今年、発売10周年を迎える「綾鷹」「綾鷹 にごりほのか」がリニューアル。
それを記念して行われたイベントに登場した
スポーツ解説者、プロフィギュアスケーターの織田信成さんに、
お茶の話からフィギュアスケートの話まで、色々とうかがいました。

文=田澤健一郎
写真=村上悦子織田信成さん

 

3月20日から22日までの3日間、リニューアルした「綾鷹」「綾鷹 にごりほのか」のお披露目イベント「『綾鷹』大花見茶会」が東京ミッドタウンで開催されました。かつて豊臣秀吉が客人をもてなすために開催した茶会「醍醐の花見」をイメージした会場で、多くの人が新しい「綾鷹」の味を楽しみました。

そのイベントの初日に登場したのが、スポーツ解説者、プロフィギュアスケーターの織田信成さん。イベントでは、ナレーターのクリス・ペプラーさんとともに、「綾鷹」の開発協力者である京都・宇治の茶舗「上林春松本店」の上林秀敏代表がいれたお茶を楽しみました。

ところで、織田信成さん織田信長の末裔であることはよく知られていますが、実はクリスさんも、本能寺の変で織田信長を討った明智光秀の子孫であることが最近、正式に判明したばかり。また、「上林春松本店」は450年の長い歴史の中で豊臣秀吉に重用された御茶師の家系を継ぐ老舗茶舗。そうなのです、今回のイベントは、織田家明智家の末裔同士が、「綾鷹」のもてなしによって実に435年のときを超えて“和解”するという世紀の茶会だったのです。ただでさえお茶好きだという織田さん、それはそれは、終始ご満悦でした。

織田信成インタビュー@「綾鷹」大花見茶会 信長の末裔、日本の「お茶」と「フィギュア」を大いに語る

リニューアルした「綾鷹」「綾鷹にごりほのか」のPETボトルは
伝統的な湯呑みを再現した形状

 

■海外遠征後は必ず緑茶で一息

──明智家の末裔、クリス・ペプラーさんとの歴史的和解、おめでとうございます(笑)。

織田 ありがとうございます(笑)。

──緊張しましたか?

織田 クリスさんとは初対面だったので、ドキドキしましたが、上林さんにいれていただいたお茶で和みました。

──どんな味だったのでしょう?

織田 今までに飲んだことのない柔らかな味で、こんなお茶を毎日飲んでいたら性格も穏やかになるかも、と思いました。お茶を最もおいしくいただける最適な温度で飲めるようにと、湯冷まししたお湯(約80℃)でいれてくれたのも印象に残っています。

──まさに「もてなしの心」が感じられましたね。

織田 「お二人に同じ味を楽しんでいただきたい」と、二人の湯呑み茶碗に、少しずつ交互に手際よくお茶を入れていくのも「もてなし」でしたね。

──無駄のない動きは、ある意味、トップアスリートのようでした。

織田 熟練の技、なんでしょうね。

織田信成インタビュー@「綾鷹」大花見茶会 信長の末裔、日本の「お茶」と「フィギュア」を大いに語る

沸騰したお湯をいきなり急須に注ぐのではなく、
一度「湯冷まし」という道具に移して適温にしてから、急須に注ぐ。
家庭に湯冷ましがない場合は、湯呑みで代用可

──織田さんはもともと緑茶がお好きだとうかがっています。

織田 食事のときは基本的に緑茶をいっしょに飲みますし、「綾鷹」を持ち歩くことも多いですよ。

──緑茶党になったきっかけはありますか?

織田 僕の家は昔から和食中心だったので、自然と食事には緑茶を合わせるようになったんです。現役時代は海外遠征が多かったんですけど、遠征帰りには日本に帰ってきたことを実感したくて、空港で緑茶を飲んだりしていました。

──空港に到着してすぐ飲んでいたんですか?

織田 はい。飛行機を降りると、すぐに自動販売機などで買って(笑)。

──海外だと「緑茶っぽい飲みものを見つけて買ったら甘いお茶だった」みたいなこと、ありますしね。

織田 日本のものとは味が違いますよね。だから海外遠征で緑茶を飲める機会があると、心が和らぎました。僕にとって緑茶と白いご飯は、「日本人で良かった」と思えるもののツートップですね。

織田信成インタビュー@「綾鷹」大花見茶会 信長の末裔、日本の「お茶」と「フィギュア」を大いに語る

イベントに紋付袴姿で登場した織田信成さん

──「綾鷹」の開発協力をしている上林春松本店は、創業450年を超える宇治の老舗茶舗。宇治には織田さんのご先祖である信長公が見初めた茶畑があります。織田家上林家は縁が深そうですね。

織田 ええ。実は今の僕の家も京都寄りの大阪でして、宇治も近いんです。何か縁を感じますね。

──イベントで、上林さんは自身の緑茶づくりについて、老舗であっても、「現状維持は退化に等しい」という気持ちで、常により良いお茶づくりに挑戦していかなければならない、とお話されていました。これはアスリートにも通じる話に感じましたが、いかがですか?

