日本全国で事業展開をするコカ・コーラ社と
全国各地の地域社会のさまざまなつながりを描いていく
シリーズ企画「POWER OF COMMUNITY」。
第5回目は、一度閉校になりながら
地元(北海道夕張郡栗山町)の人々の熱意とコカ・コーラシステムの支援で蘇った
「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」について描いていきます。

文=山田清機
写真=松本昇大

すべてはオオムラサキから始まった

 外壁を赤く塗られた木造2階建ての校舎が、純白に輝く新雪とひときわ鮮やかなコントラストを見せている。ここは北海道夕張郡栗山町にある、「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」。北海道における環境教育の一大拠点であり、栗山町の子どもたちはもちろん、日本全国、いや世界中から人々が集まってくる。

 「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」(以下、環境ハウスと略)は、いくつかのストーリーが奇跡的に重なり合う中から誕生した。その原点には、日本の国蝶・オオムラサキの発見があった。

 環境ハウスを運営する
NPO法人雨煙別学校の理事を務める高橋慎さんが、栗山町の御大師山(おだいしやま)でオオムラサキを発見したのは1985年のこと。小学校の職員だった高橋さんが理科の副読本をつくるために御大師山の調査をしているとき、偶然、目の前をオオムラサキが横切ったのだ。これは、栗山町で初めての発見であるばかりでなく、オオムラサキの北東限での発見でもあった。

 「副読本に載せるためには、将来にわたってオオムラサキの生息が保証される必要がありました。そこで、この蝶を守り育てるために、町民有志が『オオムラサキの会』を立ち上げ、食樹であるエゾエノキの植樹などを始めることになったのです」(高橋さん)

POWER OF COMMUNITY
わたしたちの地域とコカ・コーラの「未来志向」な関係
第5回 次世代人材育成のために蘇った学校

POWER OF COMMUNITY
わたしたちの地域とコカ・コーラの「未来志向」な関係
第5回 次世代人材育成のために蘇った学校

POWER OF COMMUNITY
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第5回 次世代人材育成のために蘇った学校

POWER OF COMMUNITY
わたしたちの地域とコカ・コーラの「未来志向」な関係
第5回 次世代人材育成のために蘇った学校

雨煙別小学校(現環境ハウス)は道内最古の木造2階建て校舎の一つ。
開校は明治時代にまでさかのぼる。


 これが、栗山町の環境保護活動の出発点となる。その後、1989年に御大師山が環境庁(当時)から「ふるさといきものの里」として選定されたこともあって、栗山町では環境教育に対する熱が徐々に高まっていく。

 1999年には、環境庁の支援を受けてハサンベツ地区の土地、24haを購入。官民協働で「ハサンベツ里山20年計画」を立案し、離農跡地として荒れるに任されていたハサンベツの沢田んぼ(沢を流れる小川に沿って細長く田畑が続いている土地)を、町民が主体となって川や池での生物観察や、薪割り、炭焼き、間伐などの里山体験ができる環境教育のフィールドとして整備してきた。

 「里山」という概念のなかった北海道にこうした環境教育のためのフィールドがつくられたことは画期的なこと。この画期的な出来事をきっかけに、前出の高橋さんら町の有志の手によって、ハサンベツ里山を舞台とした、多彩な自然体験プログラムがつくられていくことになる。




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