
——ブラジルの中の小さな日本
ジュニア選手がトレーニングに励む
「アリーナ・オリンピカ・ド・ジュードー」

 中でも柔道は、オリンピック ロンドン大会でブラジル選手が4個のメダルを獲得し、ブラジル最大のメダル種目となりました。南部、南東部を中心に広く人気のある柔道ですが、サンパウロには、講道館柔道の創始者、嘉納治五郎氏の写真が中央に飾られた「南米の講道館」とも称される施設があり、南米柔道の中心となっています。施設に併設されている寮では、ジュニア強化選手が親元を離れて暮らし、毎日練習に励んでいるそうです。


「マンガ」はブラジルカルチャーのスタンダード

 また、近年は日本のポップカルチャーも市民権を得ています。「Manga(マンガ)」は、2000年以降、『ドラゴンボール』や『ナルト」、『ワンピース」はもちろん、『ラブひな」や『テルマエ・ロマエ」まで、60タイトル以上ものマンガがポルトガル語に訳されています。サンパウロでは、本屋はもちろん、街角のニューススタンドにもマンガ本が置いてあるほどの人気です。
 マンガカルチャーから派生した「Cosplay(コスプレ)」も盛んで、名古屋で毎年開催される世界コスプレサミットでは、これまで2006年、08年、11年に、ブラジル人が世界最多記録となる3回の優勝を飾っています。

「オリガミ」が静かなブーム

 さらに、最近では「Origami(オリガミ)」がブラジル国内で注目を浴びています。折り紙を折ること自体を楽しむというよりも、でき上がった作品そのものが喜ばれているのです。たとえば、日系3世の折り紙アーティスト、アドリアナ・スズキさんの作品は、披露宴会場の装飾や結婚式のブーケ、また出産祝いのお返しとして求める人が多いとか。アドリアナさんの顧客の9割は非日系のブラジル人ですが、たとえば「平和の象徴だから」と、折り鶴を注文するなど、その形の意味を含めた、折り紙の文化を理解しているファンも多いそうです。
We will Find “Japan” in Brasil
——ブラジルの中の小さな日本
インテリアショップ「アルチファト」内を飾る
アドリアナさん制作の折り鶴

We will Find “Japan” in Brasil
——ブラジルの中の小さな日本
ウェディングドレスショップ「エマニュエル・ジュンクェイラ」店内に
ディスプレイされる花の折り紙

 このようにブラジルには、さまざまな日本の文化が息づいています。それらには時と共にブラジル化した部分と、いつまでも変わらない部分とがあり、日本人から見ても興味深い文化になっているのではないでしょうか。

 これから開催されるFIFA ワールドカップ ブラジル大会と、2016年開催予定のオリンピック リオデジャネイロ大会に挟まれた2015年は、日伯修好120周年。両国の関係はこれからますます深化していきそうですね。