日本全国で事業展開をするコカ・コーラ社と
全国各地の地域社会のさまざまなつながりを描いていく
シリーズ企画「POWER OF COMMUNITY」。
4回目は、東日本大震災被災地の中・高校生の教育支援を目的に実施された
ホームステイ研修プログラムについて描いていきます。

文=大山貴弘
写真=下屋敷和文

POWER OF COMMUNITY
わたしたちの地域とコカ・コーラの「未来志向」な関係
第4回 被災地の未来につながる「研修プログラム」

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第4回 被災地の未来につながる「研修プログラム」

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第4回 被災地の未来につながる「研修プログラム」

TOMODACHI サマー コカ・コーラ ホームステイ研修プログラムに
参加した中・高生たちの記念スナップ


「夢をつかむために参加した研修プログラム」

“これは自分を変えるチャンス”
 「TOMODACHI サマー2012 コカ・コーラ ホームステイ研修プログラム」の存在を知ったとき、岩手県立釜石高等学校2年生(当時)の葈澤詩穂(からむしざわ・しほ)さんは、そう直感した。人前に出るのが苦手で、いつも誰かの意見に従っている。葈澤さんは、そんな自分が嫌いでしようがなかった。このプログラムに参加できれば自分を成長させられる、自分が変わるきっかけを手にできる。彼女は、そう思った。 

 「小学4年生の時から英会話を習っていて、いつか海外に行って外国の人と英語で会話をすることが夢でした。でも、2011年に震災があって、家庭も経済的に厳しくなって『もう海外渡航はムリだな』って諦めかけていたときに、ホームステイ研修プログラムに出会ったんです」(葈澤さん) 

 「TOMODACHI サマー コカ・コーラ ホームステイ研修プログラム」。これは、震災被災地(岩手県、宮城県、福島県)の中・高校生たちの教育支援を目的にしたアメリカホームステイ研修である。主催者である公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団(コカ・コーラ復興支援基金【*1】)に選抜された高校生たちが参加可能で(応募は自主性)、アメリカ国内でのホームステイの他、英語研修や各種アクティビティ(滞在地域での大学訪問、ボランティア活動やスポーツ交流など)を体験する。実施団体は、文部科学省所管の社団法人日本国際生活体験協会(EIL)。2012年から2014年までの3年間にわたり、高校生をホームステイ研修に派遣する計画で、葈澤さんは2012年、同プログラムに参加した。 

 「何もかもが、新鮮でした」(葈澤さん) 

 約3週間のオレゴン州セイラムでのホームステイ体験を、葈澤さんはそう振り返る。現地では、初めて会った人でも気軽に声をかけてくるアメリカ人たちの姿に戸惑い、自信を持っていた自分の英語が小さい子どもには通用しないことにショックを受けた。「殻にこもってちゃダメだ」(葈澤さん)。葈澤さんは、異文化と接する中で出現する「壁」の一つひとつを乗り越えることに専念したという。

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第4回 被災地の未来につながる「研修プログラム」

葈澤詩穂さん


 「刺激を受けたのはアメリカ人からだけじゃありません。プログラムに一緒に参加した、他の高校生たちからもすごく刺激を受けました。みんな意識が高くて、自分の意見をちゃんと主張できる人たちばかり。私も、もっと自分の意見を自分の言葉で伝えていけるようにならないと世界では通用しないなって思うようになりました」(葈澤さん) 

 人前に出るのが苦手だったという彼女も、帰国後は、ホームステイ報告会や東北の未来について語り合う「東北未来リーダーズサミット」などに参加、自分から積極的に発信・発言できるようになった。そして「外国の人と英語で会話してみたい」という小学生の頃からの夢も、より具体的にイメージできるようになった。 

 「将来の夢は、留学コーディネーターになることです。いろいろな人のサポートのおかげでアメリカにホームステイに行くことができたので、今後は私が支える側になって海外に行きたいと思っている人をサポートしていきたい。これからの東北の復興のためにも、日本と外国の架け橋になる人になりたいって思います」(葈澤さん) 

世界の人に震災のことを知ってもらいたい 

 夢のきっかけをつかむ人がいれば、自分の「役割」に気づかされる人もいる。これも、「TOMODACHI サマー コカ・コーラ ホームステイ研修プログラム」の特徴だ。
 岩手県立不来方高等学校2年生の太田古都さんは、「使命感」に突き動かされて2013年の同プログラムに参加した一人。「こんな辛いことは、他の人に味わって欲しくない。だからこそこの体験を、少しでも多くの人に伝えなければならない」(太田さん)という思いが、「TOMODACHI サマー コカ・コーラ ホームステイ研修プログラム」に参加するきっかけになった。
 太田さんはプログラムに参加して、当初の目論見通り自身の被災体験をホームステイ先の家族に伝えることができた。東日本大震災に遭遇したとき、太田さんは中学2年生だったこと。地震により校舎が半壊してしまったので柔道場を仮設の教室にし、冬は底冷えし、夏は蒸し風呂のように暑い環境下で勉強したこと・・・・・・。拙い英語で一生懸命伝えた。 

