約450年の歴史を刻んできた宇治の老舗茶舗「上林春松本店」は、
茶師として培ってきた伝統を重んじながら、時代の変化を捉える柔軟な発想で、
常に消費者ニーズをつかむことに成功してきた。
「伝統と革新」────。
現代まで受け継がれる老舗茶舗のDNAと
製品開発に協力した『綾鷹』に対する思いについて、
代表の上林秀敏氏に語っていただきました。

文=柴那典
写真=鈴木泰介


ピンチをチャンスに変えてきた茶舗の歴史


──上林春松本店は創業450年という伝統を持つ老舗の茶舗ですが、その歴史の重みについてどのように捉えてらっしゃいますか?

上林 残念ながら、「歴史の重み」に対する的確な答えというのは持っていないのです。いただいた質問以外にも「上林家に生まれて歴史を継いでいくことに対してどのような心境ですか?」とか、「代表に就任する際、どのような覚悟がありましたか?」ということもよく訊かれます。でも、僕は生まれたときから現在のような環境で育ったこともあり、自分が何か特別な立場にいるとは思っていないのです。

 子供の頃は、近所の肉屋さんや魚屋さん、八百屋さんの子どもたちと遊んで育ちましたが、自分の家の商売を継いでいくのだと、みな当たり前のように思っていたことと思います。ですから、今も自分の置かれている環境に対して特別な感慨は持っていないのです。


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「上林春松本店」代表が語る
『綾鷹』誕生秘話

上林春松本店代表 上林秀敏氏



──伝統を守りながら新しい挑戦を続けるという上林春松本店の姿勢は、どのようにして培われてきたのでしょうか。

上林 初代上林春松の父にあたる上林久重が宇治に移り茶業を始めました。その後、織田信長豊臣秀吉徳川家康など、時の権力者が変わるたびに家業を存続できるかの岐路に立たされ、その都度環境に順応して家業を守ってきたという上林春松本店の歴史があります。

 その歴史を踏まえた私どもの社是が「温故知新」で、それは、古きを大切にしながら新しいことに挑戦していくということなのです。つまり、積極的に変化を求めて挑戦していこうという態度だけではなく、時代や環境に応じて生き延びていくための「変化」という側面も強かったのではないでしょうか。



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