現在、世界中で飲むことができるコーヒー。
しかしその飲み方、楽しみ方は、国によって実にさまざまなようです。
実際、海外ではどのようにしてコーヒーを飲んでいるのだろう?
その疑問に答えるべく、今回、『コカ・コーラ ジャーニー』編集部は、
東京都内の各国料理店を突撃。
日本で働くエチオピア、トルコ、フランス、イタリア、
ベトナム、ブラジル、アメリカ出身の料理人の方々に、
自国のコーヒー文化について解説をしてもらいました。
缶コーヒー市場売上本数シェアNo.1ブランド『ジョージア』( * )を提供する
コカ・コーラ社ならではの、コーヒーのようにコクのあるレポート企画「前編」です。

文・写真=小山田裕哉


■エチオピアの場合『アディス』オーナー、セイファさん

「コーヒー発祥の地として、誇りを持っています」

世界各国コーヒー事情 「エチオピア、トルコ、フランス」編
Coffees in Different Countries

 コーヒーといえばエチオピアです! なんせ、発祥の地ですからね。そもそもコーヒーは、エチオピアの「カファ」という地域から取れた農作物でした。このカファが「カフェ」になり「コーヒー」になったというわけです。

 でも実は、昔はコーヒーの豆じゃなく、葉っぱを食べていたそう。感覚としてはお茶っ葉を食べるようなものかな。余った豆はどうしていたかというと、牛のエサにしていました。

 しかし、豆を食べると牛がニコニコしていたんですね。それで昔のエチオピア人は「なんで牛はコーヒーの豆を食べると気分が良さそうなんだろ?」ということで、自分たちも試してみたってわけです。エチオピアでは、それがコーヒーの起源と言われています。田舎のほうだと、まだ葉っぱを食べる文化が残っているみたいですよ。

 とにかく、エチオピア人はコーヒーにすごく誇りを持っています。自分の国から生まれて、世界に広まった飲みものですからね。もちろん、今でもたくさん飲みますよ。

 エチオピアには、「コーヒーセレモニー」という習慣があるんです。これは自宅に親戚や近所の人たちを呼んで、一緒にコーヒーを楽しむ会です。そこでコーヒーを飲みながらお喋りをして、親交を深める。うちの店でもたまに行っていますよ。ただのお茶会に見えるけど、エチオピア人にはすごく大切なものです。


「エチオピアのコーヒーはドリップしません」

 結婚前の女性はみんな、コーヒーセレモニーのやり方を教えられます。それが家庭を平穏に保つ儀式みたいなものですからね。コーヒーを淹れるために使うポットやカップも、その家に代々受け継がれています。淹れ方の順序もちゃんと決まっています。イメージとしては、日本の「茶道」に近いのかな。そのぐらいコーヒーセレモニーは重要な文化で、私たちには欠かせないものなんです。

 エチオピアのコーヒーはドリップしないのが特徴。採れたての「モカコーヒー」の豆を洗って、じっくり焼きます。そこから粉にして、「ジャヴァナ」というポッドにお水と一緒に入れる。それを熱して、沸騰したら完成です。カップには、このジャヴァナから直接注ぎます。急須からお茶を注ぐようなものですよ。コーヒーセレモニーも茶道に近いところがありますし、飲みものを大切に扱おうと思ったら、国が違っても同じような風習になるのかもしれないですね。
世界各国コーヒー事情 「エチオピア、トルコ、フランス」編
Coffees in Different Countries
エチオピアのコーヒーに欠かせないジャヴァナ

コーヒーに塩を入れることも・・・・・・

 肝心の味は、濃くてアロマの香りが深い。それでいて苦味がなく、口当たりは甘いんです。エスプレッソみたいと言えば、日本人にも伝わるかもしれないですね。美味しいコーヒーを淹れるポイントは、沸騰させるときに、長い時間をかけてじっくりと火にかけること。急に沸騰させると、大事なアロマが飛んでしまうんですよ。

 あと、エチオピア人にはそれぞれの“味付け”にこだわりがあることも忘れてはいけません。コーヒーに砂糖だけではなく、塩を入れたり、スパイスを入れたりする。そうやって、自分好みの味をつくり出すわけです。バターで飲む人もいますよ。ちなみにうちの店では、ガラムなどのスパイスを混ぜています。騙されたと思って、一度飲んでみてください。すっごく美味しいですから。

 私は良いコーヒーだったら何杯でも飲めます。そして、飲むと元気になる。エチオピアではコーヒーのことを「ブンナ」と呼ぶのですが、この“ブン”は「ハイになる」という意味が含まれています。つまり、コーヒーはエチオピア人の元気の源。何世紀も前から、私たちの生活になくてはならない飲みものなんです。

<店舗データ>
アディス
住所:東京都目黒区中根2-3-15KIビル2F
TEL:03-6421-4302 HP:http://www.addisrestaurantjapan.com/