ザ コカ・コーラ カンパニー 最高財務責任者(CFO) ケイシー・ウォラー

文=ジェイ・モイエ

 

■弁護士志望の女学生が「財務」に魅せられて

「私は昔から大きな夢を抱いていました。ここまで来るとは、さすがに思い描いていなかったですけどね」。ザ コカ・コーラ カンパニー(米国本社)の最高財務責任者(CFO)を務めるケイシー・ウォラーは、ビジネス情報を配信するポッドキャスト番組『TheStreet』の特別インタビューの中で、このように語りました。

アトランタ出身のウォラーは、1987年に会計士としてザ コカ・コーラ カンパニーに入社。約30年のキャリアにおいて着実に昇進を重ね、2014年に財務部門のトップであるCFOに就任しました。財務・会計のエキスパートとして揺るぎない地位を築いてきた彼女ですが、子どもの頃は法廷弁護士が活躍するTVドラマシリーズ『ペリー・メイスン』に熱中し、大学時代には弁護士を志していたと言います。

ニューヨーク州のロチェスター大学で歴史学と政治学の学位を取得した後、ウォラーはロースクール進学に備えて、1年間を共通試験「LSAT」の勉強に充てることにしました。その間、ロチェスター市の予算部門で働き口を見つけます。期間限定で引き受けた仕事でしたが、彼女はすぐに、財務・会計の世界に夢中になっている自分に気づきました。

「その仕事に心底魅了されたんです」とウォラーが振り返るように、その熱意はロースクール進学という目標を変更させるほど強いものでした。結局、彼女は母校ロチェスター大学の経営学修士(MBA)過程への進学を決意。卒業後は大手会計事務所デロイトで公認会計士(CPA)として働き、さらに数年後、ザ コカ・コーラ カンパニーに転職する機会を得たのでした。

ウォラーは、ザ コカ・コーラ カンパニーの女性幹部育成に向けた提言を行うグローバル女性リーダーシップ・カウンシルの初代会長を務め、女性リーダーを育成するグローバル・プログラムの策定に携わっています。インタビューで彼女が披露した経験談には、女性がビジネス界で成功するためのヒントが満載。以下にその一部をご紹介しましょう。

 

■自ら求め、積極的に手を挙げること

──「将来はケイシー・ウォラーのようにビジネス界で成功したい」と思っている女の子に対して、どんなアドバイスをしますか?

ウォラー まずは自由に夢を見て、自分がどんなときに幸せを感じるのかを見極めることが大事だと伝えますね。そして、楽しめる仕事に就きながら、常に新しい物事を学ぶ努力を続けること。加えて、人との関係づくりも非常に重要です。それが想像もしなかったような場所に導いてくれることもあるでしょう。新たな学びと新たな出会いは私が今の立場を築く上で大きな助けになりましたし、誰にとっても有効な成功のレシピだと思います。

──女性がキャリアアップの機会を得るために必要なことは何でしょうか?

ウォラー 女性は積極的に手を挙げることを心がける必要がありますね。かつて、別の役職への異動が可能かどうか上司に相談したときから、私のキャリアの道筋は変わりました。自分からそうした行動をしない限り、結果的には可能性を制限してしまうことになります。「黙って粛々と仕事をしていれば、自ずと道は拓けていく」と、私たちはつい信じたくなりますよね。もちろん、それも大切なことですが、周囲には手を挙げている人がたくさんいることも忘れてはいけません。手を挙げて、何が欲しいのか相手に伝えない限り、向こうから私たちの気持ちを読み取ってくれることなどありません! “未来のケイシー・ウォラー”は既に存在しています。あとは、彼女たちが手を挙げるかどうかだけなのです。

──ご自身のキャリアを振り返って、感慨深く思うことはありますか?

ウォラー 自分が今の立場に立っていることの意義を忘れたことはありません。CFOに就任して間もないころなど、訪問先で誰かが私をザ コカ・コーラ カンパニーのCFOとして紹介するたびに、「私の話をしているんだ!」と実感しては息を呑んだものです。ここに至るまでの道のりの長さや、積み上げてきた経験の素晴らしさについては、いろんな形で思い返します。でも、やるべきことがたくさんあるので、感慨にふけっている暇はありません。

ケイシー・ウォラーのインタビュー全編はこちら(*英語のみ)