みなさまに謹んで新年のお慶びを申し上げます。

かねてより日本のコカ・コーラシステム(*1)は、日本のお客様の多様な嗜好やライフスタイルに寄り添い、炭酸飲料はもとより、コーヒー、ジュース、ミネラルウォーター、茶系飲料、スポーツドリンクといった多種多様な製品ポートフォリオを展開してまいりました。その過程で誕生した数々のイノベーションは、世界各国のコカ・コーラシステムと比較しても大変ユニークで、際立った存在です。私が日本コカ・コーラの社長に就任してから2年目となる2018年は、世界屈指の先進市場を育ててくださった日本のお客様のニーズにさらに応えるべく、さまざまな側面でイノベーションを追求し、新しい発想と手法をもって、数多くのチャレンジに取り組んだ1年でした。

*1 日本のコカ・コーラシステムは、原液の供給と、製品の企画開発・マーケティングを担う日本コカ・コーラと、製品の製造・販売を担うボトラー社や関連会社などで構成される。日本コカ・コーラは、ザ コカ・コーラ カンパニー(本社:米国ジョージア州アトランタ)の日本法人。

 

■既存の発想や手法にとらわれない挑戦

たとえば、旗艦ブランドの「コカ・コーラ」からは、“もも”フレーバーの「コカ・コーラ ピーチ」(1月)、構想から8年の年月をかけて開発した容器入りフローズン飲料「コカ・コーラ フローズン レモン」(4月)、「コカ・コーラ」の常識を覆した透明な「コカ・コーラ クリア」(6月)をそれぞれ発売しました。いずれも新鮮な驚きを求める日本のお客様のために開発された新製品で、世界のコカ・コーラシステムの中でも、既存の発想や手法にとらわれない画期的な挑戦でした。

2019年の幕開けを迎えて  日本コカ・コーラ(株)代表取締役社長 ホルヘ・ガルドゥニョ

左から「コカ・コーラ ピーチ」「コカ・コーラ クリア

また5月には、先進的な日本の飲料市場において成長を続けるための実験的な取り組みとして、レモンサワー専門ブランド「檸檬堂」を立ち上げ、九州限定で発売しました。130年以上におよぶコカ・コーラ社の歴史の中でも初めてとなるアルコールのRTD(容器入り)飲料の発売は、日本のみならず世界中で大きな反響を呼びました。

主要カテゴリーにおいてもさまざまな新製品が生まれました。炭酸カテゴリーでは先に触れた「コカ・コーラ」での革新的な新製品群に加え、3月には「カナダドライ」ブランドから、無糖の強炭酸水「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」を発売。市場の活性化と拡大につなげました。

コーヒーカテゴリーにおいては、急速に変化するお客様のニーズをとらえ、大型の新製品として、日本の職人技が育んだ水出し抽出のおいしさを味わえる「ジョージア ジャパン クラフトマン」を5月に、SOT缶(*2)の「ジョージア グラン微糖」を9月に発売。従来からの「ジョージア」ファンの期待に応えるとともに、女性や若年層など新たなユーザーを開拓することに成功しました。

ティーカテゴリーでは、急須でいれたような緑茶の味わいを目指す緑茶ブランド「綾鷹」が発売11周年を迎えました。2018年は、茶葉本来のもつ“あまみ”を引き出した「綾鷹 茶葉のあまみ」(2月)、“手いれのようなほうじ茶のにごり”にこだわった「綾鷹 ほうじ茶」(6月)、日本で唯一の“にごり”のある特定保健用食品(トクホ)の緑茶「綾鷹 特選茶」(9月)を発売するなど、みなさまから選ばれ、愛されるブランドとして、進化と成長を続けています。

また、「紅茶花伝」から発売した新しいコンセプトの紅茶飲料「紅茶花伝 クラフティー」シリーズは、発売から8ヵ月で累計7,000万本を突破する人気シリーズへと急成長を遂げています。“爽やかに、健やかに、美しく”がコンセプトの「爽健美茶」も継続して成長軌道にあり、新たに発売した「爽健美水」も大変好評いただいております。

*2 ステイ・オン・タブ。開けてもタブが切り離されない缶のこと。

2019年の幕開けを迎えて  日本コカ・コーラ(株)代表取締役社長 ホルヘ・ガルドゥニョ

左から「綾鷹 茶葉のあまみ」「綾鷹 ほうじ茶」「綾鷹 特選茶

水カテゴリーにおいては、日本の厳選された天然水でつくられたミネラルウォーター「い・ろ・は・す」の価値をお客様に伝える活動に注力しました。ブランド誕生以来初めて「日本の天然水」という文字をパッケージに加えるとともに、全国6ヵ所の採水地に着目したコミュニケーションや水源保全活動などにも取り組みました。2012年より継続的に実施している「い・ろ・は・す 水源保全プロジェクト」は、「い・ろ・は・す」の売上の一部を公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団を通じ水資源の保護を行っている自治体・非営利活動法人(NPO)に寄付する活動です。これまでの累計寄付総額は6,000万円を超え、支援対象も2018年度は23団体にまで拡大しています。

これらに加え、「アクエリアス」ブランド初の機能性表示食品「アクエリアス S-Body」(4月)や、乳酸菌入り飲料「ヨーグルスタンド B1乳酸菌」(10月)のような、健康志向の高いお客様のための新製品もさらに充実させることができました。

