いよいよ、バニッサさんによるレクチャーがスタートです。始めにコカ・コーラ社が掲げる長期成長戦略「Vision 2020」について説明してくれました。
大学生の社会科見学
「コカ・コーラ社の“最先端”リサーチの現場に触れてみた」

Coca-Cola®




「Vision 2020」とは、2010年を基点に2020年までに世界全体でビジネスを2倍に成長させることを目指す全世界的な戦略だそうです。バニッサさんが携わっているのは、その成長戦略に欠かせない要素のひとつである、自社製品の価値を創造し、向上させること。

 
「コカ・コーラ社の製品といえば、やっぱりコカ・コーラだけど、他にどんな飲み物を思い浮かべる?」(バニッサ)
 「うーん・・・・・・、い・ろ・は・す、ジョージア、綾鷹でしょうか?
 「さすが! 日本人は多種多様な製品を飲む民族だからね。他の国だとスプライトとかファンタが出てくるんだけど、やはり日本のマーケットは少し違うね」(バニッサ)

 こんなにもカテゴリーが多く、数多くのブランドがひしめく飲料製品のマーケットはコカ・コーラ社の製品を展開している世界中のマーケットの中でも珍しいとのこと。日本の清涼飲料業界は、年間1000種類の製品が出て、翌年残るのは1~3種類と言われるほど熾烈だそうです。競争を勝ち抜く上で大事なことは、「イノベーション、しっかり差別化をしたマーケティング」なのだと言います。

「じゃあ、イノベーションってそもそも何だと思いますか?」(バニッサ)
「未来の当たり前をつくる? ということでしょうか。今まで、なかったけど当たり前のもの。なぜなかったんだろう? って思うようなもの」(草野)
 「その通り! もうひとつ言うと、たえとえば消費者がいま、“こうなったら便利だな” “こうなれば苦労しないのに”と感じている問題や課題を解決するということです」(バニッサ)
  
 バニッサさんによると、イノベーションには小さなイノベーションと大きなイノベーションの2種類があると言います。小さなイノベーションの例を挙げると、スーツケースにキャスターが付いたこと。昔は、キャスターがないトランクが当たり前でしたが、キャスターが付いたことで移動が楽になり、生活が便利になり、以降当たり前のように付属されるようになりました。
 また、大きなイノベーションの例は、iPodを開発したのと、同時にソフトウエアとしてiTunesを備えたこと。音楽をいつでもどこでも購入できて、その楽曲の編集権を消費者に与えてしまったことは、音楽の聴き方そのものを変えてしまいました。
 もちろんコカ・コーラ社にもイノベーションはあります。コカ・コーラ社は、日本で、清涼飲料の自動販売機の開発と展開の最前線にいるのです。自動販売機の登場は、消費者の清涼飲料製品の購入スタイルそのものを変えてしまいました。
  
「自動販売機なんて今では当たり前だし、考えてみればペットボトルも昔はなかったんですよね。これらのイノベーションは、時代と消費者行動を変えてしまう・・・・・・こんなブレイクスルーを起こす発想って、マーケティング調査だけで見つかるものなのでしょうか?」(草野)
 「良い質問ですね。イノベーションの種は、単なるひとつの消費者調査では見つけられません。大事なのはインサイトを見つけること! インサイトこそが、イノベーションのスタートなのです!」(バニッサ)