現在、世界中で飲むことができるコーヒー。
しかしその飲み方、楽しみ方は、国によって実にさまざまなようです。
実際、海外ではどのようにしてコーヒーを飲んでいるのでしょう?
その疑問に答えるべく、今回、『コカ・コーラ ジャーニー』編集部は、
東京都内の各国料理店を突撃。
日本で働くエチオピア、トルコ、フランス、イタリア、
ベトナム、ブラジル、アメリカ出身の料理人の方々に、
自国のコーヒー文化について解説してもらいました。
缶コーヒー市場売上本数シェアNo.1ブランド『ジョージア』( * )を
提供する
コカ・コーラ社ならではの、
コーヒーのように深みのあるレポート企画「後編」です。

文・写真=小山田裕哉


■イタリアの場合『エリオ・ロカンダ・イタリアーナ』オーナー、エリオさん

「エスプレッソはイタリアの芸術です」

世界各国コーヒー事情 「イタリア、ベトナム、ブラジル、アメリカ」編
Coffees in Different Countries

 イタリアでコーヒーといえばエスプレッソです。それも、ほとんどエスプレッソしかないと言ってもいいくらいみんな大好き(笑)。朝食でカプチーノやカフェラテを飲む場合もありますけど、9割はエスプレッソかな。

 夜もエスプレッソを飲みますよ。普通のイタリア人なら、朝に1杯、午前中のミーティングに1杯、昼食後に2杯、夜ご飯が終わって1杯と、毎日6杯くらいは当たり前です。エスプレッソはカフェインも少なくて、健康にも良いんです。

 あと、伝統的な家庭にはコーヒーの時間というものがあって、家族がそれぞれの近況を話す貴重な時間になっています。誰々が結婚したとか、恋人のこととか、そういう他愛もない話をエスプレッソを飲みながらするわけです。イタリア人はお喋り好きだから、盛り上がってしまうと何時間も経つことがある(笑)。だけどそれも、美味しいエスプレッソが会話を促してくれるからですよ。


「イタリアのエスプレッソは、つくる人の数だけレシピがある」


 イタリアでは、エスプレッソはつくる人の数だけレシピがあると言われています。それは豆のブレンド加減だったり、水の量だったり、さまざまです。ただ、家庭ではまずエスプレッソマシンは使いません。「モカ」というエスプレッソに適した特別な器具を使って、コーヒー粉から自分の好みの味に抽出するんです。各家庭では、それぞれものすごく年季の入った「モカ」を使っています。それだけエスプレッソにはこだわりがあるんですね。

 特別な飲み方としては、リキュールを混ぜることもあります。その場合は、サンブーカ(アニスのリキュール)やグラッパが一般的です。これらのお酒は甘いので、砂糖の代わりになるんです。

 美味しいエスプレッソを淹れるちょっとしたポイントは、注ぐ前に必ずカップも温めておくこと。コーヒーの温度と同じくらいにしておくと、淹れたてでも飲みやすくなるわけです。それで、カップの口元に少しだけエスプレッソを塗っておく。口をつけたときに熱さに慣れさせるんです。

これは、エスプレッソを熱くしすぎてはいけないということでもあります。そもそも、温度が高過ぎるとせっかくの香りが飛んでしまいますからね。

 イタリアには、「Come con arte va preparato cosi con arte va bevuto.」ということわざがあります。エスプレッソは芸術と同じである、という意味です。芸術作品を鑑賞するのと同じように、エスプレッソも五感で楽しむもの。だからこそ、淹れ方から飲み方まで、こだわりがあるわけです。

<店舗データ>
エリオ・ロカンダ・イタリアーナ
住所:東京都千代田区麹町2-5-2
TEL:03-3239-6771 HP:http://www.elio.co.jp/restaurant/