 

コカ・コーラ社初の自動販売機誕生から半世紀。新たなイノベーション続々

販売チャネルにおいて、マーケティング戦略の強化とイノベーションの創出に注力しました。中でも自動販売機については、近年ハード・ソフトの両面から、お客様の購買体験をより楽しく、インタラクティブなものにする取り組みを進めています。ハード面では、より消費者ニーズに合わせたきめ細やかな品揃えを可能とする次世代機「スタリオン」の導入を、ボトリング会社との連携のもと、順次進めています。

ソフト面では、7月にダウンロード数が1,000万件を突破したスマートフォン用アプリ「Coke ON」に、歩くだけでドリンクがもらえる「Coke ONウォーク」、キャッシュレス決済機能「Coke ON Pay」を新た追加しました。先ごろ「未来技術遺産」にも選定されたコカ・コーラ社初の自動販売機「V63」の誕生(1962年)から半世紀、私たちの自動販売機は常に最先端の技術を取り入れ、進化を続けてきました。引き続き業界のリーダーとして、いつでも、どこでも、さわやかさとハッピーなひとときをお届けするために不断の努力を続けてまいります。

2019年の幕開けを迎えて  日本コカ・コーラ(株)代表取締役社長 ホルヘ・ガルドゥニョ

キャッシュレス決済機能「Coke ON Pay

 

■「廃棄物ゼロ社会」の実現を目指して

2018年1月、日本コカ・コーラは「容器の2030年ビジョン」を公表しました。「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を目指すこの取り組みは、

1.PETボトルの原材料としてリサイクルPETあるいは植物由来PETの採用を進め、1本あたりの含有率を平均で50%以上にすることを目指すこと。
2.国内で販売した自社製品と同等量の容器の回収・リサイクルを目指し、スキームを構築すること。
3.地域の美化や、海洋ゴミに関する啓発に積極的に参画すること。

の3点を骨子としています。実際に昨年10月には、私も沖縄県名護市を訪問し、従業員や地域のみなさまなど約370人とともに、地元の宇茂佐海岸の清掃に取り組みました。また11月には全国清涼飲料連合会(全清飲)の一員としても、家庭などから出るPETボトルを2030年度までに100%回収・リサイクルする計画を発表しています。今後も引き続きビジョンの実現に向け、国内においても関係省庁、業界団体、学術機関とも連携しながら、総合飲料企業としての責任を果たしてまいります。

また、私たちは昨年、製品の製造に使用する量と同等量の水を自然に還元する水資源保護の取り組み目標を2年連続で達成しました。還元率は前年の115%から大きく前進し、過去最高の241%を達成することができました。2019年もこの歩みを止めることなく、水資源の持続可能性におけるグローバル・リーダーとして、事業の成長と環境負荷削減の両立を目指し、水資源保護にいっそう取り組んでいきたいと思います。

 

コカ・コーラ社の成長の源泉

最後に、当社のカルチャーと今後の展望について少しお話しします。

当社が最も重視している規範は「成長志向(Growth Mindset)」です。現状に安住せず、チャレンジャーとして課題に向き合い、強みを発揮することによってのみ、持続的な成長が可能と考えます。イノベーションを生み出し成長を実現するのは、いつの時代も、熱意と好奇心に溢れ、自ら行動を起こし、常に改善と前進を続けることのできる人材、そして多様性や柔軟性を持ったチームです。人こそが、コカ・コーラシステムの成長の源泉と言えるでしょう。そして日本のコカ・コーラシステムは、優れた人材に恵まれています。今後もそうした人材をより積極的に登用することで、ビジネスの変革を加速し、イノベーションの生まれる組織づくりをさらに進めます。

ボトラー社(*3)とのより強固なパートナーシップの確立も、持続的な成長を実現するためのキーとなります。多様化する顧客・消費者のニーズをいち早く察知し、市場の変化に迅速に対応できる体制を構築するため、これまで以上に全国5社のボトラー社との信頼関係を深めてまいります。

*3 現在日本には、北海道コカ・コーラボトリング(株)、みちのくコカ・コーラボトリング(株)、北陸コカ・コーラボトリング(株)、コカ・コーラボトラーズジャパン(株)、沖縄コカ・コーラボトリング(株)の5つのボトラー社がある。

およそ500日後に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会についても、パートナーとしての準備を着々と進めています。当社は昨年、東京2020組織委員会と「東京2020オリンピック聖火リレープレゼンティングパートナーシップ契約」の第一号として契約を締結しました。コカ・コーラ社は1928年のアムステルダム大会以来、長年にわたりオリンピックの公式パートナーを務め、大会の成功を支援してきました。東京2020大会に向けても、オリンピック聖火リレーのような特別な体験を通じて日本全国にオリンピックムーブメントを広げるとともに、大会組織委員会や関係機関、そして地域のみなさまとの連携をより強化し、日本のお客様にとって忘れることのできないオリンピック・パラリンピック大会となるよう、日本に根差した企業の一員として貢献したいと考えております。

日本全国のコカ・コーラシステム各社を代表し、本年も、みなさまのご多幸とご健康、ご繁栄をお祈り申し上げます。

2019年の幕開けを迎えて  日本コカ・コーラ(株)代表取締役社長 ホルヘ・ガルドゥニョ

ホルヘ・ガルドゥニョ
日本コカ・コーラ(株)代表取締役社長