 「私を受け入れてくれたホストファミリーはラジオのニュースで東日本大震災のことを知ったそうです。私が震災のことを話すと、ファミリーのお母さんは、辛い記憶であろう離婚した夫の話をしてくれました。話した後、『地震の本当の怖さを知っているのは体験者だけ。周りの人に話すのはあなたのミッションだよ』って言ってもらえた」(太田さん)

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第4回 被災地の未来につながる「研修プログラム」

太田古都さん


 ミッションを果たしただけじゃない。「日本での生活にどこか息苦しさを感じ、中学の頃から海外留学に憧れていた」という太田さんは、3週間のホームステイ体験を通して、もっと英語を勉強したいと思えるようになった。そして、海外の大学に進学したいという思いもより強くなった。 

「日本では、人と違うことをするだけで目立つし、変わり者と見られることもあります。でもアメリカでは、人がそれぞれ違うのは当たり前で、それが個性だと言われます。違いを人間性の一部として尊重してもらえる。そこがアメリカの良いところだと感じました。ホームステイ時、ホストファミリーの方たちには私のパーソナリティを認めてもらえた気がして、とても大きな自信になりました」(太田さん) 

 

ホームステイ経験が「被災地の未来」を照らす 

 「TOMODACHI サマー コカ・コーラ ホームステイ研修プログラム」の主催者であるコカ・コーラ教育・環境財団の吉田智子さんは、「東北三県の高校生たちにグローバル体験をしてもらうことによって視野を広げ、自分の将来の夢の実現につなげてもらいたい」と語る。ホームステイ研修に自ら帯同し、異文化の中で挑戦し成長する生徒たちの姿を目の当たりにしてきたからこそ抱く思いだ。 

 「このプログラムは、学校の修学旅行などと違って、生徒一人ひとりが自ら応募し、参加しています。初対面のメンバーと一緒にプログラムに参加するということ自体も大きなチャレンジです。メンバーやホストファミリーと自身の被災体験を話し合うことが癒しの一つのきっかけになる人もいますし、さまざまな被災経験をしている人の存在を知って、震災の記憶を共有知とし、もっと人々に伝えていかなければという意識が芽生えることにもつながります」(吉田さん) 

 この吉田さんの存在が強く影響し、葈澤さんや太田さん同様、今回のプログラムを経て「自信」というかけがえのないものを得た高校生もいる。岩手県立福岡高等学校2年生の佐藤美咲さんだ。
 自身が参加した2013年のプログラムでは、アメリカのホームステイ体験はもちろん、参加する高校生たちをサポートする人の姿にも彼女は大きな影響を受けた。

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第4回 被災地の未来につながる「研修プログラム」

佐藤美咲さん


 今までは、失敗することが怖くて、難しそうなことには初めから手を出さなかったという佐藤さんだが、アメリカでのホームステイプログラムを経て、失敗を恐れない自分を手に入れたと話す。 

 「とりあえず3週間、アメリカにいるときだけでいいからフレンドリーな人になってみようと思って(笑)、ホストファミリーに自分から話しかけるようにしました。たとえばうまく英語が話せなかったとしても、案外どうにかなることを知りました。できなくても、とりあえずやってみることが大切なんだなって、ホームステイ体験を通して実感しました」(佐藤さん) 

 「TOMODACHI サマー コカ・コーラ ホームステイ研修プログラム」に参加した葈澤さん、太田さん、佐藤さんの3人が口をそろえて語るのは、ホームステイプログラムを経験した結果、大きな自信を得られたということ。ホームステイ先のホストファミリーとの交流や、現地でのボランティアなどさまざまな活動、一緒にプログラムに参加する高校生たちとのチームプレイを通して、自分が成長したという手応えを得ることができたという。その達成感が自信につながっているということが、彼女たちの力強い言葉の端々から伝わってくる。
 アメリカから持ち帰った経験と自信はいつか、彼女たちの人生に大きな果実をもたらすだろう。そして、その果実は、そのまま被災地の未来に花を咲かせることになるだろう。

TOMODACHIサマー2014 コカ・コーラホームステイ研修プログラム

1 「コカ・コーラ復興支援基金」は、東日本大震災によって被害を受けられた被災地の復興支援を目的に、日本コカ・コーラ株式会社の親会社に当たるザ コカ・コーラ カンパニー(本社:アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ)により公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団内に設立された。同基金は、同財団の活動理念に基づき、被災した子どもたちの生活復興に必要とされる教育施設をはじめ、さまざまな復興支援事業を行っている。また、同基金は全国のボトラー社による物資提供(500mlペットボトル換算で700万本以上)と義援金を通じた支援努力をさらに強化するもので、震災に対するコカ・コーラ社による支援総額は25億円以上となる。