コカ・コーラ」のラベルに名前が印字された、通称“ネームボトル”を展開する「Share a Coke」 キャンペーン。米国では、2014年のスタート以来すっかり定番となり、今や“ネームボトル”は友人や家族と過ごすときに欠かせないアイテムです。

このキャンペーンについて、ザ コカ・コーラ カンパニー(米国本社)でシニアブランドマネジャーを務めるサクソン・シーエイは、次のように語ります。「『Share a Coke』の根底にある理念は変わっていませんが、消費者に響く新鮮な体験を提供するために、その手法は毎年変化しています。開始当初は、『店頭の製品ラベルに自分の名前が印字されている』というまったく新しい体験を消費者に理解してもらうことに注力する必要がありました。しかし“ネームボトル”が浸透し、キャンペーンに対する反響と期待が高まるにつれて、さらなる新しさが求められるようになっているのです」。

Share a Coke」キャンペーンは、いったいどのように変わってきたのでしょうか? その進化の過程をご紹介します。

文=ジェイ・モイエ

 

全米が熱中する“シェア”体験。 5度目の夏を迎えた「Share a Coke」キャンペーン その“超進化”の歴史をプレイバック!

 

■2014年:オーストラリアのヒットキャンペーンを米国に展開

Share a Coke」キャンペーンは2011年にオーストラリアで始まり、その大成功を受けて2014年に米国に展開されました。米国の若年世代に多い250の名前が選ばれ「コカ・コーラ」「ダイエット コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロ」のボトルのラベルに印字されたほか、大型PETボトルのラベルには「家族」「友達」など関係性を示す言葉、そして缶には「親友」「バディ」といった、より親しい間柄を示す言葉が印字されました。

また、キャンペーン特設サイトでボトルの画像をカスタマイズしてSNS上で友人に送る機能が人気となったり、ハッシュタグ「#ShareaCoke」を使って共有されたストーリーや画像のうちの一部が「コカ・コーラ」広告に採用され、米国各地の電子掲示板に登場したりもしました。

全米500ヵ所を巡回した「Share a Coke」ツアーでは、「コカ・コーラ」のミニ缶2本を自分と特別な人のためにカスタマイズできるキオスクが登場。店舗で販売されている「コカ・コーラ」ボトルには自分の名前がなかったファンも、 自分だけのボトルを作成することができるようになったのです。

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■2015年:名前の数も楽しみ方も拡大

キャンペーン2年目には、“ネームボトル”の名前が一気に増え、その数なんと、前年の4倍となる1,000パターンに。同時に、ボトルを使った楽しみ方も格段に広がりました。 キャンペーンの開始日も、母の日、父の日、卒業式といった春夏のイベントに合わせて数週間早まっています。

このような変化のきっかけとなったのは、2014年の「Share a Coke」キャンペーンを創意工夫によって楽しみつくしたファンたちの反響でした。たとえばプロポーズ、出産の報告、大学入学祝いなど、ありとあらゆる特別な場面で“ネームボトル”が活躍し、それがSNSを通じて爆発的に拡散したのです。このようなシーンでの活用を見込んで、「お母さん」「お父さん」「ソウルメイト」「ヒーロー」といったラベルが加わり、大型PETボトルには「2015年度クラス」「チーム」などの言葉が登場しました。

Share a Coke」ツアーは、前年に続いてテーマパークやミュージックフェス、カーレースなど夏の大型イベントを訪れました。各会場では合計百万本以上の「コカ・コーラ」製品のミニ缶がカスタマイズ・配布されたのです。

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■2016年:「コカ・コーラ」と歌をシェアしよう

3年目は少し趣向が変わります。「コカ・コーラ」製品のパッケージに印字されたのは、名前ではなく、人気の歌の歌詞。 誰もが知る定番ソングから最新のヒットソングまで、各世代に人気の歌の中から70種類以上の歌詞が採用されました。恋に落ちる瞬間(You Belong With Me / テイラー・スウィフト)、勝利の確信(All I Do is Win / DJ キャレド)、友人を思う気持ち(Lean on Me / ビル・ウィザーズ)など、さまざまなシーンや気分に寄り添う歌詞が消費者の心を掴んだのです。

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■2017年:名前に合わせたオリジナルCMソング

Share a Coke」キャンペーンの4年目の広告ビジュアルは、「キンキンに冷えた『コカ・コーラ』がもたらすさわやかなひととき」という「コカ・コーラ」の原点をほうふつとさせるものでした。

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音楽にフォーカスした前年に続き、個人の名前に合わせて、1,000パターン以上のCMソングをつくるという前代未聞のキャンペーンが展開されたのもこの年。特設サイトの検索バーに名前を入力すると、その名前を使った18~20秒のCMソングを聴くことができるようになったのです。残念ながら名前が対象外だった消費者には、「ごめんなさい」というメッセージが表示されたのですが、そのときも専用の曲が流れるようになっていました。

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■2018年:ますますパワーアップしたシェア体験

キンキンに冷えた「コカ・コーラ」は、一人で飲むより誰かとシェアした方がおいしく感じる──それが2018年の「Share a Coke」キャンペーンのメッセージです。

コカ・コーラ ノースアメリカ(北米事業部)で「コカ・コーラ」トレードマーク担当バイスプレジデントを務めるジェイディープ・キベは、次のように語ります。「今年、私たちは夏の特別なひとときに共有される『コカ・コーラ』の役割に注目しています。“ネームボトル”というコンセプトにとどまらず、体験を共有するということの意味合いをもっと深掘りしたいと考えたのです」。

今年は初めて、“ネームボトル”の名前部分がステッカーになったラベルが登場。 それを剥がして下にあるコードをスキャンすると、「コカ・コーラ」製品をはじめ遊園地や野球観戦のチケットなどの景品が当たる抽選に参加できるようになっています。

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さらに今年の目玉となっているのが、「シェアチェア」と名づけられた特別な装置(冒頭の画像で、二人が腰かけている赤いソファ)。ここに二人一緒に座ると、「コカ・コーラ」または「コカ・コーラ ゼロシュガー」のカスタマイズ缶が、ソファの肘かけ部分から出てくる仕組みになっています。ソファの前には絶妙な位置にカメラが設置されており、二人が缶を受け取る様子をばっちり撮影。すぐにSNSでシェアできるようになっています。「シェアチェア」はロサンゼルスで開催される音楽・カルチャーイベント「BET Experience」、シアトル開催のスペシャルオリンピックス米国大会、ワシントン開催のMLBオールスターゲームなど、複数の大型イベントを巡回する予定です。

今年は、1,100を超える名前や名字が印字される“ネームボトル”に加え、「チャンピオン」「親友」「MVP」などの言葉が印字されたボトルが登場します。また、特設サイト『www.ShareaCoke.com』では、好きなテキストを2行まで印字できる、ボトルのカスタマイズサービスを展開しています(*配送は米国内のみ)。

5年目に入り、ますます進化を続ける「Share a Coke」キャンペーン。今年も、全米で夏を盛り上げることは間違いありません。