コカ・コーラ カンパニー 最高経営責任者(CEO) ジェームズ・クインシー

コカ・コーラ カンパニー(米国本社)は、2018年第1四半期決算で好調な成長ぶりを示しました。「清涼飲料のポートフォリオは、多様な消費者の嗜好に合わせてどんどん拡大しています。それをけん引しているのが、パフォーマンスを重視する成長志向の企業文化です」。先月開催されたアナリスト向けの説明会で、同社の社長兼最高経営責任者(CEO) ジェームズ・クインシーはこのように語りました。

それでは、ザ コカ・コーラ カンパニーの2018年第1四半期の業績に関するハイライトをご紹介しましょう。

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文=『Coca-Cola Journey』グローバル版編集部

 

■「総合飲料企業」としてあらゆる側面で成長を実現

続々と成果を出し始めた成長戦略。ザ コカ・コーラ カンパニー 2018年第1四半期の業績ハイライト

コカ・コーラ カンパニーの全世界での合計販売数量は3%増、既存事業の売上高は5%増でした。2017年から続けてきた、「総合飲料企業」を目指す基盤づくりが功を奏し、すべての主要製品カテゴリーで業績成長を実現。「あらゆる市場に言えることですが、特に先進国市場において、消費者は清涼飲料のより幅広い選択肢を求めています。そのときどきの気分、状況、目的に合わせた多様なラインナップが期待されているのです」(クインシー)。

続々と成果を出し始めた成長戦略。ザ コカ・コーラ カンパニー 2018年第1四半期の業績ハイライト

北米市場で大々的なリニューアルを敢行した「ダイエット コカ・コーラ」は、早くも飛躍の兆しを見せています。若年世代に向けた新フレーバー、パッケージデザイン、マーケティングキャンペーンの投入により、「ダイエット コカ・コーラ」は北米市場で2010年第4四半期以来初のプラス成長を記録。「まだ始まったばかりですが、消費者の方々の反応を心強く思っています。当社のチームが業績改善に向けて大胆なアクションを起こしてくれていることにも、非常に満足しています」(クインシー)。

もう一つ好調な製品と言えば、「コカ・コーラ ゼロシュガー」。 この製品は2017年8月、「コカ・コーラ ゼロ」に代わる製品として米国市場で発売したものです。第1四半期にも、販売数量と売上高の両方で2桁成長を遂げました。

続々と成果を出し始めた成長戦略。ザ コカ・コーラ カンパニー 2018年第1四半期の業績ハイライト

「ポートフォリオが多様化する中でも、私たちはこれまでに築き上げてきた強固な基盤に支えられています。『コカ・コーラ』ブランドの製品は世界中で、販売数量4%増を達成しました。これは、途上国や新興国において販売を伸ばしていることに加え、低カロリー・ゼロカロリー製品が非常に強い勢いを保っているおかげです」(クインシー

 

■成功ブランドは世界中ですばやく展開

コカ・コーラ カンパニーが注力する取り組みの一つが、「成功事例の迅速な各国展開」。その良い例が、傘下のお茶ブランド「Fuze Tea」の欧州展開です。「Fuze Tea」は2017年末時点で北米やアジアなどの50近くの国で販売されていましたが、2018年1月に、未発売だった欧州37ヵ国で一斉に発売しました。「これは、成功したブランドを迅速かつ効率的に他地域展開することで、事業規模を一気に拡大することができる私たちの力量を示す好例と言えるでしょう」(クインシー)。

続々と成果を出し始めた成長戦略。ザ コカ・コーラ カンパニー 2018年第1四半期の業績ハイライト

また、ザ コカ・コーラ カンパニーは2017年後半に、メキシコの高級ミネラルウォーターブランド「Topo Chico」の米国事業の権利を取得。これまでに培ってきた新興ブランド育成のノウハウを活用して、ブランドの急成長を実現しました。2018年第1四半期末までに、米国でコンビニエンスストア流通先を25%拡大。「Topo Chico」の米国における小売売上高は30%以上成長しています。

 

■社員とボトラー社の意識改革に成功

以上のような成長をけん引しているのは、イノベーションを重視する社員の意識であるとクインシーは指摘します。「私たちは、『より素早く行動し、リスクを恐れず挑戦し、規律ある成長を追求する』という企業文化を醸成すべく、社員を啓発してきました。こうした社員の意識の変化が、当社パフォーマンスが向上している最大の要因です。結局のところ、目まぐるしく変化する消費者の嗜好を捉えて成功するには、スピードと機動性が決定的な要素となるのです」(クインシー)。

世界各地のボトラー社(*1)は、ザ コカ・コーラ カンパニーと総合飲料企業を目指すビジョンを共有し、独自の投資や販売能力向上のための取り組みを進めています。ザ コカ・コーラ カンパニーが総合飲料企業として消費者に多様な製品を届けるうえで、各地のボトラー社の運営強化は欠かせない役割を務めているのです。

 

■デジタル戦略とパッケージ戦略で若者にアピール

近年、特に若い世代を惹き付けているのが、デジタルマーケティングとパッケージのイノベーションです。クインシーは、中国における二つの成功事例を挙げて説明しました。一つ目は旧正月に実施したキャンペーンで、中国最大のネット・モバイル決済事業者と組み、スマートフォン上で買い物をするときの拡張現実(AR)体験を提供。このキャンペーンは、ミレニアル世代(*2)を中心に好評を博しました。二つ目は、大手インターネットプロバイダーと提携して販売した限定缶のシリーズで、ラベルをスマートフォンでスキャンすると、中国各地の都市の文化や土地柄を知ることができるというもの。「中国では、高価格帯製品を中心に売上を伸ばすための取り組みを進めており、新しい世代を惹きつけることに成功しています」(クインシー)。革新的なキャンペーンが業績を押し上げたこともあり、中国における第1四半期中の販売数量は20%以上の伸びを記録しました。

全社的な業績見通しは、年初から変わっていません。「当社は堅調な実績をあげ、既存事業の一株あたり利益(EPS)を伸ばすことができました。通年目標であるEPS成長率8~10%に向けて、順調なスタートを切ることができています」(クインシー)。ますます期待のかかる2018年、今後もザ コカ・コーラ カンパニーの業績にご注目ください。

*1 ボトラー社:製品の製造、販売などを担う会社のこと。それに対し、ザ コカ・コーラ カンパニーおよび現地法人は、原液の供給と、製品の企画開発やマーケティング活動を行う。
*2 ミレニアル世代:1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代。