文=ザ コカ・コーラ カンパニー

民間企業の物流網を最大活用


その物流網の力で、世界中どこにいてもコカ・コーラのボトルを見かけることができる。であるなら、救命医療品の配送にも可能性があるのではないか?

この重要な問いがきっかけとなり、2010年、ザ コカ・コーラ カンパニーや世界エイズ・結核・マラリア対策基金、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などの官民が連携したプロジェクトが発足しました。その名も、「ラストマイル・プロジェクト」。このプロジェクトは、コカ・コーラシステムが持つサプライチェーン、流通、物流、マーケティングの知見を活用し、アフリカ各国政府がアクセス困難なへき地までの「ラストマイル」(最終地点に届くまでの最後の区間)へ必須医薬品や医療物資を供給することを支援するため、タンザニアで発足したものです。発足から3年後の2013年には、プロジェクトのカバーする地域はガーナまで拡大しました。

ラストマイル・プロジェクト」の共同出資者と米国国際開発庁(USAID)は、先日、今後5年間で、モザンビークを皮切りにアフリカ8ヵ国にまで提携範囲を拡大する意向を発表しました。この提携を通じ、「ラストマイル・プロジェクト」の共同出資者とUSAIDは、新たに2,100万米ドル超を共同出資し、相当量の物的資源を提供する予定です。

ザ コカ・コーラ カンパニーのムーター・ケント会長兼最高経営責任者は次のように述べています。
ザ コカ・コーラ カンパニーにとって、アフリカは85年以上にわたってご愛顧をいただいている大切なお客様です。そこで、アフリカの人々がより健康的かつ活動的な生活を送ることができるように支援する取り組みを行っています。当社の知見が、医薬品・医療物資配給の改善に役立つのであれば、これほど光栄なことはありません。人命の維持や人々の生活の充実に役立つ医薬品を、より多くの人へ行き渡らせる一助となれば幸いです」

へき地での医薬品の入手確率が大幅に改善


この取り組みは、イェール大学グローバルヘルス・リーダーシップ研究所とアクセンチュア・デベロップメント・パートナーシップ部門、地球環境技術財団 (GETF)の専門知識と、提携企業4社の資源を相互補完します。提携企業は、必須医薬品や医療物資の調達と流通を担う政府担当諸機関内に、医薬品の需要を予測して、より市場で入手しやすくする方法を構築したり、医薬品およびワクチンを適温で保管するための冷却装置の管理ノウハウを構築します。

タンザニア医薬品供給庁長官のCosmas Mwaifwani氏は次のように述べています。
「今回のプロジェクトをきっかけに医薬品供給庁内で専門的な取り組みを始めたことで、計画/流通/実績管理のプロセスを改善することができました。その結果、必須医薬品をタンザニアの全国津々浦々に、安定的に供給できるようになったのです。2010年に官民連携を開始して以来、直接配給制度を導入した地域では、医薬品がグンと入手しやすくなりました(医療クリニックでの入手確率が2~3割改善)。さらに、提携企業の流通ツールを共有したことで、5,500ヵ所の医療機関へ効率的に医薬品を配布できるようになったのです」

世界保健機関(WHO)によれば、アフリカで暮らす約半数の人々が必須医療品を入手できないそうです。理由としては、非効率なサプライチェーン、インフラの不整備、限られた輸送資源によるところが大きいということ。

世界エイズ・結核・マラリア対策基金の事務局長であるマーク・ダイブル氏は次のように述べています。
「このプロジェクトの提携企業と協力者はみなで力を合わせ、必須医薬品や医療物資をアフリカのへき地へ提供するという課題のソリューションを生み出しています。私たちは共に、保健省の代わりに、公共医療クリニックに医薬品を届けるための革新的、かつ、効率的な方法を提供するのです」