三井公一さんの「花火を思い出にする写真術」

──三井さんはプロフェッショナルだけどスマートフォンでも写真を撮られるんですね。 
三井:「このシーン良いな」と思ったらスマートフォンに標準搭載されたカメラで撮って、それから新たにインストールした写真加工アプリで写真を調整して、その写真をweb上にアップして……という作業がスマホ1台で済んでしまう。カメラは毎日持ち歩いていなくても、スマホならば必ず毎日持っている。だから良いシーンに出遭ったとき、必ず写真が撮れるんですよ。そこがスマホの良いところですよね。
──三井さんオススメの写真加工アプリは何ですか?
三井:オススメのアプリは、『Snapseed』です。iOS 版/ Android版共に無料。Photoshopの簡易版という感じで、フィルターをかけたり、ゴミを消したり、トリミングしたり、さまざまな写真加工ができます。『VSCO Cam』も良いですね。こちらも無料ですが、フィルターの追加は有料となっています。
──それでは、スマホでの花火の撮り方のコツを教えてください。
三井:ポイントは、3つあります。花火をスマホで撮影する際の一番のポイントは、良い撮影位置を確保することです。2、3発の花火で画面がいっぱいになるくらい、花火を見上げるくらいの位置にまで近づいて撮ると良いでしょう。
その次に大事なのはタイミングだと思います。花火をキレイに撮影するチャンスは、打ち上げ花火のクライマックス、何発も続けて上がるそのときです。
さらに、ピント合わせも重要です。iPhoneの場合は標準カメラを起動させ、1発花火が上がったときにピントを合わせたい箇所を長押しするとAE/AFロックがかかって、距離(ピント)と露出(明るさ)が固定されます。固定されたら、そのままの状態で次の花火が打ち上がるのを待てば良いのです。
また、写真全体を暗くしたり明るくしたいときには、画面に映る太陽のマークを触れば調整可能です。
他にも、バーストモードという花火撮影にうってつけの機能があります。シャッターボタンを押しっぱなしにすると、1秒に10コマで999コマまで撮影できるので、花火の連続撮影が可能です。
ということで、花火の打ち上げ現場に近づき、打ち上げ花火のクライマックスを待ち、明るさとピントを固定して連写をすれば、必ず自分が気に入る花火の写真が撮れることでしょう 。
──花火以外の撮影が上達するポイントも教えてもらえますか?
三井:フレーミングに気をつけることです。写真初心者は目の前のシーンをそのまま写し込もうと、フレームのなかに沢山の情報を入れてしまうことがあります。ただ、情報を入れれば入れるほど、主題が伝わりにくく、散漫とした印象の写真になりがちです。周囲の風景は思いきって捨てて、撮りたいものに2、3歩近寄って、画面内がシンプルに見えるようにすると写真の印象がグッと良くなると思います。
あとは、ちょっと暗い場所での撮影の場合、どこかに手を添えて撮るとか、手ぶれに注意して撮ると良いと思います。
──その他、撮影後の写真の楽しみ方について、教えてください。
三井:アプリを使って写真を加工することも楽しいのですが、とってもきれいに撮れたと思ったのなら、プリントしてみることをオススメします。最近のプリント技術はかなり向上しているので、できあがったときの想像以上の美しさに、びっくりすることと思います。画材屋さんなどで額を買って写真を額装して誰かにプレゼントするのも楽しいですよ。

三井公一さんの写真をご紹介]
写真上手なあの人の、“かんたん”撮り方指南。
今日から使えるハッピースマホ写真術!
世田谷区二子玉川で開催されたたまがわ花火大会での一コマ。
「花火の迫力を出すために、
画面全体に花火が入るように場所取りをし、
クライマックスのシーンを捉えました」
撮影後、写真加工アプリで、コントラストと彩度を上げて印象的に仕上げたそう


写真上手なあの人の、“かんたん”撮り方指南。
今日から使えるハッピースマホ写真術!
こちらも世田谷区二子玉川での花火。
「人物も入れることで情景を描こうと思い、
少し引いた位置から低めのアングルで撮影しています。
シルエットが際立つようにコントラストを高めに加工しています」

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いかがでしたか?
決して難しいことではないけれど、少し意識するだけで写真がグッと良くなるポイントをいくつか学ぶことができたかと思います。
ぜひみなさんも、次回の撮影からご活用いただければと思います。
えっ、私ですか?
もちろん私も、お二人のアドバイスを参考に、さっそく撮影してみました!

写真上手なあの人の、“かんたん”撮り方指南。
今日から使えるハッピースマホ写真術!


さわやかな「コカ・コーラ」が、一層さわやかに見えますね。
(おしまい)


<プロフィール>
むらかみ・もえ/ライフスタイルプロデューサー。 “次の週末に取り入れたい”をコンセプトに、今より少し先の理想のライフスタイルを提案。企業やブランドの商品開発や空間、地方活性イベントなど、幅広い分野でプロデュース活動を行っている。オリジナルウェブマガジンNEXT WEEKEND主宰。著書に『カスタマイズ・エブリデイ』(マガジンハウス)がある。
http://nextweekend.jp
みつい・こういち/1966年生まれ。新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナー、コンサルティングなどで活躍中。著書にはiPhoneで撮影した写真集『iPhonegrapherー写真を撮り、歩き続けるための80の言葉』(雷鳥社)、『iPhone フォトグラフィックメソッド』(翔泳社)がある。不定期でスマートフォンの撮り方教室やデジタルカメラ撮影教室などの活動もしている。
http://www.sasurau.com/