経産省の膨大な情報を「ビジュアル化」した「OPEN METI」

8 Innovations Selected by Rhizomatiks
ライゾマティクスが選ぶ「8」個のイノベーション
OPEN METI」。経済産業省が保有する日本経済の過去と現在の多様なデータを、
様々な切り口で紐解き、活用可能なオープンデータとして公開していくプロジェクト。

清水 ライゾマティクスが制作を担当したwebコンテンツに、経済産業省の「OPEN METI」(http://openmeti.go.jp )というプロジェクトがあります。これまで紙に印刷されて眠っていた経産省の膨大な情報をOCRという機械を使ってスキャン&データ化、整理して、わかりやすく伝わるようにビジュアライズしています。

齊藤 このプロジェクトを見ても明らかですが「ビッグデータの活用」というトピックはトレンドワードになっていて、今後ますます重要視されるようになると思います。ただ、先日のベネッセの個人情報漏洩事件ではありませんが、情報といっても個人情報の扱いには非常にデリケートな問題が含まれています。

清水 確かにそうです。

齊藤 それでも先日、個人情報保護法の改正案の大綱がまとめられ、政府は2015年には個人情報保護法の改正案を国会に提出しようとしています。改正案には 「個人が特定されないようデータを加工した場合は同意を得なくても第三者に提供できる」という内容が含まれており、かなり話題になりました。

清水 ビッグデータの活用にますます拍車がかかりますね。

齊藤 ビッグデータの活用は、ビジネスとしても見せ方としても広がっていくと思います。ただ、ビッグデータを活用したwebコンテンツをつくる際に気をつけないといけないのは、ただかっこいいだけではなく、意味のあるデータの整理・ビジュアライズをすること。それこそが、今後のトレンドになるのは間違いないと思います。

──ライゾマティクスさんと官公庁という組み合わせが驚きです。

齊藤 これ、もともとは「経産省の新しいパンフレットつくりませんか?」と持ちかけられた案件なんですよ。それに対して「誰も読まないようなパンフレットをつくってどうするんですか!」と返したら「そうですよね!」と盛り上がってしまって……(笑)。経産省の担当の方が柔軟な方だったんです。


オープンソースでつくる「自分史美術館」と「“自分だけの”Perfume」

8 Innovations Selected by Rhizomatiks
ライゾマティクスが選ぶ「8」個のイノベーション
Intel® によるFacebook連動キャンペーンサイト「The Museum of Me」。
自分のFacebook上に集められたあらゆる情報
(友人の顔写真、自分が撮影した写真、自分の個人情報など)が
まるで美術館に展示されているかのようにビジュアライゼーションされる。
プロデューサーとして斉藤氏が参加

清水 ビッグデータと言えば情報の共有ですが、プログラマの世界では既にソースコードを共有して、みんなで切磋琢磨して良いものをつくろう という考え方が一般化しています。その結果、webコンテンツの生産性は驚くほど上がり、コンテンツの内容も凄まじいスピードで進化しています。

齊藤 事例で言うと、『Perfume #001』( http://perfume-global.com/visualization.html )が挙げられますね。Perfumeのダンスのモーションキャプチャーデータと楽曲データをオープンソースとして公開し、それを元にクリエーターに自由に作品をつくってもらって公開したプロジェクトです。単に膨大な情報を公開するだけでは価値は生み出されません。データ化して、色々なフィルターを通してビジュアル化する。さらにデータを他のデータと組み合わせることでも、新しい価値を生み出すことができるのです。

清水 Facebook内の情報(個人情報や投稿した写真、友人の写真など)を提供すると、それが美術館の展示のように格好良くビジュアル化される「The Museum of Me」
http://www.intel.com/museumofme/r/index.htm )というサイトも秀逸ですよね。

齊藤 それにしても、twitterもFacebookも、オープンソースやオープンデータはビジネスに繋がるよってことを見事に証明してくれました。AというデータにBというデータを照合させると新しい価値を生む。それがビジネスに繋がる。

清水 先に紹介した「JINS MEME」とコカ・コーラさんの自動販売機が連動したら面白いことが起きる世の中になっても不思議じゃないですよね。「JINS MEME」が「この眼鏡を着用している人は、いま、疲れている」と判断し、そのデータを自動販売機に転送した瞬間、販売機の製品がすべてエナジー系のドリンクに変わったり(笑)。

齊藤 映画『トータル・リコール』の世界だよ(笑)。