文=コカ・コーラ ジャーニー編集部


■単にカッコイイだけじゃないパビリオン

コカ・コーラ社がミラノ万博に出展した企業パビリオンは、単にカッコイイだけの建物ではありません。環境にやさしい材料や革新的な技術を駆使して、世界最高水準のサステナビリティ(持続可能性)を実現した「魔法の箱」なのです。

ミラノ万博の会場の中心、イタリア館やレイクアリーナ(オープンスペースと池を配したイベント会場)のすぐ近くに位置するコカ・コーラ社のパビリオンの第一の見どころは、ずばり、素材。木、ガラス、水といったエコな材料が、シンプルでありながら個性的な形状の建物に自然の命を吹き込んでいます。

長さ30メートル、幅25メートル、高さ12メートルの直方体で、総面積は1000平方メートルというコカ・コーラ社のパビリオンの根底に流れる理念は、地球上の自然資源への敬意と感謝。その理念を表すかのように、パビリオンそのものが建築技術と建築デザインと自然(木、ガラス、水、そして植物という4種類の材料)の完璧な調和という「魔法」を体現しています。

そしてパビリオンの中に入ると、コカ・コーラ社のサステナビリティへの取り組みを楽しく紹介する体験型の展示が待っています。内装に自然原料の素材感やナチュラルな色彩が活かされており、各所に配置された照明の効果が、洗練された印象をつくり上げています。
建築デザイン、エコ技術and more……
これがコカ・コーラ社のミラノ万博パビリオンの見どころだ!
The Coca-Cola Pavilion at Expo 2015: An Eco-sustainable “Magic Box”

建物の北側は大きな窓と木製の日よけ板で構成されており、その上に巨大な「コカ・コーラ」のロゴが掲げられています。一方南側には、木製の板の代わりに「コカ・コーラ」ボトルのシルエットをかたどった赤い旗が並びます(『コカ・コーラ』の象徴となっているガラス製のボトルは、2015年にちょうど100周年を迎えます)。また、建物の東西のガラス壁は、水が流れ落ちるようになっており、見る者に躍動感を与えています。
建築デザイン、エコ技術and more……
これがコカ・コーラ社のミラノ万博パビリオンの見どころだ!
The Coca-Cola Pavilion at Expo 2015: An Eco-sustainable “Magic Box”

建物の屋根は完全に植栽で覆われていて、空気を取り込む「肺」の役割を果たします。このような点からも、このパビリオンが美観とサステナビリティを見事に体現していることが見てとれるでしょう。


■省エネなのに快適な空間!

コカ・コーラ社のパビリオンでは、エネルギーを可能な限り節約して環境への負荷を減らし、その上で人々が快適に過ごせるような工夫がこらされています。

東西の出入口は開放され、換気システムとしての役割を果たします。東西のガラスの壁を流れる水は、建物に躍動感を与えるだけでなく涼味も加えることで、快適な空間をつくり出すことに寄与しています。また、建物の北側と南側に並ぶ可動式のガラスパネルを調整すると、自然な冷房効果が得られ、エアコンの使用が抑えられます。

さらに、植物に覆われた屋根はヒートアイランド効果を軽減します。屋根の植物は現地由来の種類で、水を少ししか必要としません。植物と雨水を浸透させる層を組み合わせることで十分な断熱効果が得られ、ここでもエアコンの使用が抑えられます。パビリオンの周囲にも植栽エリアがあり、快適な空間をつくり出すことに一役買っています。


■自然光を積極活用

建物の外周が大きな窓に囲まれているおかげで、パビリオンには自然光がふんだんに入ってきます。一方で、日当たりの具合は各種の高機能ガラスによって調整が可能。建物の外側に並ぶ「コカ・コーラ」ボトルの形の旗は、ブランドを存分にアピールするだけでなく、日よけの役割も果たします。また、人工照明には省エネ型の電球や最新のLED技術を用いることで、環境に対する配慮がなされています。


■ミラノ万博後も「魔法」は続く!

パビリオンが体現している地球上の自然資源への敬意と感謝に基づく「サステナビリティ」の哲学は、環境負荷の少ない建築技術の使用と、建物の再利用を視野に入れた設計にも表れています。パビリオンはたった5台のトラックで運搬できるモジュールで構成されており、乾式工法※で建てられます。建物は現場で簡単に組み立てられ、解体も素早くできるように設計されているのです。
建築デザイン、エコ技術and more……
これがコカ・コーラ社のミラノ万博パビリオンの見どころだ!
The Coca-Cola Pavilion at Expo 2015: An Eco-sustainable “Magic Box”

コカ・コーラ社のパビリオンは、2015年のミラノ万博終了とともに「ライフサイクル」の終わりを迎えるわけではありません。再利用・リサイクル可能な建築を用いるというミラノ万博の方針にも沿う形で、解体して再利用できるのです。建物はバスケットボールコートがそのまま入るサイズで設計されており、将来的には、さまざまなスポーツに活用できる現地コミュニティのための新しい施設に生まれ変わる予定です。ミラノ万博後にミラノ市がパビリオンの「恩返し」を受けられるなんて、これもサステナビリティの素敵な「魔法」ですね!

※乾式工法:水を必要とするコンクリートやしっくいを使わずに、構造物を現場で組み立てる工法。「湿式工法」と比べて、一般的に工事の手間や期間が短くて済む。