アフリカの女性たちに配布された奇蹟の浄水器

 アフリカやインドの農村部に暮らす女性たちが、コカ・コーラと発明家ディーン・ケーメン氏による支援を受けて起業、浄水器の普及に取り組んでいます。

「世界女性会議」(Women in the World Conference)で、ザ コカ・コーラ カンパニーの会長兼CEO
ムーター・ケントは、浄水器の「スリングショット」をアフリカの地方に住む女性たちに配布すると約束しました。スリングショットとは、水を、その水源の質にかかわらず、1ガロンあたり約1セントで真水にすることができるという装置です。

 小さな規模のビジネスではありますが、コカ・コーラと発明家ディーン・ケーメン氏の支援の下に浄水器を取得し、真水を販売して収入を得るということは、女性たちは起業家になったということになります。それだけではありません。この浄水器を稼働させると、携帯電話を使用したり照明を点灯できる程度の電力を発電します。それを売電すれば、女性起業家たちは、水の販売利益収入以外にも収入を得ることができます。

 このプログラムは、ムーター・ケント「5 BY 20」イニシアチブを発表した2011年に、コカ・コーラが発表したコミットメントの1つです。このコミットメントによると、2020年までに、女性による小規模ビジネスの起業件数を500万件まで増やすとしています。実際、現在までに、12カ国でプログラムが実施され、女性起業家の数は30万人に達しています。


起業家から信頼できるパートナーへ

 私が初めてスリングショットのことを知ったのは、ディーン・ケーメン氏に浄水器のモデルを見せてもらった時です。彼はこの浄水器の開発に、約14年間も取り組んでいたそうです。インドのコルカタで行ったパイロットテストでは、教育レベルの低い人や器機の使用経験がない人でも、スリングショットを採り入れて、事業を始めることが可能であるという結論が出されました。それくらいに、スリングショットは便利で、操作もシンプルだったのです。実際、この浄水器は扱いやすく、さまざまな廃水から真水をつくることができました。実に、驚かされました。

 医療やクリーンエネルギー装置など440以上のパテントおよび発明を有するケーメン氏の発明の1つであるスリングショット。このスリングショットの普及プログラムは、イノベーションを促進するのみならず、サービスを提供することによって地域社会に貢献し、しかも収益を上げたという意味において、二重の快挙を成し遂げた成功事例です。また、この取り組みがコカ・コーラに大きなベネフィットをもたらすことは間違いありません。なぜなら、彼女たちがコカ・コーラやその他の製品の販売を担う、頼れるパートナーにもなり得るからです。このプログラムはまさに持続可能なかたちで社会起業家を育成することを目指すものであるとともに、アフリカやインドの農村部で新たな消費者を開拓し、新たな消費者を育んでいくことにもつながる取り組みになるでしょう。