文=ヨン・キム

恋愛、入試、転職・・・・・・“お断り”だらけの人生

「ごめんなさい、わたしJW君が好きなの」
彼女のその一言が、告白した僕の心を打ち砕いた。僕はそのときまだ8歳だったけど、一気に年老いたような気がした。JWにあって自分にないものが何なのか考えてみた。そりゃ、奴は僕より背が高くてイケメンだったけど、僕の方が頭も性格も良かった。フラれたことが恥ずかしくて、その後数週間は学校でほとんど誰とも目を合わせることができなかった。
あのとき以来、僕は数限りなく「お断り」を経験してきた。つきあいたかった女の子、通いたかった学校、就職したかった会社、まだまだある。断られる経験を数多くしてきたにも関わらず、僕は腹を殴られるようなあの感覚に慣れることができずにいた。
そんな僕がWonoloという会社を立ち上げた。共同創業者のAJ・ブルースタインと起業の検討を始めてから今日で1年ちょっと(*記事が書かれたのは2014年)だが、僕の人生において断られる回数は量、頻度ともに飛躍的に増えた。たった1年で数千回という勢いだ。もはや断られることは僕の日常と化している。営業先、パートナー候補、投資家、就職希望者と相手は様々だが、断る方にはいくつかの類型があることに僕は気付いている。
・群れの一員型:「良い考えだと思いますよ。今はちょっと受け入れられる態勢にないんですが、うちの競合があなたと何かやりたいと言ってきたらすぐ教えてください」
・知ったかぶり型:「似たアイディアが大失敗するのを何度も見ていますよ。うまくいかない理由はこんなにあります」
・ボトルネック型:「私自身に決定権はありませんが、手続き上、必ず私を通してください」
・羊の皮をかぶったオオカミ型:「素晴らしいアイディアですね。ぜひやりましょう!」と言った後、「受信拒否型」に変身(下を参照)。
・受信拒否型:「今後、連絡・挨拶の類は一切してこないでください。全て無視します」

1000回の「お断り」を経験した起業家が教える
1001回目には「OK」をもらう方法
What 1,000 Rejections Have Taught Me
サンフランシスコのWonoloチーム一同


痛みを経験したから学べた3つの教訓

日常的に繰り返し断られ続ける中で、僕はようやくそれにうまく対処する方法を学び始めている。痛みを伴うこの体験(成長体験と言っていいのかもしれない)から学んだ3つの重要な教訓を、下に挙げてみる。
1.謙虚さを保とう。
相手方の意思決定が絡む状況になる前は、相手に「イエス」と言ってもらうことの難しさを甘く考えがちだ。楽観的な態度が素晴らしいのは、十分な準備、真剣な態度、そして的確なアプローチを伴う場合だけだ。謙虚さを保とう。相手に会う前にできる限りの準備を整えよう。その人の話を良く聞いて、同意できない場合でも誠実に敬意を示そう。
2.断られても大丈夫。
断られるのは確かにつらいけど、それで世界が終わるわけじゃない。他の機会もまだまだ転がっている(むしろ良い機会かもしれない)。断られた直後はなかなか目に入らないだろうが、この世界の中で、機会というものは断じて不足していない。前進を続けよう。ポジティブな気持ちを失わず、貴重な経験から何を得られたかに着目しよう。
3.断られる経験から学ぼう。
断られる理由の中には、納得できなかったり理解しきれなかったりするものが1つ以上はあると思う。しかしもっと大事なことは、フィードバックやデータを集めて断られた根拠をできる限り把握することだ。次の「売り込み」をするとき、この情報は未知の状況を乗り切る良い指針となるだろう。
この文章を書いている間も、受信箱に何件かお断りのメールが入ってきた。明日もさらに届くに違いない。それでも、僕はこの(たまにではなく)たえまなく断られ続ける経験が貴重なことを教えてくれた現実に感謝している。スポーツやコンペと同じように、断られ方も練習によって上達できるんだと思う。その回数が増えるほど(そしてそこから多くを学ぶほど)、僕らはもっと強くなれるはずだ。
さあ、気を取り直して、傷を舐めて前に進もう。

1000回の「お断り」を経験した起業家が教える
1001回目には「OK」をもらう方法
What 1,000 Rejections Have Taught Me
筆者のヨン・キム


ヨン・キムはオンデマンドの人材派遣プラットフォームを運営するWonoloの共同創業者。キムAJ・ブルースタインの2人は、コカ・コーラ ファウンダーズ プラットフォームの一環として、2013年12月に同社を創業した。コカ・コーラ ファウンダーズ プラットフォームは、コカ・コーラ社のマーケティング力や流通網などのサポートのもとに事業立ち上げを行う、経験豊かな起業家の世界的なネットワークである。