■選ばれし者=主人公だから選ばれしドリンクを

『シュタゲ』原作・志倉千代丸さんに聞きました。
秋葉原は、なぜ「ドクターペッパー」の聖地になったのか?

志倉千代丸さん
「『シュタインズ・ゲート』という作品は『科学アドベンチャー』というシリーズ作品の第2弾なのですが、実は、このシリーズでは、ゲームやアニメを演出する上での重要な小道具として、主人公が愛飲する特定のドリンクを登場させています。シリーズ第1弾作品の『カオスヘッド』では、主人公の西條拓巳の部屋には空になった『コーラ』(<コカ・コーラ>をイメージしたドリンク)のPETボトルが散乱しているのです。

そして本題の『シュタインズ・ゲート』の主人公・岡部倫太郎ですが、彼は自身を特別な星の下に生まれた存在だと認識している面を持っています。つまり選ばれし者は、選ばれし特別なドリンクを欲するものなのだと。そんなことを妄想しながら『シュタインズ・ゲート』の原作を執筆していたときに、『ならばアレしかない!』と思いついて『ドクペ』を登場させていただきました。

僕の個人的な感想を、あえて言葉を選ばずに言わせてもらうと、『ドクペ好き』というだけで『ちょっと変わった』『エッジの効いた』『通好みの味覚』『ドクペおいしいって言える俺カッコイイ(笑)』という、強いアピールになるイメージがありました。これは岡部のイメージともピッタリだったので、『シュタインズ・ゲート』で使用させてもらったわけです」

なぜ、そのような設定が生まれたのでしょうか?

「周囲に対して、選ばれし者を気取りたい岡部にとって『ドクペ』は、アピール性も強く、本人の承認欲求を満たす上で最高のチョイスなんです。『なに? ドクペの良さ、おいしさを知らないだって? キミには知的好奇心や探究心のかけらも無いとでもいうのか?』という自分勝手な思考回路から、優越感すら覚えているのでしょう。これだけ好みがハッキリと分かれる炭酸飲料って、ほかにあまりないと思いますからね。好きになったモン勝ち、ということなんです(笑)」




■『シュタインズ・ゲート』は、まだまだ続く

作品に「ドクペ」を登場させたことで、どのような反響がありましたか?

「秋葉原の自動販売機の品ぞろえに変化があったという話は聞いていましたが、僕らにとっては噂レベルでしたので、正確な検証はできていません。ただ、僕の身の回りでもいろいろな変化がありました。一番うれしかったのは、多くのゲームやアニメのファンの方々から『作品の影響で、<ドクターペッパー>を愛飲するようになりました!』というメッセージが届いたことですね。メッセージには海外のファンからのものも含まれています。

あとは凄く細かいことなんですが、ライヴ会場などではファンのみなさんからの差し入れ、さらに楽屋に配置されるドリンクも『ドクターペッパー』になっていたり、ときには出演するイベントやライヴのステージ袖にスタンバイされるようにもなりました(笑)。業界のみなさんからいただく機会が増えましたね。完全に僕が『ドクターペッパー』マニアだと認識されています」

もともと、志倉さんは「ドクターペッパー」について、どのようなイメージを持っていましたか?

「実はこの質問がいちばん怖かったんですが……。僕は『ドクターペッパー』よりも『コカ・コーラ』派なんですよ(笑)。しかも今はカロリーも気になるので『コカ・コーラ ゼロ』を愛飲してます。『コカ・コーラ ゼロ』の300mlPETボトルを定期的に箱買いしてますね。でも、さっきも言ったように、ここ数年は『ドクターペッパー』をいただく機会も多いので、冷蔵庫にはいつも数本入っています。気分転換にときどき飲むと、優越感に満たされます。やはり選ばれし者の知的ドリンクなんですよ(笑)」

では、「ドクターペッパー」を愛飲するようになったのは最近?

「僕が通っていた高校の校門の目の前にあった小さな商店で『ドクターペッパー』が売っていて、毎回それを買うMという友人がいたんですよ。いつも僕が『それ、そんなに好き?』と聞くと、彼は『ふん』と鼻を鳴らして『千代丸にもいつか<ドクターペッパー>の魅力がわかるときが来るよ』と言っていました。

きっとMは今でも愛飲していることでしょう。くしくもその20数年後に『ドクターペッパー』の魅力がこんなかたちで理解できる世界線(過去から未来まで続く世界の一つの可能性のこと)にたどり着けるとは、当時の僕には想像もできませんでした。あのときの僕にDメール(過去に送ることができる電子メールのこと)を送りつけてやりたいけど、ポケベルすら持っていなかったので……残念です」

「世界線」「Dメール」など、『シュタインズ・ゲート』の用語をからめて答えていただき、ありがとうございます! 最後に、『シュタインズ・ゲート』と「ドクターペッパー」のファンのみなさんに向けて、一言お願いします。

「実はこのインタビューで初めて言いますが、『シュタインズ・ゲート』という作品は、今後もまだいくつか大きな発表があります。ファンのみなさんにとっては確実に、想像の斜め上をいく展開だと思うので、そこはご期待ください。もちろんそれらの新しい展開の中でも、岡部が『ドクペ』を手放すことはありませんよ!」

<プロフィール>
しくら・ちよまる / 株式会社MAGES.代表取締役会長。株式会社チヨマルスタジオ代表取締役社長。『カオスヘッド』『シュタインズ・ゲート』『ロボティクス・ノーツ』『カオスチャイルド』など、科学アドベンチャーシリーズの企画・原作を手掛ける。さらに、タレントのプロデュースや楽曲提供のほか、テーマレストラン「アフィリア魔法学院グループ」、アイドル育成型エンターテイメントカフェ「AKIHABARAバックステ←→ジpass」のプロデュースを務めるなど、その活動は多岐に渡る。

>>「ドクターペッパー」情報は、こちら!