文=レイラ・オルセン


■ネットで話題の怪しい自動販売機

シアトルの道端にひっそりとたたずむ、1970年代に製造されていたタイプの「コカ・コーラ」自動販売機。私は何年もの間、家の近くにあるその自動販売機の横を、特に気に留めることもなく通り過ぎていました。落書きされ、風雨にさらされてボロボロになったそれは、営業しているのをついぞ見かけたことのない鍵屋の前にぽつんと置かれています。まるで過ぎ去った時代の証人であるかのように……。
何が出てくるか分からない!
シアトルの怪しい自販機にコインを投入してみた

自動販売機のうらぶれた様子から、それは所有者が記念物としてあえて残しているか、単に片付けるのを忘れたもので、とっくの昔に空っぽになっているものだと思い込んでいました。ところが、です。

ある日、退屈のあまりフェイスブックのフィードを漫然とスクロールしていると、「シアトルの心霊自動販売機」という見出しが目に留まりました。暇つぶしのつもりでリンクをクリックしてみると、あまりに見慣れた存在が画面上に現れました。そう、あの謎の「コカ・コーラ」自動販売機です。

その記事を読み、さらにネットで検索をかけた結果得られたのは、以下のような情報です。
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自動販売機には霊がとりついていると信じられている。15年以上も清涼飲料を提供し続けているにもかかわらず、新しい缶が補充されているところを見た者は誰もいない。

自動販売機のオペレーターが謎に包まれていることと呼応するかのように、自動販売機のボタンには「?Mystery?(ミステリー)」と記載されている。

25セント硬貨を3枚(合計75セント)投入すると、「コカ・コーラ」に限らずあらゆる種類の清涼飲料が出てくる。

何が出てくるか分からない!
シアトルの怪しい自販機にコインを投入してみた


■ついにコインを投入。出てきた飲料は……

すぐに何でも検索できるインターネットは偉大な発明ですが、物事を本当に理解するためには、得られた情報を解釈した上で実際に自分で行動してみるに限ります。私はさっそく自動販売機のところに行って写真を数枚撮り、ことの真相を探ることにしました。

私が探偵ごっこをしている10分ほどの間に、3組のグループが自動販売機に立ち寄りました。彼らもまた、その謎めいた自動販売機に惹かれてわざわざやって来てしまったことに、かすかな気恥ずかしさを感じているように見えました。

誰かが「ミステリー」ボタンを押すと、毎回異なる清涼飲料が飛び出してきました。その中にはコカ・コーラ社の製品も、そうでないものも混ざっていました。何かが出てくるたびに、ボタンを押した人は笑って肩をすくめ、ちょっと面白い体験ができたことに満足して去っていくのでした。

他の人たちが一通り試した後で、私も同じことをやってみました。果たして出てきたものは……。

あらゆる問いへの答えがネット上で簡単に手に入る今の時代、リアルな世界でちょっとした不思議体験ができるのは良いものです。謎の「コカ・コーラ」自動販売機のオペレーターに幸あれ!