2017年の今年、創立60周年を迎える日本コカ・コーラ株式会社。
それを記念して、日本コカ・コーラの社史と
コカ・コーラ社製品の日本市場における歴史を
ご紹介する連載企画の第8回です。
今回は、「爽健美茶」「い・ろ・は・す」という
二つの大きなブランド誕生の歴史を振り返ります。

(連載第1回から読む)

イラスト=宮内大樹

 

爽健美茶」が生まれた1993年(平成5年)当時、国内市場において、容器入り無糖茶の主流製品は烏龍茶でした。そのような状況下にあって、「爽健美茶」は、「健康や美容に関心が高い女性をメインターゲットにした、烏龍茶とは差別化された“ブレンド茶”をつくろう」という思いのもと、日本市場向けに開発が始められたのです。

 

とはいえ、日本人にはなじみの薄かったブレンド茶を、いきなり大々的に売り出すのはリスクが高いと考え、まずは九州地区限定で販売して、テストマーケティングを行うことにしました。

 

今となっては、ウェブサイトやSNSなどを活用してユーザーの声を集めるテストマーケティングは一般的になっています。しかし、20年以上前にSNSはありません。そこで当時の担当者は、「爽健美茶」を販売する自動販売機の前に立ち、購入してくれたお客様にその場で声をかけるという方法で、お客様の感想を地道に収集していったのです。

 

街頭でのお客様の反応は上々でした。その結果を受け、翌1994年(平成6年)に、「爽健美茶」は満を持して全国発売されることになりました。

今年で誕生24周年を迎える「爽健美茶」。現在までの総出荷数量は200億本を突破し、日本を代表するロングセラーのブレンド茶となっています。

 

エコバッグ」や「マイ箸」など、「エコ」というキーワードがトレンドになっていた2000年代末に発売された「い・ろ・は・す」。タオルのように簡単にしぼれるPETボトルなどが大きな話題を呼び、発売からわずか3ヵ月足らずで1億本出荷という記録を残しました。

 

実は、「い・ろ・は・す」のプロジェクトが始まるずっと前から、コカ・コーラ社の容器開発チームは、国内最軽量(当時)のPETボトル開発を進めていました。

 

そして、新しい水製品を発売するために、ブランドチームが製品コンセプトを検討していた2008年(平成20年)の夏。容器の開発チームから、軽量化に成功したPETボトルの活用についての提案があったことで、「おいしくて環境にもやさしい」水を売り出そう! ということが決まったのです。

 

その後、約1年かけて「エコを身近に」というコンセプトのもと準備が進められ、2009年(平成21年)5月に「い・ろ・は・す」は発売されました。

ちなみに、「い・ろ・は・す」のイメージカラーはグリーン。キャップもグリーンです。実は、ブルー系のカラーが多い水市場において、グリーンを採用するということはチャレンジングな試みでした。発売前に何度も消費者調査を重ねた結果、「エコ」であることが分かりやすく、さらには「クール(カッコいい)」であるという意見が多く得られたため、グリーンの採用が決まったのです。

 

エコをカッコよくて身近なものにすることに成功した「い・ろ・は・す」の発売は、日本コカ・コーラ史に残る、大きなイノベーションの一つと言えるでしょう。

さて、次回は、何度もイノベーションを繰り返し、進化を遂げてきた自動販売機の歴史をご紹介します。

(つづく)

*以前の記事は、こちらからご覧ください。
第1回 「コカ・コーラ」の日本上陸
第2回 日本の消費者と「コカ・コーラ」の出会い
第3回 「コカ・コーラ」事業自由化までの道のり
第4回 事業を発展させた技術革新と営業活動
第5回 「コカ・コーラ」と1964年東京オリンピック
第6回 「コカ・コーラ」の広告ヒストリー
第7回 コカ・コーラ社製品の多様化 その1
第9回 自動販売機の進化史
第10回 コカ・コーラ社の地域貢献活動

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