3.よく冷えた飲み物をこまめに摂ろう

Q:熱中症対策としては、どんなことをすべきですか?

基本は水分補給です。それも大量に汗をかいたときは、水分だけじゃなく、塩分も摂取すべき。スポーツドリンクなどのアイソトニック飲料はカラダに吸収されやすいので、スポーツに励んでいるときのほか、脱水症状など急な水分補給が必要な際にも役立ちます。よく冷えたものを飲んだほうがいいですが、一気に飲むと内臓への負担が大きので、30分~1時間おきにコップ1杯ずつくらいに分けて頻繁に飲むようにしましょう。ちなみに、食べ物以外での1日あたりの水分摂取量の目安は、1~1.5リットル(食べ物からの摂取を含めると約2.5リットル)です。食事も重要な水分補給源ですので、夏場こそ3食きっちり食べましょう。運動する日などは、水分補給量がもっと多くても問題ありません。
Using Water to Prevent Heat Stroke
~熱中症を防ぐ水分との付き合い方~
小まめな水分補給が熱中症予防の王道


Q:暑いとおでこを冷やす人が多いようですが、効果はある?

これは熱中症対策としては意味がありません。むしろおでこばかりを冷やすと、「もう充分に冷えたから、これ以上は汗をかかなくていいんだ」とカラダが錯覚して逆効果です。冷やすべきは、太い静脈がある首筋や脇の下。これは赤ちゃんが熱中症を防ぐためにお母さんが冷やすところと一緒なんです。“血液を冷やす”という観点を忘れないようにして下さい。
Using Water to Prevent Heat Stroke
~熱中症を防ぐ水分との付き合い方~
おでこを冷やしても、カラダは冷えない!?


Q:普段からできる予防策はありますか?

本格的な暑さが到来する前に、カラダを暑さに慣らしておくことが大切です。オフィスワークの人は、帰宅の際に1駅手前で降りて歩くとか、シャワーだけでなく週に2回は熱めのお風呂に少し長く入るなどして、汗をかく習慣をつけておきましょう。
Using Water to Prevent Heat Stroke
~熱中症を防ぐ水分との付き合い方~
暑さに備えた「汗をかく習慣づくり」を。入浴も効果あり。



4.それでも熱中症になってしまったら・・・・・・

Q:もし熱中症になったら、どうすればいいのでしょう?

とにかく暑い屋外で体調不良を感じたら、熱中症を疑ってみて下さい。初期症状としては、めまいや筋肉の痙攣、倦怠感、頭痛、吐き気などが現れます。自分で動ける場合は、日影や涼しいところに移動して、水分補給をすること。それでも症状が治まらない場合は、周りの人に助けを求め、医療機関へ。自力で移動ができないときは重症化する危険があるので、すぐに救急車を呼んで下さい。

Q:「この人、熱中症かも」と思ったら?

熱中症は周囲から見て、ほかの病気との区別が難しいもの。炎天下におけるスポーツや肉体労働だけでなく、たとえば、夏のバーベキューでアルコールを飲んで水分不足になり、熱中症になるケースも珍しくはありません。体調不良なのに酔っていると勘違いされ、応急処置がなされないからです。これからの季節は具合の悪そうな人を見かけたら、まずは意識の確認。呼びかけに対する返事がおかしかったりしたら、救急車を要請して下さい。意識があっても手が震えたりして自力で水分を摂取できないようであれば、やはり救急車です。応急処置が行われたにもかかわらず、その後症状が改善しないようであれば、医療機関を受診しましょう。

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~熱中症を防ぐ水分との付き合い方~


<プロフィール>
みやけ・やすふみ/昭和大学医学部教授、昭和大学病院救命救急センター長。日本救急医学会で「熱中症に関する委員会」の委員長を務めるなど、熱中症に関する権威として、さまざまなメディアで予防や対処法を伝えている。