高杉みゆさんは、現役の大学生。
お茶のおいしさを支える熟練の茶師の技について
関心を抱いていた彼女は、
あるとき、『綾鷹』の開発に協力していることでも有名な
京都・宇治の「上林春松本店(かんばやししゅんしょうほんてん)」を訪問することを決意。
同店代表の上林秀敏氏に
宇治茶の歴史や「合組(ごうぐみ)」と呼ばれる
茶葉のブレンドの過程について学びました。

文=柴那典
写真=鈴木泰介


豊太閤や徳川将軍家も愛したお茶

 永禄年間の創業から450年もの長きにわたり茶業を営んできた老舗茶舗が、京都・宇治の「上林春松本店」です。この老舗茶舗を守り続ける上林家は、室町時代から戦国の動乱を経て織田信長豊臣秀吉徳川家康などそうそうたる歴史上の偉人たちからの寵愛を受けてきました。当主の名跡である上林春松氏(現・会長)は、現在、第14代目になります。

 この長い長い伝統の中で培われてきた「合組」の技術は、緑茶の香りや味わいを左右する最も大きな要素だそうです。「合組」とは、全国各地の茶農家で生産される茶葉を丹念に選び仕上げて、それぞれのお茶が持つ個性を引き立たせてブランド独自の味わいに仕立てていく熟練の技術。今回は特別に、京都大学文学部の高杉みゆさんが、上林秀敏さんに「合組」の手ほどきをしてもらい、オリジナルのお茶を生み出すまさにその瞬間を体験させてもらうことになりました。これからその模様をレポートしていきます。

 高杉さんがまず訪れたのは、上林家の祖先伝来の重宝を公開した「宇治・上林記念館」。建物は朝廷や幕府の御茶師を務めた上林家の長屋門を活かした江戸時代からのもの。館内には、秀吉にまつわる書状や、江戸時代の将軍家に茶葉を運ぶ行列「御茶壷道中(おちゃつぼどうちゅう)」で用いられた茶壺、禁裡・幕府や大名家に茶を運んだ呂宋(るそん)渡りの嶋物茶壺の数々など、貴重な歴史的資料や宝物が飾られています。

Coca-Cola Journey Special“Japanese Tea”
老舗茶舗で「世界で一つだけのお茶」をつくってみた

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「宇治・上林記念館」には、祖先伝来の重宝が多数展示されている。
中には豊臣秀吉からの書状も。


 京都特有の“足下からくる”底冷えの中(歴史的建築物である記念館内はエアコンが入っていない部屋が多いのです)、重宝の説明に夢中になって聞き入る高杉さんは、終始「へぇ〜」「ほぉ〜」と感心することしきり。

「老舗ならではの貫禄を感じました。数百年にわたって守られてきたお庭や建物も風情があって日本文化の真髄のようなものを感じます」(高杉さん)




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