コミュニケーションを育む世界で1台の自動販売機「パワーアワード・マシン」

8 Innovations Selected by Rhizomatiks
ライゾマティクスが選ぶ「8」個のイノベーション
日本コカ・コーラとライゾマティクスが共同開発した、
世界に1台の自動販売機「パワーアワード・マシン」。
モーションセンサーで人の動きを感知、それに連動した映像とサウンドが
LEDとスピーカーで覆われたマシン全体から繰り出されるばかりか、
マシンが出題するゲームに挑戦してクリアした人には
「パワーエイド フューエルエックス」が提供される

清水 日本コカ・コーラさんと共同開発した自動販売機「パワーアワード・マシン」も「誰も見たことのないモノをつくってやろう」という考え方に基づいたものです。だから、外装から全部つくったんです。

──全部!

齊藤 ええ、デバイスをどこから調達するか、デザインはどうするかというところをゼロベースで考えたので、改造したというよりはゼロからつくったという感じです。

清水 全国どこにでもあって、いつでも稼動している自動販売機。安全な日本ならではの、それらを活用した取り組みには大きな可能性があると思っています。今回の施策では、近い将来自動販売機が意思を持ったとしたら、お客さまとどんなコミュニケーションが生まれるか? という発想をコミュニケーションプラン(自動販売機が君の力を引き出してくれる、というストーリー)と機械の設計に落とし込みました。

齊藤 特に、日本コカ・コーラさんは多くの自動販売機を媒体とした素晴らしいコミュニケーションを手がけられています。若者をメインターゲットとしたエナジー系スポーツ炭酸飲料「パワーエイドフューエルエックス」という商品の位置づけと、擬人化したオリジナル自動販売機「パワーアワード・マシン」が自ら意思を持って参加者のパワーを評価してくれるという文脈がスッとつながったので、「POWER AWARD」というキャンペーンを実現できたと思うんです。


イノベーションはエンジンであり、リミックスでもある

──これで、8つのイノベーションが出そろいました。会話の端々に、イノベーティブであることの意味は含まれていたと思うのですが、改めて、おふたりにとって「イノベーション」とは何なのか。教えていただけますか?

齊藤 僕は、「枯れた技術の水平思考」という、ゲームボーイをつくった横井軍平さんの言葉が好きなんです。「枯れた技術」とは、最先端のものではなくさんざん使いこなされて枯れてきた技術のこと。いまある技術を、DJのようにいかにうまくリミックスするか。そこが僕はイノベーションのコアかなと思っていますね。一言で言うのは難しいなぁ(笑)。

清水 難しいですね。何かを前に突き動かして行くもの、というイメージがあります。正義とか、何が正しいかということは時代によって変わっていきますけれど、「前に進めていくエンジンになるもの」が「イノベーション」でしょうか。ポジティブになれるものであるべきだと思っています。
8 Innovations Selected by Rhizomatiks
ライゾマティクスが選ぶ「8」個のイノベーション

■プロフィール
齊藤精一/さいとう・せいいち(写真右) ライゾマティクス代表取締役
清水啓太郎/しみず・けいたろう(写真左) ライゾマティクス・プロデューサー/プロダクトデザイナー

Rhizomatiks/ライゾマティクス
2006年に設立。建築、メディアアート、音楽、数学、工学、デザインなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーからなる、少数精鋭のクリエーター集団。デザイン、アート、エンターテイメントの枠組みを行き来しながら、Webから空間におけるインタラクティブ・デザイン、広告など幅広いメディアを手がけ、新たなフォーマットを生み出し続けている。アルスエレクトロニカ、文化庁メディア芸術祭、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルなど受賞歴多数。
パワーエイド http://c.cocacola.co.jp/powerade/