コカ・コーラ フリースタイル」

コカ・コーラ フリースタイル」は、ザ コカ・コーラ カンパニー(米国本社)が2009年に発表したファウンテンディスペンサーのブランド。「ファウンテンディスペンサーって?」という方が圧倒的に多いかと思いますが、これは濃縮シロップを飲料水や炭酸水で希釈し、その場でドリンクを製造するマシンのこと。ファストフードレストランやテーマパーク、映画館などに置かれているアレです。

ボタンやレバーを操作して数種類のドリンクをつくる従来型のディスペンサーと異なり、「コカ・コーラ フリースタイル」では高解像度のタッチスクリーンを操作して、200種類近くの選択肢の中から好みのドリンクを選択、ミックスすることができます。現在、米国をはじめ数ヵ国で計5万台以上の「コカ・コーラ フリースタイル」が設置され、1日に1,400万杯ものドリンクを提供しています。

今回はザ コカ・コーラ カンパニーで「コカ・コーラ フリースタイル」を担当するバイスプレジデント兼ジェネラル・マネジャーのクリス・ヘルマンに、新型モデルの開発や運用システムのアップグレードを含む、最新の取り組みについて語ってもらいました。

文=ジェイ・モイエ

 

■200種類以上のドリンクから選び放題!

クリス・ヘルマンが初めて「コカ・コーラ フリースタイル」の装置を目にしたのは2010年のこと。最初、その小型のディスペンサーが200種近くものドリンクを提供できるとはにわかには信じられなかったそうです。「装置の後ろに回って、他に何か別の機材がつながっているのではないかと、確かめずにはいられませんでした。ここまで小さな機械に膨大な選択肢のドリンクが詰め込まれていることに驚嘆したんです」と彼は振り返ります。

2009年に登場し、従来のファウンテンディスペンサーの概念を覆した「コカ・コーラ フリースタイル」は、数十億ドル単位のビジネスに成長した現在も、たゆまぬ進化を続けています。そのビジネスを支えているのが、新型モデルの開発から、既存機器を運用・管理するソフトウェアのアップグレードまで手掛けるヘルマンのチームです。

総合飲料企業を目指すザ コカ・コーラ カンパニーにとって、「コカ・コーラ フリースタイル」は迅速なイノベーションとアイディアの実現を可能にするツールと位置付けられています。「ファウンテンディスペンサーが幅広い選択肢やカスタム機能を兼ね備えていることは、一時の流行ではなく、今後は消費者にとって当たり前の条件になっていくでしょう。その中で私たちは、『コカ・コーラ フリースタイル』のプラットフォームが最新のニーズに応え続け、消費者が求める清涼飲料の選択肢を広げていけるよう、さまざまな手を打っています」(ヘルマン)。

動画:「コカ・コーラ フリースタイル」の紹介
*英語のみ

 

■アプリ連動型の最新モデルも

最新モデル「コカ・コーラ フリースタイル9100」は、2018年5月にシカゴで開催された食品展示会「NRA Show」でお披露目されました。このモデルには24インチの高解像度タッチスクリーンとBluetooth接続機能が搭載されており、消費者はディスペンサーのある店舗に入ると同時に専用アプリを開いて、お気に入りのドリンクを予約したり、新フレーバーを試したりできるようになります。「コカ・コーラ フリースタイル9100」は、2019年から米国での展開を予定しています。

「新しいプラットフォームの中には、まだアクティベートされていませんが、将来的な使用に向けて音声機能や光センサーも追加されています。また、現在『コカ・コーラ フリースタイル』で提供できていないお茶やコーヒー、各種ジュースなどの追加も見込んだ機能が既に備わっています。タッチスクリーンもさらに使いやすく、消費者が欲しいドリンクを見つけやすいように、新たなデザインを採用しました」(ヘルマン

コカ・コーラ フリースタイル」の運用システムは、リアルタイムでドリンクの在庫水準を把握できるダッシュボードなど、既存モデルを導入しているレストランや映画館などの顧客向けにも、新たな機能を提供しています。「現在運用中のすべてのフリースタイルで共通のソフトウェアを使うことにより、レストランをはじめとする顧客と、すべての消費者の利便性を高め続けています」(ヘルマン)。

米国で大人気! 超・高機能なドリンク製造マシン 「コカ・コーラ フリースタイル」の正体

コカ・コーラ フリースタイル」の各種モデル

 

■イノベーションを可能にしたのは圧倒的なスピード感

昨年導入された新しいコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)によって、「コカ・コーラ フリースタイル」が新しいドリンクを導入するスピードも飛躍的に高まりました。「『コカ・コーラ フリースタイル』は単なるディスペンサーではなく、非常に柔軟性の高いマーケティングツールとしても機能します。新しいCMSのおかげで、コンテンツ更新にかかる時間が従来の4週間から4日間に短縮されました」(ヘルマン)。

これによって、顧客独自のフレーバー開発やキャンペーン展開も加速しています。たとえば、米国南部を中心に展開するファストフードチェーン「Zaxby’s」は、ジョージア大学とジョージア工科大学が参戦する大学フットボールのシーズンに合わせて、「コカ・コーラ フリースタイル」の限定フレーバー「スプライト メローイエローミックス」を展開しました。フレーバー開発から発売までの期間はわずか数ヵ月。従来では考えられないスピード感で、このようなキャンペーンが実現できるようになったのです。

米国で大人気! 超・高機能なドリンク製造マシン 「コカ・コーラ フリースタイル」の正体

大学アメリカンフットボールシーズンの特別フレーバーを表示した
コカ・コーラ フリースタイル」の画面

 

レストランごとにフードメニューとドリンクの組み合わせを提案するのも、「コカ・コーラ フリースタイル」の得意技。ファストフード大手「バーガーキング」では、新メニュー「クリスピースパイシーチキンサンドイッチ」と「コカ・コーラ フリースタイル」の特別フレーバー「スプライト ライムバースト」を一緒におすすめしています。

米国で大人気! 超・高機能なドリンク製造マシン 「コカ・コーラ フリースタイル」の正体

コカ・コーラ フリースタイル」の画面上に表示される
おすすめメニューとドリンクの組み合わせ

 

■環境への配慮もぬかりなく

コカ・コーラ フリースタイル」のプラットフォームは、顧客と消費者に幅広い選択肢と利便性を提供するにとどまりません。ザ コカ・コーラ カンパニーが掲げるサスティナビリティー(持続可能性)の取り組みにおいても、大きな役割を果たしています。

一部の大学やテーマパークなどの施設では、「コカ・コーラ フリースタイル」用にマイクロチップの搭載された再利用可能なカップが導入されました。これらのカップは使い捨て容器の使用量の削減につながるだけでなく、「コカ・コーラ フリースタイル」と直接交信することもできます。カップが近づくとマシンが即座に反応し、迅速に人気ドリンクや新フレーバーを提供できるのです。

また「コカ・コーラ フリースタイル」で使われているカートリッジは、従来型のシロップのパッケージよりも製造工程におけるカーボンフットプリント(CO2排出量)が小さく、再生可能エネルギーと水保全技術を用いたゴールドLEED(*1)認証施設で製造されており、15~30%のリサイクル原料を使用しています。

*1 LEED:建築や施設の環境性能を示す、世界的に認知された評価システム。認証プログラムでは、環境性能に応じて標準認証、シルバー、ゴールド、プラチナの4段階の認証レベルが定められている。