「ワークライフバランス」に代わるコンセプトとして、しばしば聞かれるようになった言葉「ワークライフインテグレーション」をご存知だろうか? 仕事もプライベートも人生の大事な一部であるため、両者を分離してバランスを取ろうとするのではなく、統合(Integration)して双方の高い充実を目指そうという考え方だ。米国の西海岸を中心に広まったものだが、日本ではまだ定着しているとは言い難い。しかし、日本
*ミレニアル世代……1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代を指す言葉。小さい頃からデジタル端末やソーシャルメディアに触れているので、「デジタルネイティブ」とも呼ばれ、ビジネスシーンに新しい価値観をもたらすのではないかと注目されている。
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第1回 若手から会社を変えていく!新プロジェクト「ミレニアル・ボイス」の全貌
第2回 キーワードは「巻き込む力」「目的意識」「ポジティブ」。グローバルサミットで見えてきた、次世代
■電話会議に子どもの声、は当たり前
午前9時55分。Tシャツ姿の
「今日は密着取材をしていただけるということで、これを広めようと思って……」
彼の胸には「Millennial Voices Japan(通称:ミレニアル・ボイス)」と書かれたロゴ。日本
4歳の息子を保育園に送り届けてから少し遅めの出社をした
「『
メールよりも情報を発信しやすく、短文でのやり取りに向いているため、
社内コミュニケーションの量が増え、スピードも上がった
12時のランチタイム。出張で日本にやってきた韓国
午後1時からはアジアパシフィック地域のマーケティング担当者らと電話会議。天気が良かったので、気分転換にテラスからネットにつないだ。中国やインド、オーストラリアなどの
出社必須の会議がない日は、在宅勤務にすることもあるという
この日は昼間の会議だったが、グローバルに仕事をしている
「今週は3回、家で会議をしました。その間は妻に子どもを見てもらっていますが、部屋のドアに鍵が付いているわけではないので、たまに子どもが入ってくることもあります。でも、他の国のメンバーも似たような感じ。互いに理解し合っているので何の問題もありません。むしろ子どもの声が聞こえるくらいのほうが、みんなリラックスできていいんですよね」
この日は午後2時と3時にも会議があった。複数のプロジェクトを同時に抱えているが、優先順位を付けながらうまくこなしている。仕事中、疲れた様子などは一切見せない。先輩社員ともフランクに会話を交わし、むしろ笑顔でいることのほうが多いくらいだ。
「何事もクイックに」というモットーを有言実行している
■家事も仕事もきっちり分担。その姿を子どもにも見せる
家でも仕事のことを忘れず、会社でも家族のことを忘れない
「うちは『家事は半分ずつ』が原則。妻が洗濯機を回したら、僕が洗濯物を干します。僕が子どもを風呂に入れたら、妻が着替えを担当します。料理は妻が得意なのでまかせていますが、その代わりに食器洗いは僕がやる。夫婦で一つのチームだと思っています。共働きだった両親も、同じようにしているのを僕はずっと見てきました。自分もそういう家庭を築きたいと思ってやっているだけで、これが特別なこととはまったく思っていません。ただし、家事をしている姿を子どもに見せるようには意識しています。男女関係なく、仕事も家事もできるんだよということを、子どもに伝えたいから」
マレーシアとシンガポールで少年時代を過ごした
「気をつけているのは、食事の時間に仕事のメールを見たりしないということですね。そこは家族の時間なので。ただし、仕事はしなくても仕事の話はします。仕事は人生の大事な一部で、自分の生活と分けるものではないからです。妻の仕事の話も聞きますし、子どもにも『今日は保育園で何があった?』と聞きます。子どもにとっては保育園が仕事ですから」
午後5時半。
「子どもはどんどん大きくなる。たまに出張などで数日会わないだけでも、『成長したな』と感じます。僕は子どもの成長を全部見ていたいから、少しでも一緒にいられるように、仕事を頑張ろうと思えるんです」
働く時間と場所を自分でコントロールすることが、
「僕にとって家族は生きる原動力。いつも、家族との時間をいかにつくるかを考えて仕事をしています。それはこれからも変わりません」
最近の家での大きな仕事は子ども部屋づくりという
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