新年度を迎え、仕事や生活環境が変わった方も多いことと思います。
国籍が異なる人や文化背景が異なる人との関わりが増えた方もたくさんいることでしょう。
“世界”との距離がますます近づいている昨今、
どんな相手とも良い関係を築くにはどうしたら良いのでしょうか?
今回は世界各地のコカ・コーラ幹部に声をかけ、
それぞれの国での働き方や、
世界で活躍する人材になるためのアドバイスをお願いしました。
さっそく、彼らの言葉をご紹介しましょう。

文=スーザン・セグレスト

1. コカ・コーラ社会長からの助言

「世界的な視点を持った人物になろう」

はじめのアドバイスはコカ・コーラ社ムーター・ケント会長兼CEOから。ケント会長は、世界的な視点を持つことの重要性を強調しています。「私たちはかつてないほど、世界的な視点を持った未来のリーダーを探しています。未来のリーダーに求められているのは、世界中の国や異なる文化の間を自在に行き来し、アメリカのニューヨークはもちろん、中国の南昌でも、ロシアのノボシビルスクでも、どこへ行っても自然に力を発揮できる能力です。そのように考えるのは、多様な文化、アイディア、信念、経験の美しい融合から真のイノベーションが生まれることを、私たちは学んできたからです」。

2. カナダからの助言

「多様性を認識し、一人ひとりを尊重しよう」

世界のコカ・コーラ社社員に学ぶ
「真の国際人になる方法」
Coke Executives on How to Navigate a Complex Global Business Environment
ジョン・M・グアリーノ

2人目はカナダから。コカ・コーラ・リフレッシュメンツジョン・M・グアリーノ社長です。
Q: 世界各地で仕事をする中で、異国の人へのアプローチはどのようにしていますか? また、カナダで、あるいはカナダ人と一緒に働こうと考えている人へのアドバイスをお願いします。
A: 私は27年にわたる国際的な業務経験を通して、自分にとって何がうまくいったアプローチで、何がうまくいかなかったアプローチなのか身をもって学んできました。まず大事なのは、相手の国の文化を尊重することです。それがどのような文化なのか、なぜそのような違いがあるのか、そしてなぜそれが重要なのかを理解することによって、相手の国と人々に対する洞察力が生まれます。
私は他の国に土足で踏み込んで行って、物事を直してやろうというような態度をとる、いわゆる「醜いアメリカ人」にはならないように意識してきました。そうではなく、他の国に入るときには耳を澄ませて人の話を聞き、考え方を理解し、疑問があれば、質問をたくさんしたうえではじめて行動するのです。また、相手の国の文化に対する敬意が伝わる程度には、その国の言語を話せるようになることも大切だと思います。
カナダは世界で2番目に国土の広い国ということをご存知でしょうか? カナダには2つの公用語があり、10ある州のそれぞれが、独自の特徴と異なる文化を持っています。この国の民族がどれほど多様で多文化なのか、多くの人は理解できていないようです。白人や先住民以外の民族が今や人口の20%を占めており、この割合は2020年までに25%にまで上昇すると予想されています。その現状を示すように、トロント市には確認できているだけでも200の異なる民族グループが存在しているのです。ですから、カナダ人を一つの均質な集団のように捉えたり、カナダの労働環境はアメリカと同じだなどと考えたりすると、一部の人を疎外することになってしまうかもしれません。
カナダで働くにあたっては、民族や文化の多様性を理解した上で、職場の同僚や仕事の取引相手との上手なつき合い方を身につけていくことが大切です。日々暮らす中で常にそのことを意識する必要がありますし、そのようにすることによって、より良いものを生み出す力をつけていただきたいと思います。
最後に、一つだけ。小さいことに思えるかもしれませんが、良い仕事をした人をきちんと認めてあげることは、世界中の人々とつき合うためには非常に重要なことです。

3. インドからの助言

「異なる文化を知ること自体を楽しむ」

世界のコカ・コーラ社社員に学ぶ
「真の国際人になる方法」
Coke Executives on How to Navigate a Complex Global Business Environment
ニーラジ・ガーグ

3人目はインドから。コカ・コーラ社のインド・西南アジア部門で、ジュース事業と西南アジア事業のバイスプレジデントを務めるニーラジ・ガーグです。
Q: 世界各国で仕事をする中で、うまく行った異国の人へのアプローチ方法を教えてください。また、インドで働く人へのアドバイスをお願いします。
A: まずは、異なる文化を知ること自体を楽しむことが大事だと思います。また、慣れない文化の中で働くことには、大変難しい面もあるということを理解しておくことも重要です。コカ・コーラ社は、あらゆる取引に誠意と透明性をもって臨むことが、仕事の基本姿勢となっています。世界のどこにいようとも、会社の同僚と信頼関係を築き、皆が自分のやるべきことを理解していることが不可欠です。でもその「理解」に至るまでの道程は、国の文化のあり様によって異なることもあります。
たとえば、欧米出身の人は単刀直入に本題に入りたがる傾向があります。でもインドでは、個人としても、仕事のプロとしても、まずは人間関係を築くことが重視されます。だからコカ・コーラ、あるいはコーヒーかお茶を飲みながらお互いのことを知り合い、その後で初めて仕事の話に移るのです。
もう一つ、インドの文化慣習で理解しておいていただきたいのは、「あらゆることは交渉される」ということです。正直いって私自身も、他の国で働いた後インドに戻ると、この慣習をもどかしく感じることがあります。仕事を「いつまでに」「どうやって」「何のためにやるのか」、といった点は全て、議論と交渉の対象となります。結局のところ、インドでは、あらゆる物事の本質を探り当てなければならないのです。この国では、あらゆることが旅の一部。ですから、すぐに結論を得られたり、すぐに行動に飛びつけるとは思わない方が良いでしょう。
最後にもう一つ、私たちにとって宗教や伝統文化は非常に大切なものですから、それらに対して礼を欠くような態度はつつしむようにしてください。私たちは仲良くなった相手とは、こうした物事を率直に議論することもありますが、最初のうちはとにかく敬意を表していただきたいのです。