織田 現役時代は同じようなことをコーチに言われていました。現状に満足せず、もっと良くしよう、もっと成長しようという気持ちが大事なんだ、と。僕の現役時代、特に2010年バンクーバーオリンピックから2014年ソチオリンピックまでの4年間って、フィギュアスケートという競技自体がすごい勢いで進化した時代だったんです。

──採点方法やルールの変更などもありましたしね。

織田 4回転ジャンプを跳ぶ選手がどんどん増えていって、自分もどんどん進化していかないと、置いていかれるような状況でしたね。

 

■お茶とフィギュアに共通する「もてなしの心」

── 一方で、お茶ではいわゆる「もてなし」という、相手のことを思う心も大切です。フィギュアスケートにおいても「もてなしの心」を意識する場面はあるのでしょうか?

織田 フィギュアスケートは魅せるスポーツでもあるので、「観客を楽しませる」という意味において「もてなし」と言えるのではないでしょうか。一方で、競技の場合は、審判のことを第一に考えますね。フィギュアスケートはエンタテインメント性も高いですが、勝ち負けが点数ではっきり決まるスポーツでもあります。勝つためには、0.01ポイントでも他の選手より上回らなければなりません。だから僕の場合は、会場に入ったらまず審判の位置を確認し、視線の動きを計算し、審判から見えやすい位置を考慮してプログラムを決めていました。しかし、採点のことばかり考えていると味気ない演技になってしまうので、審判を念頭においたうえで、観客にもアピールをしなくてはいけません。もちろん、審判も人間ですので、心で感じることもあります。だから、技術の良し悪し以外の点でも感動を与え、良いスケーターだなと思ってもらえるような演技を心がけていました。

──なんだか、相反する二者を相手にしているようですね。

織田 360度あらゆる角度から、自分が観られているような感じですよ。

──「観ている人に楽しんでもらいたい、感動してもらいたい」という点は、フィギュアスケートもお茶も同じかもしれませんね。

織田 そうですね。僕も国や会場によって、観客に伝わりやすいように演技を微調整していました。

──たとえば?

織田 海外だと、僕がどんなスケーターかよく知らないお客さんも多いので、手の振りを少し大きめにしたり、表情もいつもより少し長くキープしたり。より演技が伝わりやすくする努力というか。

──プログラムの意図や演技の特徴的な部分をより強調する感じですね。

織田 あくまで自分の意識の中でのことなので、一般の方はあまり違いが分からないかもしれませんが。北米はお客さんのノリも良く、会場もスケートリンクと観客席が近いのでけっこう伝わりやすいんですけど、ヨーロッパは観客席が遠い会場もあったので、より強く意識していました。

織田信成インタビュー@「綾鷹」大花見茶会 信長の末裔、日本の「お茶」と「フィギュア」を大いに語る

「同じ表情をしても、日本人と海外の人では伝わり方が違うことも多い」
と語ってくれた

 

■若い選手たちの進化に注目してほしい

──やはり国内トップレベルの選手は、いろいろ細部までこだわって戦っているんですね。フィギュアスケートは、日本代表選手にとっての最大の戦い、平昌オリンピックまで1年を切りました。解説者の目で見て、注目の選手を教えていただけますか?

織田 本田真凛選手ですね。先日の世界ジュニア選手権でも2位。若さと勢いが感じられて期待がもてます。

──王者・羽生弓弦選手はいかがでしょう?

織田 羽生選手こそ「常に進化を続けている」選手の典型。それが、彼の強みです。昨季はプログラムに組み込む4回転ジャンプの数や種類も増やしており、さらに上を目指す情熱が年々、高まっている印象です。その気持ちがある限り、最強だと思います。

──羽生選手からは具体的に「どこを進化させよう」という意図を感じますか?

織田 彼の優れている点は、難しい4回転ジャンプを跳びながら音楽を表現できることなんです。いわば、ジャンプそのものが音楽表現にもなっている。昨季、彼は演技構成の難度をさらに上げていました。構成の難度を上げるのって本当に大変で、選手は、ついジャンプを成功させることに集中してしまいがちなんです。ところが彼は、自分ができる最高難度のジャンプ構成を、音楽表現の域までもっていこうと試みていたように見えましたね。

──まさに「情熱が年々、高まっている」。

織田 スポーツの世界で大事なのはモチベーション。それをキープし続けるのはすごく大変なことです。羽生選手はそれができるし、フィギュアスケートへの愛情もある。強いですよ。

──そんな羽生選手を追いかける選手たちの成長も楽しみですね。

織田 今、フィギュアスケートは若い選手たちがどんどん台頭してきているので、ぜひ注目してほしいです。最初は「あの選手、素敵だな、カッコイイな」といった印象から入ってもいいんです。そこからフィギュアの面白さ、魅力を知ってもらえたら嬉しいですね。

 

織田信成インタビュー@「綾鷹」大花見茶会 信長の末裔、日本の「お茶」と「フィギュア」を大いに語る

おだ・のぶなり / 1987年生まれ。織田信長の17代目の末裔として注目され、世界一と評される柔らかく美しいジャンプを武器に2005年の世界ジュニア選手権で日本人男子として二人目のチャンピオンとなる。 08年の全日本選手権では初優勝。09年はグランプリシリーズ2連勝、ファイナルで2位となりバンクーバーオリンピック代表内定。オリンピック初出場で7位入賞を果たした。13年に現役引退後は、スポーツ解説者、プロフィギュアスケーターとして活躍中。

 

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